提供:CyberMedia Japan
CyberMedia Japan様のご厚意で 2021年11月発売のSSD「Lexar Professional NM800」をレビューさせて頂けることとなりました。
SSDといえばSamsung、Micrion(Crucialシリーズ)、Kioxia、Kingstonあたりが定番。
なので「Lexarってどこ?なんでSSD?」と思う方も多いかもしれません。
本記事ではそこら辺も踏まえて解説のうえ、Lexar Professional NM800が実際使ってみてどうだったかレビューしていきたいと思います。
Lexar(レキサー)って?
もしかしたらLexarというブランドを知らない人がいるかもしれないので、軽く紹介します。
Lexarは、1996年にカリフォルニアで創業された半導体メモリブランドです。
かつてはSandiskやTranscendと覇権を争うトップブランドでしたが、2006年にCrucialブランドで有名なMicron社の配下に入り、2017年から中国資本のLongsys社配下ブランドとして運営しています。(2023年12月30日追記:こちらのコメントもぜひご覧ください)
日本では主に家電量販店などの大型チャネルを通じて主にSDカードやUSBメモリを販売。
ただ日本国内におけるLexarブランドの知名度や製品流通量は時期によってムラがあり、
- 2016年ぐらいまでは流通量も知名度もそこそこ
- 2017年前後で一度日本市場から撤退の噂が流れて縮小
- 2018年の日本法人設立に伴い流通やメディア露出が復活
- 2020年に日本法人の事務所を閉鎖
- 2021年現在、主に家電量販店に対して製品を卸す立場で運営
……という紆余曲折を経ています。
このような経緯から、2021年11月現在、家電量販店では扱いはあるものの日本国内における知名度は他の代表的なブランドと比べると、頭2つぐらい下回ってしまっている印象。
だからといって製品やサポートが雑なわけではないようです。
たとえば、Longsys社のWebサイトではLexar Quality Labの様子が紹介されていたり、Amazonのレビューを見ても製品・サポートともしっかりしている模様です。(特にMicro SDカードはとても評判が良い)
再起を図っている実力派の老舗ブランド、という感じです
Lexar Professional NM800の導入理由
ぼくがなぜLexar Professional NM800を導入したか(レビュー依頼をお受けしたか)、ですが、かいつまんで言うと、
- いいジンバルを入手した
- 日常的に4K動画を撮るようになった
- 動画ファイルがGB単位になる
- サクサク扱うにはデータ読み書きのスピードアップが必須
- 一番たくさん読み書きするSSDが最初のターゲット
- どうせスピードアップするなら最高速度がいい
という流れです。
個人的に聞き慣れたブランドなので、再チャレンジを応援したいという気持ちもあります
Lexar Professional NM800の概要
- PCI Express Gen4 x4接続により、リード速度7,400MB/s、ライト速度5,800MB/s(いずれも1TBモデルの値)
- 強力なLDPC(低密度パリティ検査)訂正エンジンを搭載、これにより高いデータの信頼性と高速性を両立
- 最新のNVMe 1.4プロトコルを採用するほか、従来のPCI Express Gen3との互換性も確保
- 512GB、1TBの2モデル展開(512GBモデルはリード7,000MB/s、ライト3,000MB/s。1TBモデルがリード7,400MB/s、ライト5,800MB/s)
- フォームファクタは、M.2、Type 2280
Lexar Professional NM800レビュー
それではレビューしていきます。
提供いただいたのは512GB版です。
外観・デザイン:片面ロード以外特徴なし
2280サイズ。チューインガム1枚ぶんぐらいの大きさです。
表面のシールの下に内部のコンポーネントが見えます。
裏面には仕様や規格の印字されたシールが貼られているのみ。
特にコンポーネントがマウントされていません。片面マウントです。
なお、このシールを剥がしてしまうと保証対象外になる可能性があるので注意。
SSDブラケットに入れてみるとこのような感じ。
SSDなので外観のデザインは実用上あまり関係ないと思いますが、色味は上品で自分好みです。
性能:スペック通りのはず
実際の用途を考慮して、2つのケースでテストしました。
- ケース1:SSDブラケットに挿入
- ケース2:PCのSSDを換装
それぞれ詳しく見ていきます。
結果を先に言うと以下の通り。
- SSDブラケットには入れない方がいい。USB ポートなのがボトルネックになってせっかくの高性能を引き出しきれない
- PCのSSDを換装する際は、マザーボードその他周辺機器もハイエンドにしないといけない
- 総じてLexar Professional NM800が性能ボトルネックになることはない
以下詳細です。
ケース1:SSDブラケットに導入
こちらのUSB-Cハブ兼SSDブラケットにセットアップし、USB 3.2経由でPCにつないだ状態で性能をチェックしていきます。
データ転送の観点でいうと、環境上のポイントは以下4つです。
- SSDブラケットおよびUSB-Cケーブルは最大10Gbps(1,250MB/s)
- PCのUSB-Cポートは3.1 Gen1で最大5Gbps(625MB/s)
- PCのストレージはSSDでIOは実測200MB/s
- Lexar Profesional NM800は512GBモデル。スペック上はリード7,000MB/s、ライト3,000MB/s
いくつかのケースでテストしてみました。
