提供:TP-Link
TP-Link様のご厚意で、2022年2月発売のWiFi 6ルーターArcher AX23を先行レビューさせていただけることになりました。
Archer AX23は、機能・性能・本体・価格、すべてがコンパクトなWiFi 6ルーターです。
従来のTP-Linkのルーターはスペック過剰で、使わない機能・性能が価格に上乗せされる形でした。(機能性能/価格比でいうコスパは優れているものの、絶対値として過剰気味)
Archer AX23は、そんな過剰な機能・性能を大胆に削ぎ落としました。結果、とても筋肉質なWiFiルーターに仕上がっています。そのぶん価格もコンパクト。
その裏返しで、環境や家のレイアウトを選んでしまう側面もありますが、「必要十分なスペックを最低価格で」という言葉にピンとくる人は見る価値ありです。
OneMesh対応やギガビットLANポート等、必要な拡張性は確保されているのでご安心を
Archer AX23が気になった理由
「使わない機能・性能が削ぎ落とされた」に強く惹かれたからです。
わがやではTP-LinkのWiFiルーターを使っています。が、多くの機能が宝の持ち腐れ状態でした。
特に無駄だと感じるのは以下の4点。
- そもそもネット回線が1Gbps
→WiFi速度も1Gbpsで十分。WiFiだけ早くても仕方ない(参考) - NAS持ってない
→USB対応は不要 - 自宅サーバはないし、子供のペアレンタルコントロールは別でやってる
→HomeShieldセキュリティは不要 - 電波範囲拡張は中継器でやるし、デバイス数も多くない
→アンテナ数やストリーム数は少なくていい
そこで登場したのがArcher AX23です。上記4点をキレイに削ぎ落としてきました。
過去に紹介したWiFiルーターArcher AX55やArcher AX72との比較を見れば違いは一目瞭然。具体的には以下。
Archer AX55 | Archer AX72 | Archer AX23 | |
---|---|---|---|
WiFi速度(Mbps) | 2042+574 | 4804+574 | 1201+574 |
WiFi範囲 | 戸建て3階建/ マンション4LDK | 戸建て3階建/ マンション4LDK | 戸建て3階建/ マンション4LDK |
同時接続台数 | 48台 | 80台 | 36台 |
WiFiストリーム数 | 4ストリーム | 6ストリーム | 4ストリーム |
USB対応 | あり | あり | なし |
HomeShield | あり | あり | なし |
こうして並べると過剰感がよくわかりますね。Archer AX23が出たということは、ぼく以外にも「無駄多いな」と思っていた人が多かったのでしょう。
Archer AX55やArcher AX72も機能性能/価格比でいうとコスパに優れた良いルーターなんですけどね
Archer AX23の概要
- 規格値1201Mbps + 574Mbpsの高速通信
- WiFi 6、IPv6 IPoE対応
- 5基のギガビットポート搭載
- 4本の高性能アンテナ、デュアルバンド
- OneMesh等、流行りの機能を搭載
- 使いやすい専用アプリでかんたん管理
詳細な仕様・スペックはTP-Link公式サイトにて。
Archer AX23レビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:見た目と排熱を両立
TP-Linkらしい同色ツートン仕上げ。デザイン性の高い排気口もいい感じ。
前後にインターフェース類。必要最低限です。
裏面も全面スリット+排熱口。中央のシールには、初期設定に必要な情報が記されています。
壁掛け用の穴や直置き用の樹脂足も配備。さまざまな取り付けシーンに対応可能です。
アンテナは4本。側面から生えていないので場所を取りません。
なお大きさはニンテンドースイッチと同じくらい。
WiFiルーターにしては小さい方です。置き場所に困らなさそう。
初期設定や設定変更:解説不要レベルで簡単
付属の「かんたん設定ガイド」の通りやれば初期設定は完了します。
途中で出てくる専用アプリはこちら↓
TP-Link Tether
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Archer AX23だけでなく、TP-Linkのルーター全般を一括管理できるスグレモノです。
わざわざブラウザから「192.168.0.1」にアクセスしなくて良くて便利。
たとえば、
こんな感じで、代表的な設定なら一発アクセス、その他かなり細かい設定項目もわかりやすく整理されています。
こういった使い勝手面を磨けるのは、多くのWiFiルーターを世に送り出しているTP-Linkならではの強みでしょう。
SSID:2.4GHz用と5GHz用を分けなくて良い
通常、2.4GHz用と5GHz用でSSIDは分かれるもの。
しかしArcher AX23は、2.4GHzと5GHzでSSIDとパスワードを共通化してSSIDを1つにする「スマートコネクト」機能に対応。
