提供:YOBYBO
クラウドファンディングサイトMakuakeで支援者を募集中の超薄型完全ワイヤレスイヤホン「CARD20」を、先行レビューさせていただけることとなりました。
ぼくは小さい筐体に機能がグッと詰まったミニマルガジェットが大好きなのですが、CARD20はまさにミニマルど真ん中。手にした瞬間ニヤニヤが止まりませんでした。
しかし、本記事はあくまでレビュー。良いところも悪いところも、存分に語らせていただきます。
※2020年8月7日追記:一般販売がはじまりました
CARD20の概要
CARD20は、世界最薄クラスなのにハイスペックを目指す完全ワイヤレスイヤホンです。
おおまかなスペックは以下の通り。
- サイズ:84 x 35 x 13 mm
- 重さ:片耳3.5g
- チップ:QCC3020
- ドライバー構成:1DD(13mm)
- Bluetooth:5.0
- コーデック:aptX、AAC
- 連続再生:20時間(本体4時間+ケース16時間)
- 防水:IPX4(耐水)
カラーは、モダンブラック、シルバーホワイト、シトロングリーン、ダークブラウンの4色展開。
完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しい、マットで控えめなカラーリングです。
より詳しい情報は、下記クラウドファンディングプロジェクトページからどうぞ。
参考 独自の天窓設計。財布にも収納可能な世界最薄クラスのTWSイヤホン「CARD20」
CARD20のレビュー
細かい話は置いておき、さっそく実物レビューしていきます。
付属品:最低限
- 本体
- USB-A〜USB-C充電ケーブル
- 説明書
なお先行レビュー時点では、説明書は英語と中国語のみ。
2020年3月末の発送時点で日本語版が出るかは未確認です。
が、クラウドファンディングページに使い方が書いてありますので、問題ないでしょう。
外観・デザイン:薄くてイケてる
第一印象は「平べったい」。
なんせ……
こんなに薄いんです。
これでちゃんと音が鳴るの?と心配になるレベル。
と思いきや……
ちゃんとイヤホンです。インナーイヤー型。
ですが、通常のインナーイヤー型とは異なり、スピーカーユニット部分がかなり小さめ。
耳の穴にピンポイントに響くように作られているようです。
ちなみに……
いわゆる「うどん」部分は、iPhone 8の半分未満の厚さ。
めちゃくちゃ薄いです。
他のワイヤレスイヤホン(上記はJabra Elite Active 65t)と比べると、CARD20が飛び抜けて薄いことがよくわかります。
ケースの上部はぽっかり天窓があいています。そこからイヤホンが見えるのが、他と一番違うポイント。
デザイン的にもなかなかイケてますし、ケースにちゃんとイヤホンが入っていると確認しやすいので、イヤホンをなくしてもすぐ気づけそうです。
裏側にはUSB-Cの給電口があります。
Micro-USBでなくUSB-Cを選んでいるあたり、さすが先端を行くクラウドファンディングプロダクトという感じ。
ペアリング:十分早い
ケースを開けると自動でペアリングモードに入ります。
スマホ上は、
- Card20
- Card20 (R)
の2つ表示されるので、それぞれペアリングします。
片耳だけ使いたいときは、使うほうだけ取り出せばOK。
以降、ケースのフタを開けると自動的に接続されます。
耳に入れるときには使える状態になっているので、ストレスがありません。
装着感:密着せず、軽い
耳に「入れる」というより、耳に「乗せる」感じで装着します。
カナル型と比べると耳への密着感はありません。
しかし、首を振っても取れないくらいのホールド力は確保されています。
相当な勢いで頭に衝撃が走るスポーツ(?)でもしない限り、耳から落ちることはないと思います。
音質:主役はあくまで現実世界
全般的に、脳内に直接響くのでなく「耳の近くでスピーカーが鳴っているな」と感じる聞こえかたです。音楽を聞いていても、電車の車内アナウンスや自分の足音も聞こえます。天然のヒアスルー。
そのため「現実世界で音楽を聞いている」という意識が常に働きます。主役は現実世界。音楽は脇役。音源の表現する世界に没入する聴き方が好みの人には向かないかと思います。
肝心の音は、高音寄りのバランス。中音〜低音に強い1DD構成なのに高音が目立つのは、スピーカーユニットと耳の間に距離ができる構造の影響でしょう。
とはいえ低音が弱いわけではありません。インナーイヤー型にしては珍しく、ドンシャリ系の音源だときちんとバスドラムの音が頭に飛び込んできます。ここは好評価をあげたいところ。
なお音の解像度や臨場感は、静かな場所でアコースティックギターの曲を聞くと十分に感じますが、電車の中でEDM等を聞くと今ひとつ。
「主役はあくまで現実世界」なイヤホンである以上、没入できることが前提である分解的な聴き方はお門違いなのかもしれません。