パターン1:SSD内ファイルコピー
1.5GB程度のファイルをSSD→SSDでコピーしてみました。
結果、およそ32秒で完了。単純計算でライト50MB/s程度。SSDのスペック上の性能は全く出ていません。
理由は、USBのデータ転送における技術的な仕様です。
USBでのデータ転送は、
- 転送元のUSBデバイスからPC(USBホスト)にデータを送る
- その後、PC(USBホスト)から転送先のUSBデバイスにデータを送る
という段取りを取ります。データの転送元と転送先が同じデバイスであっても同じ。
そのため、どうしてもUSBポートやUSBケーブルなどの転送速度に引っ張られてしまい、いくらSSDのデータ転送が早くても意味がないのです。
パターン2:Micro SD〜SSD間のファイルコピー
比較として、USB-Cハブ兼SSDブラケットにMicro SDを挿し、同じデバイスに挿されているLexar Professional NM800へ転送速度を測定してみました。
転送経路は以下のとおり。
- Micro SDからUSB-CハブおよびUSB 3.2経由でPCのメモリへデータを読み出し
- PCのメモリからUSB 3.2経由でSSDブラケットへ転送
- Lexar Professional NM800へ書き込み
結果は、1.5GBで3分45秒。この場合、Micro SDカードの転送速度がボトルネックになっているようです。
ケース2:PCのマザーボードへ換装
SSDブラケットに入れてもあまり意味がないことが分かったので、今度はPCのマザーボードに直挿しした状態での性能を確認します。
換装前の性能
換装前もSSDだったんですが、その性能は1GBのファイルをコピー(読み出し+書き込み)に5秒、単純計算で200MB/sでした。
換装後の性能
単純なファイル書き込み用及びファイルコピーでなんとか試してみたところ、
1GBのファイル書き込みで約0.7秒、
1GBのファイルコピー(読み込み+書き込み)で約2秒かかりました。
読み込み(リード)速度と書き込み(ライト)速度に換算すると、
- リード:約780MB/s
- ライト:約1,430MB/s
になります。
これはLexar Profesional NM800 512GBモデルのスペック、リード7,000MB/s、ライト3,000MB/sには遠く及びません。
しかしこの結果はおそらくマザーボードなど他のデバイスに引っ張られています。
理由は、そもそも換装したPCは中価格帯のChromebookであり、第8世代i3に8GBメモリと、あまりハイスペックではないため。
使われているマザーボードも中程度スペック向けのものになっているはずです。
おそらくプロゲーマー向け等のハイスペックマシンであれば、仕様通りの結果が出せることでしょう。
PC Watchの検証記事ではほぼスペック通りの結果が出ています
発熱:未検証
温度測定用の機材が手元になく、正確な温度は計測できていません。
が、SSD換装後にCPUファンが回り続けているので、そこそこ発熱しているものと推測します。
安定性:問題なし
2週間ほど使い続けてみていますが、特にエラーなど発生せず淡々と動き続けています。
SSDはパソコンの要。こうじゃなくっちゃいけませんね。
保証:5年
Lexar Professional NM800には、5年のメーカー保証がつきます。
SSDは一度買うとそこそこ長期間使うもの。長期保証は頼もしい限りです。
Lexar Professional NM800はこんな人におすすめ
まとめ:選択肢の1つに
総合評価:
残念ながら、手持ちのPCではLexar Professional NM800の性能をフルに引き出すことはできませんでした。
一方、Lexar Professional NM800へSSDを換装したことで、PC性能のボトルネックが解消された、正確に言うとディスクの入出力がボトルネックがしにくくなったのは事実です。
純粋に性能を見ればハイエンド級とみて間違いありませんし、保証期間である5年間使い続けることを考えると、個人的には512GBで約1.2万円(時々20% Off クーポンを配っているので実売は1万円程度)という値段感にも納得感があります。
そのため、総合評価は★5としました。
ハイエンドSSDの選択肢として、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
以上「Lexar Professional NM800レビュー | 実力派老舗ブランドのSSD。性能や使い心地を検証」でした。
あなたの書いてる記事の内容だと、
LEXARがMicron下で一度事業を終了して
事業が中国企業に買収されて全く違う会社になっていることが
わかりませんね。
この内容では誤解する人がほとんどだと思います。
意図的にそう書かれているのか、そうでないのか知りませんが、
多くの人がその評価をしていたLEXARとは実質全く別の会社と
なっていることをこの記事では理解できません。
あまり感心しない書き方です。
記事の信頼性を確保したいのであれば、LEXARブランドの
これまでの推移をきちんと正しく表記すべきです。
Micron下にあったLEXARは一度撤退し、事業を終了しています。
その当時のLEXARを作った人たちはLEXARを去り、
新ブランドPROGRADEを立ち上げてそこで旧LEXARでやっていた
フラッシュメモリ生産販売をしています。
なので、実質PROGRADEが旧LEXARで、現LEXARは旧LEXARとは
ほとんど関係ないその名前と評価を利用した中華企業です。
メモリそのものの性能等検証はともかく、
大事な部分をきちんと書き直すべきだと思います。
コメント、ならびに詳しい背景情報のご教示、ありがとうございます。
ThinkPadと同じような流れをたどっていたのですね。