提供:hekka
2022年5月発表のスマートウォッチ「Mi Band 7(Xiaomi Smart Band 7)」をレビューします。
Mi Bandは、Xiaomiのスマートウォッチブランド。ナンバリングが7まで行っている、超人気定番シリーズです。
Mi Band 7は、従来からの特性であるハード・ソフト面の作りの良さに加え、画面の常時点灯に対応。よりかゆいところに手が届くよう進化しました。
かわりに本体が少しだけ大きくなりましたが、それでも他のスマートウォッチに勝るスマートさを保っています。
とはいえ悪いところもあります。というより、全体の完成度が高いぶん粗いところが悪目立ちしてしまっています。
本記事では主に、進化した点と粗が目立つ点を中心にレビューしていきたいと思います。
※2022年7月15日更新:国内でグローバル版が発売されました
Mi Band 7が気になった理由
いくつかのスマートウォッチを使っても、最後はMi Bandに戻ってくることが多かったからです。
理由は、安定性。正直、Mi Bandシリーズには「これぞ」という尖った売りはありませんが、全体的に減点が少ないので、常に身に着けるデバイスとしては頼りがいがあるんです。
靴で例えると、仕事でビシッと決めるときに履く革靴ではなく、どんな道でも歩いて行ける丈夫なスニーカーのようなイメージ。
とはいえ、そんなMi Bandシリーズにも不満はありました。特にディスプレイの常時点灯に対応していない点。時計として「一瞬でも目をやればすぐ時間が確認できる」ができないのはストレスの元でした。
しかし、Xiaomi Smart Band 7はなんと画面の常時点灯に対応。しかも電池容量もアップしたことで、常時点灯による電池の持ちの劣化を防いでいます。
見た瞬間、「これは試してみたい」と思ったのでした。
Mi Band 7の概要
注目ポイント
- 画面の常時点灯に対応
- 画面の幅が広くなり、より情報の閲覧性がアップ
- Mi Bandシリーズならではのハード・ソフトの作りの良さは健在
仕様・スペック
こちらの商品詳細ページからどうぞ。
Mi Band 7レビュー
それではレビューしていきます。
初期設定の方法:Zepp Lifeアプリから
初期セットアップはZepp Lifeというアプリから行います。
Zepp Life
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アプリをダウンロード&起動したあとは、画面の指示に従っていくだけで接続と初期設定が完了します。
ここらへんのスムーズさは、シリーズ化されたスマートウォッチならではです。
外観・デザイン:ミニマル
画面の幅が少し広め、表示も滑らかで文字が角ばっておらず、視認性はとても良いです。
重さ・大きさ:厚みがMi Band 6と同じなので……
実測は25.8g。30g切りです。付けていて重さを感じません。
が、実は注目すべきはサイズ感、特に厚みです。
なんと……
横幅のみ7が広い
厚みは同じ
Mi Band 7の厚みは、前作のMi Band 6まったく同じなんです。
厚み全体だけでなく、画面と背面の間の溝の幅までぴったり一致。
なので……
Mi Band 6向けのシリコン製のバンドをそのまま装着できます。
↑の写真で使っているのは以下。
画面の常時点灯:よく作り込まれている
Mi Band 7から搭載された画面の常時点灯機能。
常時点灯となると電池の消費が心配ですが、ちゃんと電池の持ちに配慮した挙動になっています。
- 腕をおろしたているor動かしていない状態
→時刻のみを表示 - 腕を持ち上げた状態
→全て表示
結果として、画面の常時点灯をオンにしても電池の減りを気にしなくて大丈夫。
このような実際の利用シーンやユーザーの気にするポイントに配慮した設計を最初から出してくれる点は、人気シリーズであるMi Bandの良いところだと思います。
常時計測:一部で難あり
いろいろと常時計測できる、とされているMi Band 7ですが本当の意味での常時計測と、条件付きでの常時計測の項目があります。
具体的には
- 心拍数
- 歩数
- 睡眠時間
- ストレスレベル
- SpO2(血中酸素濃度)
詳しく見ていきましょう。
本当の常時計測
心拍数、歩数、睡眠時間の3つは、設定さえすれば24時間絶え間なく計測されます。
もちろん、心拍数と歩数から導き出される消費カロリーやPAI(運動量を示す指標)も同様です。
条件付きでの常時計測
一方、ストレスレベルとSpO2(血中酸素濃度)は、特定の条件を満たしたのみ計測される仕様になっており、本当の常時計測とはいえません。
満たすべき特定の条件とは、以下の2つ。
- 手首を少しひねるのすらNGなレベルで、微動だにしないこと
- その状態を計測が終わるまで1分弱、保ち続けること
普段の生活の中でこんなシチュエーションほぼありません。あるとしても寝ている時くらいです。
