提供:Zbanx
海外ガジェット紹介を手掛けるZbanx様より、2021年5月発売の「Mibro Color」をご提供いただいたのでレビューします。
Mibro Colorは実売価格が5000円以下の廉価スマートウォッチ。
最低価格帯に近いので、機能・性能バランスは「なにかを取って、なにかを諦める」という形になります。
Mibro Colorはどうかというと、
- 本体の素材と質感を重視
- かわりに機能やアプリは荒削り
というバランス。
具体的には、装着時のヒンヤリ感や触感・質感は良い一方、機能やアプリは「品揃えだけは良いものの使い心地はダメ」と断じざるをえない感じです。
値段が値段なので、100点満点を求めず、そういう特性のものなのだ、と理解した上での購入をおすすめします。
Mibro Colorの概要
注目ポイント
- 話題のSpO2を含め、各種測定機能を取り揃え
- 金属素材を利用した、重厚な質感
- なのに5000円未満
仕様・スペック
- Name:Mibro Color
- Model:XPAW002
- Body Dimension:43*35mm, Thickness=10.2mm
- Band Dimension:Width=20mm,Unfolded length 252mm
- Weight:52g (Including strap)
- Material:Metal+PC/ABS+ Liquid silicone rubber
- Display:1.57inch HD Screen
- Battery Capacity:270mAh
- Battery Life:Daily Mode 7-day, Basic mode 10-day
- Charge:Magnetic Charging cable
- Bluetooth Version:V5.0
- Sensor:PPG Heart Rate、Blood oxygen、Acc sensor
- Water & Dust Proof:5ATM
- Operation Temperature:-20℃~45℃
Mibro Colorレビュー
それではレビューです。
外観・デザイン:本体はかなり良い
シンプルな外観。
ベゼルは少し太め。
ベルトはホコリが付きやすい素材ですが、本体はしっかりしています。
実は本体、金属筐体です。さわるとヒンヤリします。それなりのずっしり感もあります。
5000円以下のスマートウォッチで金属筐体を採用しているパターン、ざっと市場のスマートウォッチを見た感じ、見つかりませんでした。
値段にしては相当頑張ってると思います。
そのかわりベルトは少しペチペチ感があります。
20mm幅なので、気になる場合は買い替えを検討してもいいかもしれません。
起動直後の表示。
文字にアンチエイリアスがかかっていないのは廉価版ということでご愛嬌。
視認性に問題はありません。
起動直後のフェイス。
カクつきの目立つ文字とは違い、ジャギーな感じがなくきれいです。
以上、全体として、
- 本体部分は質感がとても良く、重量感もある
- それ以外は、値段なり
という印象です。
操作性:常用に足る
若干のカクツキやもたつきは見られますが、常用に耐えるパフォーマンスです。
これ以上のヌルヌル感を求めるなら、素直にもう少し上の値段帯のスマートウォッチを選びましょう。
スマホアプリ:荒削り
Mibro Fit
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Mibro専用アプリ「Mibro Fit」から、各種設定や計測値の確認を行います。
初期セットアップ
フィットネス感を前面に押し出したスプラッシュスクリーン。
ダウンロード後は、アプリの指示に従っていけばセットアップ完了です。
ただしデバイスの登録部分はヘルプが出ません。そこだけはすこし不親切かも。
が、スマートウォッチを買う層にとっては難しいことはありません。
(念のため、やり方のスクショは上記の通りですので参考にしてください)
全体的な使い勝手
なお、アプリは全般的に「荒削りだな」と感じます。
少し使った範囲で、これはどうなの?と思ったポイントは以下2つ。
- 本体が接続済のはずなのに、未接続と表示されるときがある
- 本体の測定データとの同期タイミングが謎
特に後者、各種測定データがスマホアプリに表示されるタイミングが遅いのはストレスです。
アプリ上で「更新」しても、表示データが1時間前の断面だったり、睡眠測定データだと昨日断面だったり。
結果、
- この1時間のストレス状態を見る
- 朝、起き抜けに睡眠スコアを見る
など、「見たいものを見たいときに見る」ことができません。
これが記事の冒頭で「使い心地はダメ」と断じた一番の要因です。
ほかにもアプリ表示に誤訳が多かったりと、全体的に発展途上感があります
フェイス:多彩
アプリ内の「ダイヤル市場」から、好きなフェイスをダウンロードできます。
ラインナップは多彩。季節モノもあり、都度アップデートされているようです。
たとえば……
多機能感あふれる系から、某ブランドを彷彿とさせるシンプル系まで。
「カスタムウォッチフェイス」機能を使うと、好きな写真を背景にできたりも。
自分なりのこだわりを追求すると楽しそうですね。
ただ、複数のフェイスをスマートウォッチに入れておくことはできません。
毎回、スマホアプリ経由でのダウンロード(アプリ上の表示は「インストール」)が必要です。
スマートウォッチ上で複数のフェイスを切り替えられればベターでした。
