提供:ikko Audio
ikko Audio様のご厚意で、同社のポータブルDAC「Zerda ITM01」をご提供いただきました。
DACをはじめとしたアンプ類は、RPGでいえばアクセサリーのようなもの。
それぞれで得られる音質改善効果に特徴があり、それに応じた値札がつきます。
ではZerda ITM01はどんなアイテムかというと、
- 効果は、中音域の見通し・透明感・粒度感の大幅向上
- 価格は、8,500円(2021年10月24日現在Amazon価格)
です。
そのため、中音域の音場が狭めなイヤホンと相性バツグン。たとえば同社のGems OH1Sとはシンデレラフィットです。
「音質は好きなんだけどもう少し臨場感と広がりがほしいな」と感じるイヤホンをお持ちの方、ぜひいかがでしょうか。
ikko Zerda ITM01が気になった理由
実はぼく、「アンプとはなにか」は知っているものの、アンプやおろかDACというものを使うのはこれが初めてです。
そのため、
- DACって本当に効果あるの?
- 実はそんな目立った差なんてないんじゃない?
- いいイヤホン使えば満足できるんじゃないの?
と思っていました。
RPGでいうと
- 武器防具は使ってるけど
- アクセサリは使ったことない
- 装備=イヤホンが強ければボスを倒すのに苦労しない
と言ってるようなものです。
さて、DACの実力やいかに。
ikko Zerda ITM01のスペック
- Decoding rate:PCM: 32bit/384kHz / DSD: Dop128
- SNR: 118dB @ 32Ω ( A-Weighting )
- Frequency response: 20Hz – 40kHz ( -0.5dB )
- Output impedance: <0.8Ω
- Adaptation impedance: adaptive 16 ohm-600 ohm
- Output level:2V @ 32Ω ( 125mW @ 32Ω )
- Cable: USB-C
ikko Zerda ITM01レビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:
作りはシンプル。
放熱性の良い金属筐体の上部にボタン類があり、
下部に専用ケーブルのマグネット端子、そして
反対側に3.5mmジャックがあります。
裏側にはモデル名「ITM0」の印字以外、なにもありません。
音源とITM01本体の接続には、USB-C→マグネット式端子のケーブルを使います。
マグネットとなると、外れないのか、ズレが原因で音質に影響がないか、が心配です。
が、マグネット自体がかなり強いため、そういう心配はいらなさそうです。
大きさ・重さ・取り回し:大ぶりだが使いやすい
指先でつまめるサイズ感。
これだけ見ると十分小さいんですが……
実際に音源(スマホ)、イヤホンとつないでみると、わりと大柄であることが分かります。
少なくともケーブルと一体化しているとは呼べませんし、ケーブルも固めなので、トータルで結構かさばります。
でも、これはこれで便利なんです。なぜならば……
スマホにつけるとこんな感じでポケットからぶら下がるんですが、この場所ってちょうど手の近くなんですよ。
リモコンとして使うシーンを考えて、大きさやケーブルの硬さを設計しているんですね。
なお重さは20gちょい。
ポケットに入れたら感じないレベルです。
機能・操作:リモコンとして使える
ざっくりいうと
- +/-ボタン:音量調整、長押しで曲送り/戻し
- ○ボタン:再生/一時停止長押しで音質モード変更
です。
再生・停止、曲送り・戻し
特筆すべきことはありません。ただただ使えます。
音量調整
Androidスマホだと本体の音量設定と同期します。
iPhoneとPC接続だと独自の音量調整となるようです。
音質モード変更
3つのモードがあります。
- Musicモード:デフォルト
- Movieモード:臨場感優先
- Gameモード:集中力優先
好みで切り替えれば良いですが、個人的には常時Musicモードでいいかなと感じます。
音質改善効果:中音域の音場が広がる
中音域の音場の広さと粒度がグッとよくなります。
具体的には、中音域について
- 奥行きが出る
- 音がよく響き渡る
- それぞれの楽器や音色の輪郭がはっきりする
という効果。
楽曲を音色ごとに分解しながら聞くタイプの人は「音質が良くなった」と感じるでしょう。ぼくもその一人です。
特に
- ドンシャリ系
- フラット寄りだが音場が狭め
なイヤホンとは相性がよく、ITM01を通すことで音質の底上げが見込めます。
ただ、もともと中音域重視のイヤホンだとToo Muchになるかもしれません。
手持ちのイヤホンの特性に合わせて使い分けるといいでしょう。
電池消費量:気づかないレベル
DAC内でリアルタイムでデータ処理をしている以上、電力消費はゼロではないはず。
そこで、スマホにつなげて4時間くらい使ってみましたが、目立った電池消費量の増加は見られませんでした。
いつも使ってるTwitterやChromeブラウザ、Amazon Musicアプリのほうがはるかに電池を食っています。
緻密に比較しないとわからないレベルなのかもしれません。
保証:1年
Zerda OHS1をはじめ、ikko Audio製品には1年の保証期間が設けられています。
8,500円と安くないので、保証がしっかりしていると安心ですね。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 思いのほか音質向上効果がすごかった
初めてのDACでしたが、結構音質が変わるもんだなあと。
RPGでいうと「ボスを倒すのにアクセサリがこんなに便利だったなんて思わなかった」状態です。
炎の魔法がめっちゃ強いボスに対して、炎属性を吸収えきるアクセサリをつけていくような、そんな気分。
DAC(アンプ)はイヤホンの弱点を補完したり、強さをさらにエンハンスできるんですね。
イヤホンは沼ですが、DAC沼もまた深そうですね
悪かったところ(とその対策)
- スマホとつなげて使うには本体が大きい
個人的には、モード変更や音量を調整の機能を削って本体を小型化して欲しかったところ。
ボタン操作が便利なのは理解していますが、ぼくはスマホ直接操作することが多いので、ケーブルと一体化するぐらい小型のほうが好みでした。
逆に、大きさ以外は文句ありません
ikko Audio ITM01はこんな人におすすめ
まとめ:中音域の広がり強化に
総合評価:
中音域がグッとエンハンスされ、臨場感が高まります。
「音質は好きなんだけどもう少し臨場感と広がりがほしいな」と感じるイヤホンと組み合わせると良いでしょう。
値段は8,500円と安くありませんが、そもそもDACは音質にこだわる人向けのアクセサリ。自分の好みの音を作るための道具のひとつ。高いか安いかはその人次第です。
ぼくから伝えられるのは、「こういう特性のアクセサリがあるんだ」というだけ。
ぜひチェックしてみてください。
以上「ikko Zerda ITM01レビュー| 中音域の見通し・透明感・粒度感がグッと改善。1万円以下のポータブルDAC」でした。
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