提供:1MORE INTERNATIONAL LIMITED
2022年10月発売の1MORE Aeroをご提供いただきました。
特徴は空間オーディオ機能。頭の向きと音の発生位置がシンクロする機能です。
目の前にスピーカーが置かれているように、
- 頭が正面のときは、正面から聞こえる
- 頭を右に向けたら、左耳側が強く聞こえる
- 頭を左に向けたら、右耳側が強く聞こえる
という制御が入ります。
イケボ音声コンテンツを流しつつ目を閉じると、まるで目の前にその人がいるような臨場感を感じられます。ASMRとも相性がいいかも。
もちろん、ANC対応や専用アプリでのコントロールなど、イヤホンとしての基礎能力はしっかりキープ。
完全ワイヤレスイヤホンの新しい楽しみ方を提示してくれる、とてもおもしろいアイテムです。
音声コンテンツをメインで楽しむ方にはとてもおすすめ
※2022年11月18日まで3000円引きクーポン配布中。詳細はAmazonにて
1MORE Aeroが気になった理由
「空間オーディオ」という響きに惹かれたからです。
ぼくイヤホンに分解能や粒度感を求めるタイプ。そのほうが結果として臨場感が高まり音のヌケ感や見通しがよくなり、聞いていて爽快だと感じるためです。
なので「空間」とか「サラウンド」のような言葉にめっぽう弱い。実態がどうかはさておき、試す機会があれば試したい、と思うのです。
たとえば過去には、
- 「音の粒が降り注ぐ」EDIFIER NeoBuds Pro
- 「アンビソニクス採用」PINO
などを試してはうっとりしてきました。
では1MORE Aeroの「空間オーディオ」とはどのようなものなのか?
どうしても検証せずにはいられなかったのです。
イヤホンは音が表現する世界に入るインターフェースだと思っているので、臨場感は超重要視しています
1MORE Aeroの概要
注目ポイント
- 「空間オーディオ」搭載
- ANCや専用アプリなど、完全ワイヤレスイヤホンの基礎ラインナップは網羅
仕様・スペック
- モデル:ES903
- 片耳イヤホン重量(Mサイズイヤーチップ使用時): 4.9 g
- ケース重量:45.2g
- 総重量:55.1g
- イヤホン寸法:39.42 x 20.33 x 24.36 mm
- ケース寸法:61.99 x 56.40 x 25.5mm
- イヤホン電池容量(単一):40mAh
- ケースバッテリー容量:450 mAh
- イヤホン充電時間:1時間
- ケース充電時間 (有線/ワイヤレス):2時間
- 再生時間 (ANCオフ)
- イヤホン充電完了時 音楽再生時:7時間
- ケースとイヤホンのフル充電状態での音楽再生:28時間
- 再生時間 (ANCオン)
- イヤホンのフル充電状態での音楽再生:5時間
- ケース&イヤホンのフル充電状態での音楽再生:20時間
- スピーカーインピーダンス:32 Ω
- Bluetooth範囲:10m (オープンスペース)
- Bluetooth バージョン:Bluetooth® 5.2
- Bluetooth プロトコル:HFP / A2DP / AVRCP
- 入力:5V 0.7
- 使用温度:0 °C 45 °C
- 周波数範囲:2.400 GHz ~ 2.4835 GHz
- カラーバリエーション:白、黒
1MORE Aeroレビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:未来感たっぷり
マットで真っ白な表面に薄銀のブランドロゴ。かっこいいですが、個人的にはもう少しロゴの色ははっきりしていてもよかったかな?と感じます。
本体はシュッと先が細いデザイン。先端部分が光ります。本体の一部をつまんで引っ張って作られたような曲線形で、まるで生物であることを目指した未来の機械のようです。
スピーカー部分は楕円形。イヤーピースの透明感が、クラゲというか、生物の器官のような印象を与えます。楕円形なのでAirPods向けイヤーピースも使いまわせそう。
総じて、デザインはきれいでありながら生物と機械が融合したような未来感があり、秀逸だと思います。
重さ・大きさ:標準的。少し平坦め
ケースは少し平坦め。上着の内ポケットに入れても目立たなさそうです。
