提供:SIMGOT
2020年2月発売のハイレゾ対応イヤホン「SIMGOT ”MEETURE” MT3 Pro」をレビューします。
結論、1万円以下のイヤホンを探しているなら間違いなく「買い」です。
SIMGOT MT3 Proの概要
スペックと注目ポイント
- ドライバー:10mm高磁気複合ダイナミックドライバー
- 振膜:高分子複合チタン振動膜
- 再生周波帯域:15Hz-40kHz
- 音圧感度:≥108dB(at 1000Hz)
- インピーダンス:18Ω
- 音圧感度誤差:<1% 108dB(20μpa)
- 左右音圧感度誤差:<1.5dB(at 1000Hz)
- 定格電力:10mW
- コード:高純度無酸素銅線と銀メッキ銅線の4本混合編線
シングルダイナミックドライバー、いわゆる「1DD」構成です。スペック的にはしっかり低音寄り。
ですが実はこのドライバー、EN700 Proという1.8万円の高級イヤホンに搭載されているのと同じものなんです。
それが7,800円で買えるので、MT3 Proはいわゆる「お得機種」といえます。
MT3とMT3 Proの違い
なお海外では、すでにSIMGOT MT3という先行機種が発売済。
「Pro」化によりどう進化したか気になったので、SIMGOT社に問い合わせてみたところ、2つの変更により音質が向上したとのことでした。
- ケーブル材料の変更(無酸素銅線4本の編線から、高純度無酸素銅線と銀メッキ銅線の4本混合編線へ)
- 音質のチューニング(POPやボーカル方面が聴きやすくなるよう調整)
<単なるリブランドではないみたいです
SIMGOT MT3 Proレビュー
それではレビューしていきます。
付属品:2種類のイヤーピースが嬉しい
- イヤホン本体
- ケーブル
- イヤーピース(SML×2セット)
- 収納ケース
- VIPカード・保証書・取扱説明書
注目すべきは……
イヤーピース(イヤーチップ)が2種類入っていること。
- 中〜高音域のきめ細かさときらびやかさを引き立てる「Eartip I(通透塞)」
- 低音寄りながらも、スピーカーの表現をそのまま伝える「Eartip II(均衡塞)」
高音域と低音域、どちらを強めに出すかお好みで選択可能です。
もちろん、音域別の音量はイコライザでも調整できます。しかし個人的には、イヤーピースで調整するほうが響きが自然に聞こえるので、異なる種類のイヤーピースが入っているのはありがたい限りです。
後述しますが、MT3 Proは低音中心の作りなので、全音域のバランスを取りたければEartip I、低音の魅力に浸りたければEartip IIを選ぶと良いでしょう
外観・デザイン:見た目より実利を取る作り
今回は「クリアブラック」をチョイスしたのですが、なんと同梱のケーブルが薄ピンク。
個人的にはナシな組み合わせになってしまいました……。
ケーブルがこの色だとわかっていたら、最初から「ピンク」か「クリア」を選んでいたんですが。
がっつり太めの筐体。ツートンデザインに「MEETURE」の文字。
このデザインはいいのですが、ゴロッと転がるような太めの筐体は、好みが分かれるかもしれません。
同じSIMGOTのEM2とMT3 Proの大きさを比較してみました。右のMT3 Proのぶ厚さが目立ちます。
しかし、厚さがあるのは悪いことではありません。以下2点のメリットがあります。
- 厚みがあることで耳へのフィット感が増し、疲れにくさにつながる
- スピーカーユニットの奥行きが確保され、低音域の品質が向上する
それぞれ、後述セクションでその効果を詳しく解説します。
装着感:フィット感が良く、疲れにくい
装着してみると、耳に吸い付くような感触で、ものすごいフィット感です。
以前レビューした上位機種「SIMGOT EM2」は、時たま耳から滑り落ちそうになることがありましたが、MT3 Proはそれが一切なく、しっかり耳に固定されます。
