提供:Hofan
セラー様のご厚意により、1日100個ほど売れているという人気のワイヤレススピーカーフォン「eMeet Luna」をレビューさせていただけることとなりました。
人気の理由は、
- テレワークで1日中Web会議。イヤホンだと夕方には耳が痛くなる。だからスピーカーフォンがほしい
- テレワークが解除されても、会社の会議で使う機会が地味に多い。だから買っておいて損はない
の2点。
しかし、スピーカーフォンは値段がお高め。AmazonベストセラーのAnker PowerConfは1.2万円、定番のJabra Speakは1.4万円です。
一方でeMeet Lunaは8,000円台と大変リーズナブル。
特に
- Bluetooth含む有線・無線接続対応
- 1万円以下
のスピーカーフォンは、eMeet Luna一択です。
この値段にできる理由は、実務をよくわかっている人が不要部分を極限まで削ぎ落としているため。
正直、機能はだいぶ荒削りです。しかし基礎力はビジネスユースに耐える水準であり、荒削り部分は実務上問題になりませんでした。実際に使っていても「この実力でこの値段ならそりゃ売れるよね」と感じます。
テレワークでスピーカーフォンがほしいし、損な買い物はしたくない、と思っている方は、ぜひチェックしてみてください。
eMeet Lunaの概要
注目ポイント
- 特許取得Voice IA、集音範囲制限機能
- 有線2種・無線2種、合計4種の接続方式
- 充電池で最大15時間駆動
- 値段がリーズナブル
4つの接続方式に対応している点はユニークですが、やはり一番の売りは値段でしょう。
仕様・スペック
- 対応人数:5〜8人
- マイク数:3つ
- スピーカー出力:3W/89dB
- 大きさ:120 x 120 x 36.5mm
- 重さ:290g
- 満充電時間:3〜4時間
- 連続利用時間:15時間
- 待機時間:30日
- 電池容量:2,600mAh
- Bluetooth:4.2
- 接続方法:USB-C、USBドングル、AUX、Bluetooth
eMeet Lunaのレビュー
それでは実物をレビューしていきます。
外観・デザイン:文句のつけようがない
上側は金属製です。長時間稼働でもしっかり放熱可能。
表面はマット加工され、テカテカと悪目立ちせず、色あいもシックで上品なたたずまい。
すごく写真映えするので、レビュー用に撮影していてうっとりしました。
裏側には、すべり止め、各種認証の表示、および専用USBドングルの格納スペースがあります。
Bluetoothが使えない人向けの配慮が光ります。
各種接続部分。左から
- USB-C:USB有線接続と充電用
- 「OUT」表示の赤いもの:複数のeMeet Lunaを連結させて同時利用するために利用
- 「IN」表示の3.5mmジャック:AUX有線接続用
です。
一番右は、セキュリティケーブル用のロック穴。会議室備えつけで使うときの持ち去り対策に使えます。
使う人だけでなく管理する人のことまで考えられている点、好感度高いです。
重さ・大きさ:持ち運びに不自由しない水準
片手で扱える大きさ。上からガバっと掴めます。
iPhone SE(と同じ大きさのiPhone 8)と比べると、このくらい。
厚みがあるので、カバンの内ポケットには入らないかもしれません。
ただ重さ290gはそこまでずっしり感がなく、持ち歩きには不自由しなさそうです。
接続:4つの接続方式。安定性はきわめて高い
Amazonの商品ページには「接続方法:USB/Bluetooth/AUX」とありますが、実際には有線2種・無線2種の合計4つです。
- 有線:USB、AUX(オーディオケーブル)
- 無線:USBドングル、Bluetooth
それぞれの接続方式につき、少なくとも5時間は連続で稼働することは確認済。
仮に1つの接続方式でトラブっても、別の方式へ切替できるので、トータルでの接続維持率はきわめて高いと考えて良いでしょう。
各接続方式別の詳細な挙動は、以下のとおりです。
有線:USB接続
USB-Cジャックで有線接続可能。
プラグアンドプレイで、つなげたらすぐマイクもスピーカーも使えるようになります。
有線:AUX(オーディオケーブル)接続
オーディオケーブルを「IN」ラベル側の3.5mmジャックに挿し込むと、スピーカー兼マイクとして動作します。
マイクつきイヤホンと同じで、特にドライバーのセットアップ等せずとも、そのまま使えます。
無線:USBドングル接続
同梱のUSBドングルをPCにつなげると、プラグアンドプレイで自動認識&接続されます。
技術的な詳細は不明ですが、おそらくワイヤレスマウスでいう「2.4GHz接続」と同じものと思われます。
無線:Bluetooth接続
