Elevoc Clearレビュー | 通話品質特化型だが音質もANCも良好な欲張り完全ワイヤレスイヤホン

4.0
ELEVOC Clear ANC対応完全ワイヤレスイヤホン レビュー

提供:Elevoc

Elevoc様のご厚意で、クラウドファンディング中の「Elevoc Clear」を先行レビューさせていただきました。

Elevoc Clearは-90dBの通話ノイズキャンセリングが特長の完全ワイヤレスイヤホン。

通話ノイズキャンセリングとは、「通話の際に自分の声以外の外部ノイズをどれだけ打ち消せるか」を示す指標。いわゆるANCとは別モノです。

つまりElevoc Clearは通話品質特化型ということになります。

とはいえ、

  • 値段相応に優秀なスピーカー音質
  • ANCも搭載。-35dBくらいは出る

と、通話以外の点でも抜かりありません。

Web会議や通話がメインだけど音質やANCも、という欲張りに答えてくれる良作だと思います。

※2022年9月4日追記:一般販売が始まっているようです

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本記事は商品提供を受けて作成しています

Elevoc Clearが気になった理由

外出中のWeb会議で気になる外部騒音をどうにかしたかったからです。

ぼくの仕事は原則テレワーク。1日中Web会議の日も多く、外出しつつWeb会議に入ることも。

すると、外の騒音で相手の声が聞こえないケースが出てきます。これが気になる。

相手の声が聞こえない、または自分の声が届かないと仕事になりません。大事な議題ならなおさら。

そのため、どんな状況でも「通話可能性」確保されたイヤホンがあったらいいな、と思っていたのです。

Elevoc Clearの概要

ELEVOC Clear ANC対応完全ワイヤレスイヤホン レビュー スペック
出典:www.makuake.com

注目ポイント

  • -90dBの通話ノイズキャンセリング
  • 骨伝導とAI技術をマッシュアップした独自技術Vocplus™によるマイク音質

主な仕様・スペック

  • ドライバー径:10mmダイナミック
  • Bluetooth:ver 5.0
  • コーデック:SBC、AAC
  • 最大通信距離:約10m
  • バッテリー容量(イヤホン):45mAh
  • バッテリー容量(ケース):600mAh
  • 連続再生時間(イヤホン):最大5時間(ANCオン)、6時間(ANCオフ)
  • 連続再生時間(ケース込み):最大25時間(ANCオン)、30時間(ANCオフ)
  • 充電時間:2時間
  • 周波数帯:20Hz-20kHz
  • 防水:IP54

Elevoc Clearレビュー

それではレビューしていきます。

外観・デザイン:上品

マットな黒にシルバーで上品なモノトーン。

各種規格印字が小さめな点が好感です。

イヤホン本体はぷりっと大きめ。耳から飛び出るほどではありません。

3つのマイクに加えて人感センサーがあり、着脱時の自動再生・一時停止に対応しています。

骨伝導センサーの場所は確認できませんでした。

追加支援で購入可能な本革ケース。

革自体の質感、縫い目の仕上がり、サイズ感は良好です。

新品にしては少しキズが多いのと、断面の仕上がりが少し雑なのは残念。

とはいえ1500円だと思えば「いい感じ」です。

重さ・大きさ:標準的

個人的には「本体+ケースは50g」「本体片耳は5g」が完全ワイヤレスイヤホンの標準的な重さだと思っています。

Elevoc Clearはまさに標準ドンピシャ。ケースがほんの若干重いですが、5gなので誤差でしょう。

手で持つと、見た目以上に存在感を感じます。

エッジが丸く幅を取っているからかもしれません。

装着感:良好

良好です。

耳に適正なサイズのイヤーピースを選べば大丈夫。

本体ハウジングが耳と干渉することもありません。

Bluetooth接続:問題なし

ELEVOC Clear ANC対応完全ワイヤレスイヤホン レビュー Bluetooth接続
AAC対応

SBCにくわえ、AACにも対応。

Makuakeには「対応コーデック:SBC」とありましたが、プロジェクト途中でアップグレードされたのでしょうか。

なお、初回ペアリング、接続速度、安定性とも良好です。

操作性:着脱検知が便利

操作方法

タッチ操作で、操作方法はざっくり以下。左右で同じなのは珍しいですが、これはこれで便利。

ざっくり操作方法
  • 右/左1回:再生/一時停止
  • 右/左2回:曲送り
  • 右/左3回:曲戻し
  • 右/左長押し:ANC切替

なおタッチ時に「コッ」と小さな音でフィードバックがあります。

何回タップ操作がイヤホンに伝わったかがわかるので、誤操作防止に役立ちます。

NAE
NAE

個人的にはこういうフィードバックはすべての完全ワイヤレスイヤホンに搭載されてほしいと願ってます

着脱検知

くわえて、人感センサーを利用した着脱検知に対応。

外すと自動で一時停止、つけると自動で再生が始まります。

店で会計するとき等に便利です。シームレス。

スピーカー音質:1万円台TWSとして相応の実力

第一印象は、低音が元気だな、です。

音量バランスは低>高>中。低音重視のドンシャリです。

音像は頭の中心。左右の鳴らし分けは弱めですが奥行きは良好。

360°の臨場感はないですが、見通しは良いので、平面的だとかのっぺり感は感じません。

音の粒度と解像度は全音域通じて確保されています。

音は丁寧に面取りされており、過度なシャリ感や特定波長のハウリングは発生しません。

野球ボールでたとえるなら、1方向からしか飛んでこないけど、奥から飛んでくる様子はよく見えるし、受け取ったボールの縫い目や質感はくっきり見えるし、ボール自体から変な針とかは出てない感じ。(通じますかね……)

