HHKBに似た打鍵感のキースイッチを求めて、キースイッチ「Akko CS Jelly Pink」を購入しました。
結果、HHKBとは打鍵感は違うものの、別の魅力を見つけてニコニコしています。
キーの沈み込みから反発までの流れがとても滑らかで心地良いんです。
本記事では、Akko CS Jelly Pinkについて
- 購入に至った経緯
- 実際に使ってみてのレビュー
を紹介します。
キースイッチ選びの参考になれば幸いです 。
Akkoは2016年創業の比較的若いブランドで、既存ブランドと比べて価格が安めなのも魅力です
Akko CS Jelly Pinkが気になった理由
押下圧がHHKBと同じ、かつリニア軸だったからです。
もともとぼくはHHKB使い。運指も打鍵感もHHKBがホームです。
なのでなるべく打鍵感が近いキースイッチを使いたい。
これまでは、押下圧が同じタクタイル軸であるKailh BOX茶軸を使っていました。
とても気に入っていたんですが 、タクタイルじゃなくてリニアならどうなのか?と気になりまして。
そうして目をつけたのが、Akko CS Jelly Pinkだったのです。
Akko CS Jelly Pinkの仕様
- タイプ:リニア
- 押下圧:約45g±5gf
- ストローク:4.0mm±0.3mm
- 接点:1.9mm±0.3mm
- プレートマウント(3ピン)
- 耐久性:1500万回押下可能
Akko CS Jelly Pinkレビュー
それではレビューしていきます。(値段にしては箱がやたら豪華で驚きました)
外観・デザイン:透明感あるピンク
Jelly Pinkという名の通りの色合いです。
軸と周囲で同色異素材なところにデザイン意識を感じます。
実際に使うときはスイッチの本体なんてほぼ見ません。デザイン面なんてどうでもよくない?と思うかもしれません。
ただ、ホットスワップなキーボードの軸交換でチラ見することもあるはず。そのときちょっとテンションが上がるので、デザインは良いに越したことはないです。
パッケージデザインともカラーリングが統合されている点は、地味ですが個人的には好きです
打鍵感・打鍵音:なめらかな反発力
- キーボード:Corne Cherry
- キーキャップ:GMK PixelっぽいOEMプロファイル
打鍵感は、とても上品でなめらかです。
適度な反発力のあるクッションの中にまっすぐ飛び込むようなイメージ。軸のブレを感じません。
指への力のかかり方は、ほんの少し抵抗があってからストンと落ちる、リニアだけどタクタイルに近い触感です。(おかしいな、と思って分解してスプリングの形状など特別な工夫がないか見てみたんですが、特筆点は見当たらず。もしかしたら気のせいかもしれません)
音は、良くも悪くも特質すべき点はありません。
軸の中でプラスチックが擦れるような雑音もなく、かといって目立って静かなわけでもなく。
キーキャップとキーボードのプレートが順当に底打ち、押されたあとのキーが跳ね返ってくる音も含めて「カタカタ」と鳴ります。静かなカフェで使うと目立ってしまう水準ですね。
HHKBと似てるか?と言われると微妙です。もう少しヌルっと落ちていく感じがほしいですし、音ももう少し静かであってほしい。
とはいえ、指先に上品さを感じるなめらかさは、これはこれで素敵です。ずっと使っていたいと思わせる魅力があります。
価格を考えると大満足な打鍵感・打鍵音だと思います
留意点:超ニッチな条件でNGな点あり
キーキャップを装着してしばらくするとキーキャップが浮いてきてしまう不具合に遭遇しました。
- キーキャップはGMK PixelっぽいOEMプロファイルを利用
- キーキャップに直径1.5mmのキーリングを装着
- キーキャップを90°回転させてスイッチに挿し込み
- キースイッチの個体によって、発生することがある
なにが困るかと言うと、Corne Cherryの親指キーです。
一番外側の親指キーに1uキーを使うケースで、デザイン的にスイッチと90°回転させて装着させたい場合があるためです。
ただ個体差の問題なので、他のキーとキースイッチを入れ替えてあげれば大丈夫。
というより再現条件がニッチすぎますので、99.9%の人には関係ない情報かもしれません。
もし同じ問題にあたった人の参考になればと思い、記録だけしておこうと思います。
耐久性:1500万回は少ない?
にCSキースイッチの耐久性のテスティングにより、CSキースイッチの極限クリック数が1500万回であります。
と書かれています。
一方、GateronやKaihなど他のメーカーでは「8000万回」という数字をよく見ます。
ではAkko CS Jelly Pinkの耐久力は低いのでしょうか。
最悪のケースを想定して、耐用年数を試算してみました。
- 1日で書く文字数:3万文字(参考に、文庫本1冊で12万文字)
- 打鍵回数:1文字あたり2回として、6万回
- 打鍵が集中する母音キーの打鍵回数:2回に1回打つとして、3万回
- 母音の中で最も打鍵が多いキーの打鍵回数:1/3として、1万回
- 1500万回で持つ日数:1500日≒5年
5年持つなら十分なのではないでしょうか。
そもそも1日3万文字書くのは文筆業くらいのもの。1500万回も最低回数でしょうし、実際はもっと長い期間使えるんだと思います。
打鍵可能回数にこだわりすぎる必要はないと思います
保証:なし
メーカー保証はありません。箱の中にも保証書は入っていません。
そもそもキースイッチは消耗品。1つあたり50円とかです。保証という概念はそぐわないでしょう。
ただ、Amazonで買うとAmazon標準の30日返品保証がつきます。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 上品でなめらかな打ち心地
- 指に吸い付く適度な反発
- 沈み込み方がタクタイルに近い(気がする)
- 軸がブレず、まっすぐストンと落ちていく
- 45個入で2000円くらいという魅力的な価格
悪かったところ
- 特定の条件下で、挿し込んだキーキャップが浮いてきてしまう場合がある(ただし個体差。また99.9%の人には発生しないと思われる)
Akko CS Jelly Pinkはこんな人におすすめ
まとめ:とても気に入った
総合評価:
全体的に満足です。特になめらかで上品な打鍵感、指に吸い付く反発力は高評価。
ただ個体差起因で使いづらいケースに遭遇したため-★0.5としました。もちろん不具合の再現条件が厳しすぎるので、99.9%の人には★5で良いと思います。
一方、当初の目的であるHHKBと似た打鍵感はゲットできませんでした。押下圧が似ていても打鍵感が似るとは限らない、という当たり前の結論を確かめた形です。
とはいえ、Akko CS Jelly Pinkを買ったこと自体は後悔していません。これはこれで良い買い物をしたと思います。
スムーズさと心地よい反発力を求めている方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
以上「Akko CS Jelly Pinkレビュー | 指に吸い付く反発力とブレないなめらかな打鍵感が魅力のキースイッチ」でした。
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