eMeet Lunaを起動→Bluetoothボタン長押しでペアリング。
一度ペアリングすると、eMeet Luna起動時に自動的に再接続されます。
機能:いろいろあるが荒削り。実用は問題なし
Amazonの商品ページをパッと見ると、機能盛り盛り全部入りに見えます。
しかし実際は、結構荒削りです。正直、商品ページを見るとできそうに見えることが、実際はできない部分が結構あります。
ただ実用上、問題ありません。むしろ問題ない範囲でギリギリまでコストカットした結果のようにも見えます
詳しく見ていきましょう。
7つのボタンと5点LEDでコントロール
7つのボタンの機能は、左から
- Voice IA オン/オフ
- 電話に出る/切る
- 音量ダウン
- マイクオン/オフ
- 音量アップ
- Bluetoothペアリング、オン/オフ
- 電源オン/オフ
ができます。
マイクオン/オフや音量は、上部の5点LEDで表示。
こういうわかりやすいインターフェースが専用デバイスのいいところ。
ではあるものの……
使っていると、ごくたまにマイクオン/オフ状態が正しくLEDに反映されなくなることがあります。
具体的には、本来ミュート時はLEDが全部赤になるのですが、真ん中だけ青く光ってしまうんです。
ただこれは、表示が変なだけで、実際には正しく切り替わっている模様。
原因は不明で、対処法は音量アップ・ダウンボタンのいずれかを押すこと。
個人で使うぶんには実害は小さいのですが、会議室に備え付けるときは注意書きを置いておくほうが安全かもしれません。
ソフトウェア制御の問題だと思われるため、ファームウェアアップデートで解決するかもしれません。メーカー様へFBしておきました
Voice IAで雑音軽減
Voice IAとはeMeet Lunaに搭載される独自技術で、
- タイピング音、エアコンのノイズ、テーブルや椅子の移動音などを除去する
- そのかわり、集音範囲が3m→1.5mに半減する
という機能。
テレワークで1人で使うときはVoice IAオン、会議室など複数人で使うときはVoice IAオフ、という使い方が想定されているようです。
とはいえ、Voice IAの雑音除去機能にも限界があります。
具体的には、
- 2mくらいの距離で、サーキュレーターを回す(風の強さは「中」)
- 20cmくらいの距離で、キーボードを打つ(キーボードは「静音」とされるモデルを利用)
- 40cmくらいの距離で、マウスをカチカチする(マウスは「静音」とされるモデルを利用)
の3つの雑音に対し、Voice IAのオンオフの差をテストしたところ、
- サーキュレーターの音は、弱くなった
- キーボード打鍵音は、底打ち時の太い音は少しだけ除去されるが、カチャカチャという高音はそのまま残った
- マウスの音は、一切聞こえなくなった
という結果に。
近距離で発生する高音域の雑音は除去しきれないようです。
つまり、ノイズ除去への過信は禁物。Web会議でメモを取るときやこっそり内職するときは、面倒がらずにマイクをミュートしましょう
さすがにキーボードが近すぎたのかもしれません……
主要なWeb会議アプリと連動?
Amazon商品ページには「主要なオンライン会議ツールと連動」とあります。
しかし実際に試したところ、連動する範囲には限りがありました。
試した範囲の結果を以下の表にまとめました。接続方式は、規格上リッチなデータ通信が可能な2種類に絞っています。
いずれの場合も、マイクのオン/オフや通話開始/終了はボタン制御できませんでした。
OS/アプリ | USB有線接続 | Bluetooth接続 |
---|---|---|
Windows(Teams) | 音量のみ連動 | なにも連動せず |
Android(Zoom) | ー | 音量のみ連動 |
iPhone(Zoom) | ー | 音量のみ連動 |
つまり「主要なWeb会議アプリと連動」というのは、OSのドライバやBluetoothプロトコル標準で備わっている音量コントロール(の一部)であり、Web会議アプリ上の制御項目と密に連携するわけではない、ということ。
そのため、eMeet Lunaを使うときは
- eMeet Lunaのみで操作する(TeamsやZOOMはいじらない)
- TeamsやZOOMのみで操作する(eMeet Lunaはいじらない)
のどちらか決めておくのが良いでしょう。
ただ、実務上の使われ方に踏み込むと「eMeet Lunaのみで操作する」一択のため、Web会議アプリとの連動機能自体、重要ではありません。
具体的には、以下のとおりです。
テレワークで一人で使う場合
前者「eMeet Lunaのみで操作する」を選ぶべきです。キーボードやマウス操作を誤って、意図せず音がダダ漏れ、という事件が防げるため。