実際にストレスレベルの常時計測をオンにした状態で一日過ごしてみた結果、寝ていた時間帯だけ5分刻みで計測されていました。ほぼストレスがなかったと。
でもこれでは「寝ている間はとてもリラックスしていましたね」と当たり前のことを言われているのと同じで、計測の意味がありません。
多くの人は日中の活動時間帯、たとえば仕事中のストレスレベルを見てみたくて「常時計測」に魅力を感じているはずですが、Mi Band 7では要望は満たせなさそうです。
とはいえ、問題なく常時計測できているという報告もあるため、ぼくの環境だけで起きている現象かもしれません
ワンタッチの返答:なにかと便利
メッセージ系の通知が来たとき、Mi Band 7上からワンタッチで返答できる機能が追加されています。
返答の文面はアプリで定型文を設定する形で、返信時はそれらをタップするだけ。絵文字も使えます。
設定アプリ上は「SMSの返信を管理」となっていますが、SMS以外でも使えます。少なくともLINEとTwitterのDMは実機確認しました。
おそらく通知欄からそのまま返信できるタイプのものは全て対応しているのだと思います。
フェイスデザイン:豊富
Xiaomi公式のフェイスデザインが数多くラインナップ。
もちろん自分の撮った写真やお気に入りの画像も背景に設定できます。
アプリ通知連携:個別アプリを指定できて便利
3000円代の安いスマートウォッチだと通知連携できるアプリが固定されているものもありますが、Mi Band 7はインストールされたアプリから任意のものを選択可能。
この自由度、というよりかゆいところに手が届く感じは、Mi Bandシリーズの良さが出ています。
その他機能:たくさんありすぎる
- パーソナルアクティビティインテリジェンス
- 心拍数
- PAI
- 血中酸素
- 運動
- 運動記録
- ワークアウト状態
- ストレス
- 睡眠
- 天気
- ミュージック
- アラーム
- イベント
- 懐中電灯
- 女性の健康
- 呼吸訓練
- ストップウォッチ
- カウントダウン
- スマートフォンを探す
- Phone mute
- イベントリマインダー
- ポモドーロタイマー
これだけあれば十分すぎるのではないでしょうか。
電池の持ち:オンにする機能による
電池の持ちは、有効にする機能の種類と数によりますので「絶対N日は持つ」みたいな言い方はできません。
具体的には、以下項目のオンオフ状態で大きく変わってくるでしょう。
- 画面の常時点灯
- 心拍数の計測頻度
- アクティビティの自動検知
- ストレスの常時計測
- 血中酸素濃度の常時計測
- アプリ通知の表示頻度
ぼくの場合、画面の常時点灯を「オン」、心拍数の計測頻度を「スマート計測」、アプリ通知は最低限必要なものに絞り、それ以外は「オフ」にした状態で、だいたい6日間くらい持ちました。
防水:優秀
ATM5(5気圧の防水)。いわゆる「IP○○」とは別次元の防水性能を備えています。
わかりやすく言うと、スマートウォッチではない腕時計の防水型と同じような性能、ということです。
とても優秀だと思います。
保証:不明
今回ご提供いただいたのは中国版なので、保証はあってないようなもの。
日本で公式販売されるグローバル版であれば、Xiaomi公式で保証サービスが展開されるでしょう。
実際に使ってみた感想
以上のレビューから、実際に使ってみて良かったところ・悪かったところをざっとまとめます。
良かったところ
- 画面が大きくなったことで、通知の中身チェックしやすくなった
- とはいえ、まだまだスリムでつけていて邪魔にならない
- 画面の常時点灯に対応したことで、目をやるだけで時間が確認できるようになり便利になった
- 通知の連携や音楽のコントロールなど、スマートウォッチでできることは一通り対応している
- ハード(本体)とソフト(スマホアプリ)、両方の作りがハイレベル
- シリコン製のMi Band 6向け交換用バンドが流用できる
悪かったところ
- ストレスレベルとSpO2(血中酸素濃度)は本当の意味での常時計測にならない
こんな人におすすめ
まとめ:完成度が高いぶん粗が悪目立ちする
総合評価:
あらゆる方面でよく仕上がっています。そのぶん、SpO2とストレスレベルの常時計測に粗があるのは本当にもったいないと感じます。
これらの常時計測が必須な人は「なんでそこだけポンコツなんだ」と憤りを感じることでしょう。今後のファームアップに期待です。
逆に、これらの機能を重視しない人にとって、Mi Band 7は完成度が非常に高いのに値段が安いお買い得品です。最優先で購入を検討すべきです。
自分にとってストレスレベルや血中酸素濃度の常時計測がどれだけ重要かを省みることで、Mi Band 7があなた向けのアイテムかがわかると思います。
常時計測系などにこだわりがない、かつ画面の常時点灯や画面サイズにもあまり興味がわかないなら、前作Mi Band 6のほうがフィットするかもしれません。
以上「Mi Band 7レビュー | ベースが良いだけに悪いところが目立ってしまうスマートウォッチ」でした。