それでいて、なぜか疲れにくい。3時間ほどつけっぱなしにしてみましたが、全然耳に疲れや痛みを感じませんでした。
本体のぶ厚いがゆえ、耳の後ろに回ったケーブルに引っ張られても耳に密着した状態でキープされるのでしょう。ぶ厚さがいい仕事してる、ということです。
音質:弾みよい低音に心奪われる
基本、低音が強めなのに、中高音の解像度が高いのが特徴的。
1万円未満の低音系イヤホンは、だいたい中高音の解像度が犠牲になっているものですが、MT3 Proはそれがありません。
そのため、各音域の音量バランスをイヤーピースやイコライザで整えれば、一気に好みの音に化けます。
ドライバーやスピーカーはじめ、作りの良さが伺いしれます。ここがいわゆる安物イヤホンとSIMGOTの差なのでしょう。
音域別の印象は以下のとおりです。
高音
解像度と臨場感は確保されているものの、音量は小さめ。
こもっている感はなく、スピーカー自体に音質を阻害する物理的な問題があるような聞こえ方ではありません。
イコライザ等での調整次第で、きらびやかな音を作れそうです。
中音
ボーカルの存在感をしっかり感じ取れますが、明瞭感・臨場感は今ひとつ。
厚手のカーテンの向こうで歌っているイメージです。
低音
とても美しい。特にバスドラムの弾みが秀逸で、頭の真ん中にスパンと心地よく響きます。これほど聞いていて気持ちがいいバスドラムの音は初めてです。
よく聞いていみると、バスドラムの波形に混ざるわずかな高音を絶妙にとらえているように感じました。これが他にない弾み感を出しているのかもしれません。
このような音が出せている理由はおそらく、高級ラインと同じドライバーを使っている以上に、イヤホン本体内のスピーカーユニットにきちんと厚みが確保されているからでしょう。
一般的に、スピーカーユニットは薄くなるほど低音の品質に支障が出ると言われています(参考:PDF注意)。MT3 Proは、低音の品質のためあえて本体に厚みを持たせているのかもしれません。
保証期間:安心の1年保証
SIMGOT MT3 Proには、
- 理由不問で30日間の返金保証
- 品質上の問題に対する1年間の保証
がついてきます。
くわえて、同梱されている保証書のQRコードからVIP登録すれば、保証期間を3ヶ月延長可能。
7,800円とお手頃価格ではあるものの、万が一なにかあったときに返金・交換を含めた対応をしてもらえるのは安心ポイントです。
SIMGOT MT3 Proはこんな人におすすめ
SIMGOT MT2 Proの強みは、なんといっても低音の弾みです。EDMはじめ、バスドラムを響かせる系の音楽を好む人にピッタリ。
またスピーカー自体の基礎力が高いので、イヤーピースやイコライザを駆使してハイクオリティながら自分好みの音を作る……という楽しみ方もおすすめです。
1万円以下であることを考慮するとその実力は飛び抜けて高く、「高コスパイヤホン」と呼ばれて然るべきでしょう。
まとめ:7,800円なら買い
総合評価:
SIMGOT MT3 Proは、7,800円という値段ながら、
- 高級ラインと同じダイナミックドライバー
- スピーカーユニットの厚みをしっかり確保
することで、比類なきクオリティの低音を奏でる満足機種でした。
この低音は、そこらの単純ドンシャリイヤホンとは一線を画するものです。
あなたもぜひ体験してみてください。きっと惚れると思います。
以上「SIMGOT MT3 Proレビュー | 最高の装備を親切な価格で。弾む低音に心奪われるハイレゾ対応イヤホン」でした。
ちなみに、SIMGOT MT3 Proのコネクタは0.78mm 2pin。ケーブル側の楕円形のカバーで覆う「qdcタイプ」です。
そのため「2pinタイプ」および「qdcタイプ」のケーブルでリケーブル可能です。