提供:ikko Audio
ikko Audio様のご厚意で、同社が2021年6月に発表したモニター型イヤホンGems OH1Sをご提供いただきました。
OH1Sの特長は、
- アルミと樹脂の同色異素材デザイン
- フラット寄りでありつつ、弾みよい低音と繊細な高音
の2つ。
実際使ってみると、Gems(宝石)という名のとおり、見た目も音も美しい才色兼備なイヤホンだと感じました。
有線イヤホン界は当たり外れが激しいと聞きますが、これは「当たり」なんじゃないでしょうか。
ikko Gems OH1Sが気になった理由
シンプルに、見た目と素材に惹かれました。
商品ページの写真が美しいんですよね。
そして全面樹脂ではなくアルミ素材のハウジングという珍しさ。
これが音質にどう影響するのか、試さずにはいられませんでした。
ikko Gems OH1Sのスペック
- ドライバー: 1DD+1BA
- BA:Knowles 33518バランスド・アーマチュア
- DD:高密度ナノカーボン薄膜 10㎜ダイナミックドライバ―
- 感度: 109db/mW
- 再生周波数帯域: 20Hz-40KHz
- インピーダンス: 32Ω
- ケーブル長: 1.2M
- コネクター: MMCX(デタッチャブルタイプ)
- 素材: 航空アルミ合金
- カラーバリエーション: StarBlue、Midnight purple
ikko Audio OH1Sレビュー
それではレビューしていきます。
開封、付属品:ワクワクする
箱を開けると本体とikkoフォックスのブローチがお迎え。
本体はあとでじっくり見るとして、付属品を見ていきましょう。
その下に説明書類と付属品が詰まっています。
フェイクレザーの収納ポーチ。
紐で結ぶタイプなので利便性は今一つ。でも持っていてテンションが上がりそう。
イヤーピースはシリコン6サイズ、ウレタン3サイズを同梱。
フィット感、音質、遮音性を自分好みに調整できます。
ケーブルは赤と緑のより線を透明の樹脂で保護したデザイン。
耳にかける部分だけ細身の黒線になっている点が特徴的です。
端子はMMCXのデタッチャブル。押し込めばガチャっとはまるタイプのため、ピンの折れを気にしなくてOK。
3.5mmジャックにはikkoのロゴが。細かいところもしっかりしています。
総じて、開封の時にテンションが上がりますし付属品も豊富。おもてなしされているように感じられます。
本体のデザイン:美しい
本体は「とても美しい」以外の感想が出てきません。
外側のさらさらしたメタリック感はきらびやかで、アルミと樹脂の同色異素材も上品に仕上がっています。
Gems(宝石)という名前が付いているのも納得です。
ただ、スピーカー部分が楕円形なのは賛否が分かれそう。
付属のイヤーピースも楕円形なので、しっかり装着できるまで慣れが必要かもしれません。
装着感:微妙
装着感は……あまり良くありません。
というより、フィットするイヤーピースをちゃんと選ばない限り、まともに装着できません。
理由は
- ケーブルの耳フック部分が柔らかい
- 本体とケーブルをつなぐ部分がくるくる回る
という構造がゆえ、実質イヤーピースだけでイヤホンをホールドせざるをえないからです。
そしてイヤーピースがフィットしないと音質には悪影響が出るという。
ぼくの場合、付属のシリコンイヤーピースだとまったくフィットせず高音シャカシャカな残念音質になってしまったので、
- 付属のイヤーピースだとウレタン製のMサイズ
- 付属以外だと、手持ちのSpinFit CP360のMサイズ
で運用することになりそうです。
音質:積極的に使いたくなる美しさ
耳にフィットしたイヤーピースを使っていることを前提でレビューします。
第一印象は
うわこれめっちゃ優秀じゃね
です。
音量バランスは全音域通してフラットでニュートラル、ほんの少し高音が強め。
音の作りは全音域通して丁寧で、
- 低音の張り
- 中音のグラマラスさ
- 高音のきらめき
- 全体としての調和感
など、どこを取っても違和感がありません。
音源の魅力を十分表現しており、自然と音に身を委ねていられます。
したがって、十分に「良い音質」と評して然るべきです。
あえて欠点を挙げるとすれば、音場が少し狭めめなところ。
具体的には、音の響きが遠くに抜けていく部分や、音色ごとの奥行きの差の表現が少し甘く感じます。
結果として、自分を中心に等間隔に配置された楽器から一度に音が届くような、平面的な印象が先行してしまいます。
ただ、これはぼくが普段、臨場感と粒度感が売りの完全ワイヤレスイヤホンを使っていて、それに慣れているせいかもしれません。そこを差し引くけば十分に優秀です。
総じて、好きな音楽に浸りたいとき積極的に使っていきたいと思わせる音質です。
カスタマイズ性:よし
リケーブルとイヤーピース交換、双方のカスタマイズ性は確保されています。
リケーブル
ピン形状はMMCXのデタッチャブルタイプ。
著名な型なので、リケーブルの選択肢は広いです。
イヤーピース交換
スピーカーは楕円形状ですが、真円のイヤーピースも流用可能。
ぼくもSpinFit CP360のMサイズに換装して使っています。
保証:1年
Gems OHS1をはじめ、ikko Audio製品には1年の保証期間が設けられています。
2万円オーバー(2021年10月24日現在)と安い買い物ではないので、初期不良対応を含む保証がしっかりしているのは安心です。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 安心して聴き浸れる高音質
- Gem(宝石)の名に恥じない高級感
- 豪華で豊富な付属品
- 開封のとき「儀」感を感じる
開封のときから音楽を聴くときまで、全体を通してグイッと惹き込まれる感覚。
これがとても心地よいです。
悪かったところ(とその対策)
- ケーブルと接続端子の形状起因で装着感が甘い
- 付属のシリコンイヤーピースが外れやすい
- ほんの若干、音場が狭い
ケーブルとイヤーピースがもうちょいしっかり耳をホールドしてくれれば完璧でした。
が、いずれもカスタマイズや交換でなんとかなる問題。OH1Sを買うオーディオファン層にとってはかすり傷以前でしょう。
音場の狭さは、単にぼくが音場の広さと臨場感にパラメータを振ったイヤホンを使っているだけなので、気にすべきほどのことではありません。
「悪いところ」として書きましたが、実際の運用を考えると実害はほぼないです。
とても優秀
ikko Gems OH1Sはこんな人におすすめ
まとめ:才色兼備の良質イヤホンです
総合評価:
絶対評価でいうと、美しさと実力、両方を兼ね備えた良いイヤホンだと思います。
一方、2万円以上というお値段(2021年10月24日現在)を踏まえた相対評価=コストパフォーマンスでいうと、値段相応かなと。
これは逆にいうと、群雄割拠で当たり外れの多いイヤホンの世界では「あたり」の部類に入るかと。(ぼくの好みにあってるだけ、とも言う)
選んで間違いないイヤホンだと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
以上「ikko Gems OH1S | 宝石の名に恥じない才色兼備な良質イヤホン」でした。