価格帯ゆえの制約だと割り切るしかなさそうです。
通知連携:対象アプリが少ないのは辛い
スマホの通知をバイブレーションで知らせる機能はあるのですが、
- 連携対象アプリが一部だけ
- 絵文字は文字化けする
という制約があります。
絵文字はさておき、アプリに制約があるのはいただけません。
対応しているのが、本記事の初出時点(2021年6月19日)で、
- 電話
- SMS
- メールボックス(GMailが対象かは不明)
- LINE
の6種類のみ。
これだと、たとえば、
- メルカリの取引メッセージにすぐ気づきたい
- 普段のやりとりはSlackだ
などのケースでは、通知連携は使いものにならないことになります。
無理に使うなら、IFTTTなどですべての通知をLINEに集約するなどが必要ですが、そこまでやるならもはや全アプリの通知を受けられるスマートウォッチを買うほうが早いです。(Mi Band 6とか)
アプリのアプデで解消されることを願います
フィットネストラッキング:15のモード
15個のモードに対応しています。
GPSはついていないので、ウォーキングやジョギングのルート表示は未対応。
あくまで運動量と時間のみを記録するものです。
ここもまた、荒削りなポイントです。
単に消費カロリーだけ追いかけたいなら問題ないと思います
睡眠計測:起き抜けに計測結果が見られない
睡眠の深さや目覚めた回数などを計測できます。
特徴的なグラフは昔のFitbitアプリを彷彿とさせます。ちょっと見づらい……
また、再掲になりますが、スマホへの測定データ連携のタイミングの問題か、「起きたときに昨夜の睡眠の結果を見る」ことができません。
これは使い勝手上、大きなディスアドバンテージです。正直、よろしくありません。
なおMi Bandなどのように、「他の人と比べてXX%スコアが良いです」のような、わかりやすい指標は出てきません。ユーザ規模が違うからでしょうか。
という点を含め、全体的に、もう少し磨き込んでくれる方が使いやすいのにな、と感じます。
アプリやファームアップによる改善を期待します
SpO2計測:対応は嬉しいが……
コロナで一気に注目されたバイタル指標、SpO2(血中酸素濃度)を定期計測可能です。
ただ、
- 測定頻度がアプリで指定できない&どこにも書いていない
- 都度計測する機能がない
のは個人的には気になってしまうポイントです。
せっかく対応しているのに、計測タイミング等の仕様が不明なせいで気になってしまうのはもったいないなーと。
データを見るに6時間に1度くらいは測定されているっぽい?です
ストレスレベル計測:信用できる
アプリ上は「疲労」や「倦怠感」、本体上は「Pressure」と表現されている計測項目があります。
たぶん、ストレスレベルのことです。
日曜の夜、月曜の仕事のことが頭をよぎりはじめる時間帯から数値がわーっと上がっていたりするので、たぶん測定精度は高いのでしょう。
その他機能:わりとなんでもある
その他にも、
- 心拍計測
- 運動量(MET)計測
- ストップウォッチ
- タイマー
- スマホの音楽操作
- 深呼吸ガイド
- 天気予報の表示
など、幅広い機能に対応しています。
「スマートウォッチ」と聞いてパッと思い浮かぶものは、一旦全部入っている感じです。
5000円未満でここまでできるんですね
電池の持ち:1週間くらい
スペック的には最長10日。
ただ、スマートウォッチは全般そうなのですが、有効にする機能や測定頻度の設定により、実際の電池の持ちは大きく変わります。
以下の条件だと、8日目くらいで電池が切れそうになりました。
- 入浴時以外、基本つけっぱなし
- 各種測定はすべてオン、頻度Max
- ワークアウトは3日に1回くらい
基本、週1で再充電するペースト考えればよさそうです。
防水:ATM5
ATM5。生活防水はもちろん、水泳くらいなら全く問題ありません。
保証:期待してはいけない
海外通販なので、現地メーカーの提供する保証は期待できません。
厳密には、保証期間はあるものの、実際の修理・交換のとき、現地メーカーとの直接やりとりや国際配送を自前で手配するの?と考えると、現実的ではありません。
ただ、そもそも値段が安いので、「壊れたら買い直す」と割り切るのもアリです。(ぼくならそうします)
Mibro Colorはこんな人におすすめ
まとめ:アプリのアプデで真価が出るか
総合評価:
ハードとしての作りはいいのにアプリで損しててもったいない
が総評です。-★1.5はアプリの作りや仕様が不明確な部分が原因。
スマートウォッチ本体(バンド除く)の物理デザインや素材の質感は良いんです。
あとは中身の問題で、アプリやファームウェアのアップデートで改善されていけば、真価が発揮される可能性があります。
ただ気になるのが、Mibro ColorやMibro Fitアプリを見ても、継続課金する/させるポイントが見当たらない点。
単に製品を売って終わりとなると、コストの関係で、継続的なアプリやファームウェアのアップデートが滞っていきます。特に安いデバイスだとその傾向が顕著。
もしかしたら今後、FitBit Premiumのようなサブスク型のサービスを打ち出す予定があるのかもしれませんが、少なくともそれまでは積極的なアプデに期待しすぎてはいけない……のかもしれません。
ともかく、今後に期待しようと思います。
以上、「Mibro Colorレビュー | 5000円以下で金属筐体。素材と質感に全振りした5000円未満のスマートウォッチ」でした。