接続する機器ごとに使う帯域をふりわける等、細かいことを気にしなくてOKです。
通信範囲、通信速度:電波が回り込むと一気に減速
家の各所でWiFi通信速度を測定してみました。
- 約70平米のマンション
- インターネット回線はマンション型の1Gbps
- LANケーブルはCat 5e(1Gbpsまで対応)
- 有線接続の実測値は最大600Mbps
- 15〜20個のデバイスが常時通信中
- WiFi 6対応スマホで測定
インターネットのプロバイダがIPoE非対応のためIPoEは検証できずです
パターン1:すぐ近く
有線接続の実測値Maxに近い速度が出ました。
Archer AX23の処理性能がボトルネックにはなっていない証拠です。
パターン2:見通しの良い、遠い場所
距離は遠くとも、電波の届きやすい場所だと安定して200Mbps以上出ました。
余裕で4K動画がストリーミング可能。
ただし……
パターン3:障害物の多い、遠い場所
電波が回り込む場所には弱いようです。
通信速度は安定せず、接続が切れることも。Archer AX55やArcher AX72では起きなかった現象です。
要因はおそらく、Archer AX23が信号範囲と障害耐性を強化する技術「高性能FEM」「4T4R」に対応していないから。(参考:スペック比較)
家のレイアウトによっては、Archer AX23本体の配置場所を工夫したり中継器を使うなど、ひと手間かける必要がありそうです。
同じ「4LDK対応」でも中身が違うんですね
メッシュWiFi化:OneMeshで対応可能
電波が回り込む場所に弱いArcher AX23を補強するのが、「OneMesh対応」です。
OneMeshとは、WiFiルーター本体とWiFi中継器で同じSSIDが使えるようになるTP-Linkの独自技術。
RE600XやRE605Xなど、OneMesh対応のTP-Link社製のWiFi中継器を組み合わせると、メッシュWiFiが組めます。
そのため、たとえば……
電波の回り込みが必要な場所とArcher AX23の中間地点にWiFi中継器を設置することで、Archer AX23の弱点をカバーできる、というわけです。
WiFi中継器ぶんの追加コストを出すかは迷いどころですが、自宅ネット環境はQOLへの影響が大きいため、管理人としては導入をおすすめします
有線接続:もちろんOK
Archer AX23は4つのギガビットLANポートを備えています。
ゲーミング用途など、通信の速度や安定性、応答時間に重きを置くなら有線接続で使うと良いでしょう。
安定性・耐久性:問題なし
2週間動かし続けて、一度も不具合は起きませんでした。目立った通信断もありません。
WiFiルーターは電気や水道みたいなものなので、この安定感は頼りになります。
ちなみに、これまで何台かTP-Linkのルーターを使ってきましたが、故障したことは一度もありませんでした
保証:3年
TP-Link製のNW製品には標準で3年のメーカー保証がつきます。
WiFiルーターは一度買うと長く使うもの。保証が長いと安心ですね。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 過剰な機能・性能が削られており値段も安い
- 5GHzと2.4GHzでSSIDを統一できる
- 手軽にメッシュWiFiが組めるOneMesh対応
ポイントは押さえつつ、8割の人にとって使わない機能・性能が削がれているのが一番の良いところです。
まさに「必要十分」というところ。
悪かったところ(とその対策)
- 電波が回り込む場所に弱い
一方で、「必要十分」は裏返すと「余剰がない」ということ。想定する環境や用途から外れると、使えない部分が出てきます。
それが顕著に現れたのが、電波が回り込む場所に弱い、という点。Archer AX23にとってその環境は「必要十分」の範囲外なのでしょう。
そういう場合、設置場所を工夫したり、中継器を追加したりが必要。ここをどう捉えるかで、Archer AX23の評価は変わるかと思います。
Archer AX23はこんな人におすすめ
まとめ:環境がマッチすれば最適解
総合評価:
Archer AX23にとっての「必要十分」に環境がマッチするかで評価が大きく変わります。
具体的には、
- 電波が回り込む場所ができてしまう、かつ
- その場所で安定した高速通信が必須
という条件にマッチするなら、配置の工夫やWiFi中継器の追加など追加の手間やコストが必要になります。
逆に、そうでなければArcher AX23は最適解になりえます。
その意味で万人向けではないかな、という意味で-★1しました。
ぜひ自宅のレイアウトやLANポートの場所を確認し、電波の回り込みが必要な場所ないか見てみてはいかがでしょうか。
以上「TP-Link Archer AX23レビュー | 極限まで筋肉質。過剰スペックを取り去ったコンパクトWiFiルーター」でした。
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