もしかすると、「この人マイクオンだし話そうとしてる……?」と配慮する人もいるかもしれませんが、そんなものはそもそも不要です。「手を挙げる」機能を使うべきですし、実際に発言する・しないのほうがはるかに重要です。
会議室で複数人で使う場合
前者「eMeet Lunaのみで操作する」一択でしょう。
全員がマイクのオン/オフ状態を見られることが前提だからです。
マイク音質:基礎力が高い
Voice IAの雑音除去には限界がある一方、マイクの基礎的な集音能力はしっかりしています。
自分の声の録音・再生してみたところ、とてもよく拾ってくれました。3~4m離れても問題ありません。
とはいえ、口元にマイクがくるインカムや単一指向性ピンマイクに比べると、音質は落ちます。人とマイクに距離がある状態で使う無指向性マイクなので、これは致し方なし。
1人で使う前提で極限の高音質を求めるなら、通話特化型ヘッドホンやMocMicシリーズなど専用デバイスを使うことをおすすめします。
スピーカー音質:倍の値段のものと同等
全く問題ありません。クリアに聞こえます。
肌感では、自社オフィスに置いてあるJabraのスピーカーフォン(1.5万円くらい)と同じくらいのクリアさです。
ためしに音楽を流してみると、人の音声を強調する調整が入っていました。
Web会議用デバイスとしては、十分すぎる音質・チューニングと言って差し支えありません。
電池の持ち:Voice IAの有無で異なるが、問題にならない
公称では連続駆動が最大15時間。1日ずっとWeb会議をしていても心配ありません。
ただ「最大15時間」はVoice IAオフのときの話のようで、Voice IAオンだと11時間くらいで電池切れしました。
とはいえ実際は
- 1日11時間、ぶっ続けでWeb会議する機会はそもそも少ない(ので、1日の終りに充電すれば大丈夫)
- 電池が切れても、目の前のPCにUSB-C接続すればすぐ復活する
ので、電池の持ちの良し悪しは、あまり問題になりません。
テレワークはもちろん、テレワーク解除後の持ち歩き時も、心配なく使えるでしょう。
その意味で、電池容量を削って値段を抑えたeMeet Lunaは「わかってる」感じがします
実際に使ってみた感想
1週間半、仕事のWeb会議を全部eMeet Lunaだけでやってみました。
eMeet Luna起因のトラブルは一切なし
はじめは「安めのスピーカーフォンだし、なんか致命的なトラブル出るかもな」と思っていました。
特に同じメーカーのeMeet C980 Proが、数時間に一度マイクとスピーカーが動作不良を起こしていたこともあり、信用しきれていなかったからです。
しかし心配をよそに、eMeet Lunaは一切のトラブルを起こしませんでした。音質面も、機能面もです。
LED表示がグリッチーになったときも、基礎機能であるマイクとスピーカーは影響を受けませんでした。
1日ぶっ続けのWeb会議でも安定稼働する
たまたま1日8時間、ランチタイム含めぶっ続けでWeb会議な日がありました。
ずっとeMeet LunaをBluetoothでつなぎっぱなしで使い続けていましたのですが、途中で落ちることなく、淡々とスピーカーフォンとしての役目を果た続けてくれました。
当たり前のことかもしれません。しかし仕事で使うとなると、小手先の便利機能よりむしろ、ここらへんの基礎力が最重要なもの。
仕事に使うスピーカーフォンとして、信頼に足る安定性です。
快適で、使い続けたくなる
1日6〜8時間Web会議している身からすると、少しの動作不良をさしおいてでも耳がオープンな状態を選びたい。
スピーカーフォンの快適さから比べると、発生頻度も実務影響もごく小さいLED表示の不整合なんて、取るに足りません。
もう、イヤホンだけでWeb会議する生活には戻れなさそうです。
eMeet Lunaはこんな人におすすめ
まとめ:「わかってる」感がすごい
総合評価:
ビジネスシーンでの実際の使われ方を細部まで理解しきった人が、実務上の要件の濃淡にもとづき、不要部分を極限まで削って低価格化した、「わかってる」スピーカーフォン。
というのが、eMeet Lunaを実務で使い尽くした、ぼくなりの結論です。
ただし、どこをどう削ったかを含む細かな動作仕様の説明がどこにもなく、その意味で「看板に偽りあり」と言わざるをえず、★-1としました。
商品説明などで購入者の期待値を適切にコントロールできていれば、文句なし★5あげていいアイテムです。
つまり、説明がマズっているだけで、モノ自体は良いです。売れている理由が確認できました。
Web会議が多い方は、「ほら今テレワークだからさ」という理由をつけて、今のうちに買ってしまいましょう。
以上「eMeet Lunaレビュー | 荒削りだが役に立つ。テレワーク後も使いたくなる「わかってる」スピーカーフォン」でした。