1万円台の完全ワイヤレスイヤホンとして相応の実力です。

音域別の印象は以下のとおりです。

高音域

シンバルやクラップ(拍手)の音を狙い撃ちしたチューニングです。

音の発生源が1箇所なので、包まれている感はありません。

ただ音は丁寧で、ザラつきやパラパラとしたきらめき、ギターの爪弾きなど、しっかり表現されています。1つ1つの音色を聞き込んで楽しめるレベル。

シンプルに良いと思います。

中音域

ボーカルと伴奏の旋律、両方とも高音域と低音域のサブ要素になっています。

エレキギターにせよピアノにせよ、他音域の3歩くらい向こう側にいる印象。

くわえて低音に近づくほど強調されている関係で「こもっているな」と感じやすいです。

ダイナミックドライバー1基、かつ低音域重視だと考えると、これは致し方なしでしょう。

低音域

バスドラムのさらに下の音域、ベース音にフォーカスしたチューニングです。

ボンボンと力強いドラム音の中にベースの旋律を感じられ、「おー、こんなにベースって頑張ってたんだね」と気づくことができます。

音自体は、悪く言えば丸まっている、良く言えば優しい音です。

パンチ力や弾みは十分に感じるものの、常に鼓膜を突き刺すような極端な音圧が欲しい人には物足りないかな、と感じるレベル。

とはいえ、全体の調和のなかで特に低音表現を楽しみたい人なら十分満足できると思います。

ANC:-90dBではない

ANCが-90dBなわけではありません。

-90dBなのは、あくまで「通話ノイズキャンセリング」の話。

これは「通話の際に、自分の声以外の外部ノイズをどれだけ打ち消せるか」を示す指標であり、いわゆるANCとはまったく別の概念です。

NAE
NAE

誤解なきよう

ではANCはどうかというと、体感で-35dBと同程度です。

たとえば、

  • 洗濯機がゴウンゴウンと回る音
  • キーボードの底打ち時の低音

は、ほぼ聞こえません。

一方、高音はある程度聞こえてきます。

たとえば

  • キーボードのカチャカチャ音
  • 机を爪でトントン叩く音

あたり。

静寂とまではいきませんが、気になる音はしっかり消してくれます。

マイク音質:相当優秀

2つのケースでテストしましたが、相当優秀です。

  • 通話品質を謳うインカムと比較
  • うるさいファミレスで録音

通話品質を謳うインカムとの比較

比較対象はShokz OpenComm

音声通話品質重視型の骨伝導ヘッドホンで、ブームマイクまでついています。値段は1.9万円。

自分の声を録音した音声の品質はほぼ変わりませんでした。

くわえて、仕事のWeb会議でこっそりElevoc Clearに変えてみても、相手に聞いたら「違いが全然違いがわからなかった」とのこと。

つまり、相手からの聞こえ方の観点では、Elevoc Clearは1.9万円の通話特化型業務用インカムと同レベルのマイク音質を備えていることになります。

なかなか目をみはる実力です。

うるさいファミレスで録音

音声の掲載は控えますが、たしかに騒音がかなり除去されていました。

実際にどう聞こえるかを試せるアプリがあるので、ぜひ体験してみてください。

VOCPLUS

VOCPLUS

Elevoc Technology Co.,Ltd.無料posted withアプリーチ

バッテリー:サイズのわりに短め

連続再生時間は、

  • イヤホンのみ:最大5時間(ANCオン)、6時間(ANCオフ)
  • ケース込み:最大25時間(ANCオン)、30時間(ANCオフ)

となっています。

本体の重さのわりに再生時間が短いです。

通話ノイズキャンセリング用のAI処理でバッテリーを食っているのかもしれません。

防水防塵:シャワー程度ならOK

IP54等級の防水防塵。

シャワー程度なら大丈夫だけど水ポチャはNG、の水準です。

ワークアウト時の汗やゲリラ豪雨くらいなら動作影響ありません。

ただしパンツのポケットに入れたまま洗濯機を回すと壊れるのでご注意を。

保証:12ヶ月

「12 Month Warranty(12ヶ月保証)」と書かれた保証書が付属します。

国内での保証対応向け問い合わせ窓口も設置済。

クラウドファンディングで売るだけ売ってサヨウナラではないので、安心して大丈夫です。

実際に使ってみた感想

良かったところ

  • 通話品質特化型インカムと同レベルのマイク音質
  • 1万円台TWSとして相応な実力の高音域と低音域

悪かったところ

  • 中音域がこもりがち
  • Web会議向けと考えると連続再生時間が短め

Elevoc Clearはこんな人におすすめ

  • Web会議で自分の声質にこだわっている
  • 外出先でWeb会議や通話する機会が多い
  • 完全ワイヤレスイヤホンを買うなら音質だって大事だ

まとめ:Web会議が1日4時間程度なら買い

総合評価:

1万円で高品質インカムつき良質TWSが手に入ると考えると買いです。

通話特化型ではあるものの、連続再生が最大6時間なので、1日中Web会議な日だと電池が持ちません。ここがネックなので-★1しました。

ただ、1日4時間程度なら余裕ですし、都度充電する運用でも耐えられるでしょう。

運用上の工夫は必要ではあるものの、モノとしては良い品だと思います。

ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

以上「Elevoc Clearレビュー | 通話品質特化型だが音質もANCも良好な欲張り完全ワイヤレスイヤホン」でした。

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