以上の点から、CARD20の音は「常に良い音質」にこだわりすぎず、現実世界を彩るサブ要素としてライトに音楽を楽しみたい人向けかな、と思います。
各音域別の印象は以下のとおりです。
高音域
音量大きめ。イコライザーでトレブルのつまみをぐいっと上げたときと同じようなイメージです。
そのため音源によっては破裂音(さしすせそと言うときに聞こえる、口から空気が抜ける高音)が刺すように響くことがあります。
奥行きはあまり感じませんが、左右の音の出し分けはキレイです。
中音域
他の音域より、3歩くらい引いた場所で鳴っている印象です。
ただし中音がメインのピアノやジャズを聞いていみると、一定の解像度や表現力は確保されてます。
そのため、イコライザで調整すれば十分に改善が見込めるでしょう。
低音域
インナーイヤー型のわりに、きちんと強めに低音を響かせています。
しかも単にバスドラムをボンボンするだけでなく、ある程度の奥行きも感じられるため、かなり優秀な部類に入ると思います。
ただカナル型のように耳奥に直に音圧がくるわけではありませんので、過度の期待は禁物です。
接続維持力:弱い
ぼくの環境のせいかもしれませんが、結構接続が切れがちです。
たとえば、
- スマホを尻ポケットに入れた状態だと
- 空いた道端でも、30秒に1度くらい左右どちらかが0.1秒ほどプツッと切れる
- 通勤ラッシュ中の新宿駅山手線ホーム(世界一Bluetooth電波が混線しているだろう場所)だと、まともに聞けないほど途切れ途切れになる
- 家の中で壁をはさんで7mほど離れると、左右どちらかが聞こえなくなる
という感じ。
遮蔽物や混線に弱いように見えるため、Bluetoothの出力強度が弱めに調整されているのではないかと思われます。
そうしている理由はおそらく、電池の持ちを確保するため。CARD20は本体が薄く、大きな電池が積めません。なのでBluetoothの出力強度を弱めて、消費電力を抑えるほかなかったのでしょう。
ただし、スマホを前ポケットや胸ポケットに入れれば実用レベルになります。要するに、遮蔽物の少ない場所にスマホを配置すればOK。
どうしてもスマホは尻ポケットじゃないと嫌だ!という人以外は、前ポケットに入れるスタイルで使うことをおすすめします。
操作性:問題なし
タップで操作します。当たり判定は、イヤホン中央の銀丸部分。
感度は、カサカサに乾ききった指先だと反応しづらいものの、そうでなければ良好です。
なお、操作方法は以下とおり。
音量アップ・ダウンができないのは気になりますが、1日に1回やるかやらないかくらいなので、個人的には許容範囲内です。
それより注目すべきは、1タップの操作がないところ。これだけで誤操作率がグッと下がるので、「タップ操作は苦手かも」という人も安心でしょう。
持ち歩きやすさ:最高
薄くて軽いので、持ち歩きやすさはピカイチ。
カバンの内ポケットにすべり込ませると存在感が消えます。
ジーンズのコインポケットが意外とジャストサイズ。
入れようと思えばコインケースにも入ります。
電池の持ち:ちゃんと4時間持つ
本体をマックス充電し、スマホとペアリングしてわりと大きめの音量で音楽を聴き続けたところ、トータルで4時間近く持ちました。
- 通勤の行き帰り:1時間弱×2
- 帰宅後:2時間弱
混線しがちなラッシュ時間帯も含めての数字なので、公証の「最大音量で4時間」はウソではなさそうです。
防水性能:あくまで耐水と心得るべし
IPX4基準(水の飛まつに対して保護)の耐水。
雨や汗くらいなら耐えられる水準ですが、水に浸かるとダメになるので、お風呂やシャワーで使うのはご法度です。
とはいえこの薄さですから、防水でなくてもしょうがないでしょう。
CARD20はこんな人におすすめ
とにかく薄い。史上最強に薄い。ついでにデザインもイケてる。
それだけでも使う価値のあるCARD20ですが、実際に使っていると「ああ、ぼくはいま、最先端のものを使ってる」という気分になってくるんです。
薄さや軽さによる実利も大事ですが、使っていて気分がアガることはもっと大事。
触ってニヤニヤ、使ってニヤニヤ。そういう気分になりたい人にこそ、CARD20をおすすめしたいと思います。
まとめ:ニヤニヤが止まらない
総合評価:
接続維持のため前ポケットにスマホを入れなければならない点を考慮して、星マイナス1つ。
でも本当は、持っているだけでニヤニヤできるので星5をあげたいところ。
なんせ当サイトは「ミニマルガジェットレビューブログ」。管理人のぼくは当然、ミニマルな機能美ガジェットが大好き。
その点、CARD20はどストライク。こんなに薄いワイヤレスイヤホン、持ってるだけで丸儲けってもんです。ニヤニヤが止まらない。
あなたもどうですか?CARD20、いいですよ。
以上「ニヤニヤするほど薄いTWSイヤホンCARD20のレビュー」でした。