本体片耳で5g前後、本体+ケースで50g前後。標準的な重さです。
装着感:問題なし
自分の耳にあうサイズのイヤーピースさえ選べばOKです。
正確にいうと、1MORE Aeroの筐体デザイン起因で装着感がダメになる、的な要素はありません。
専用アプリ:なんでもできる
1MORE MUSIC
1MORE Acoustic Technology(Shenzhen) Co., Ltd無料posted withアプリーチ
1MORE系イヤホン・ヘッドホン専用アプリで、一通りの管理や設定変更ができます。
- タップ操作の割当変更
- イコライザの切替
- ANCモードの切替
- スマートイコライザのオンオフ
- 空間オーディオのオンオフ
- ファームウェアアップデート
これら機能のうち、ANC、スマートイコライザ、空間オーディオの3つは1MORE Aeroの特徴でもあるので、詳細に取り上げます。
ANC:-42dBクラス
「QuietMax」という独自技術を使ったというANC。
実際使ってみると、めちゃくちゃ優秀です。
具体的には以下。
- 洗濯機やエアコン室外機の「ゴー」は、ゼロになる
- キーボードの「カチャカチャ」は、ほんの小さな「シャカシャカ」になる
- 他人の足音は、ほぼ聞こえない
- 車が通り過ぎる音は、距離5mくらいでようやく聞こえる
- 自分の足音は、体を通じて耳に伝わる音しか聞こえない
- 一番大きく聞こえるのは、イヤーピースと耳が触れ合う音
ANC性能メインでイヤホンを選ぶ人も満足できるレベルだと思います。
スマートイコライザ:利用必須
スマートイコライザは、1MOREのプレスリリースでは
【スマートラウドネステクノロジーによるサウンドの最適化】
マートラウドネス技術を使用することで、低周波と高周波で欠損した細部を自動的に補償することができ、より低い音量でも豊かで完全な聴取体験を提供することができます。
prtimes.jp
とされています。
使っている限り、やっていることとその効果は
- ラウドネスの自動調整:
音域ごとの音量を平準化して音割れを防ぐ - 音質のチューニング:
弱ドンシャリ寄り&音の解像度がアップし、音の見通しが良くなる
の2つだと感じました。
結果として、1MORE Aeroはスマートイコライザありのほうが音質が良くなります。(逆になしだと音質は今ひとつ)
ハードとソフト(アプリ)のあわせ技で音質をキープする、という設計思想なのかもしれません。
空間オーディオ:おもしろいが、使いどころは見極めが必要
「空間オーディオ」と聞くと、音楽鑑賞メインでイヤホンを使う人からすると
- 音場が広くなるのかな?
- 音色別に音の発生源が区分けされるのかな?
- 分離が良くなったりするのかな?
と思うかもしれません。360°サラウンド的な。
が、違います。1MORE Aeroにおける空間オーディオは、音の発生位置を仮想的に固定する機能です。
目の前にスピーカーが置かれ、そこから音が出てくるような聞こえ方になります。
具体的には、
- 空間オーディオをオンにしたときの頭の位置を基準に、音の発生位置が固定される
- 頭を右に回すと左耳方向、左に回すと右耳方向から音が聞こえるようになる
という制御が、イヤホン内のジャイロセンサーからのデータをもとに施されます。
「それだけか」と思うかもしれませんが、目を閉じることによって化けます。
- Podcastやおしゃべり系動画、Spoonラジオ等の音声コンテンツを流しつつ目を閉じると、まるで目の前でその人が話しているように感じる
- ライブ音源の音楽コンテンツを聴きながら目を閉じると、目の前で演奏しているように感じる
特に、好きな声優・俳優・Vtuber等がリスナーに語りかけてくる系の音声コンテンツと相性がいいです。入り浸るにはぴったりでしょう。
仕事のWeb会議で使って相手を目の前に感じる、というレアな使い方もあるかもしれません
ただ逆に、映画やVRなど、音で表現される世界の中における臨場感は薄れます。
以下の特性により、頭の向きという現実世界の現象が、耳から伝わる仮想世界の景色に影響を及ぼしてしまうためです。
- 頭の物理的な向きと音の発生位置が連動する
- 音の発生位置が1つに集約され、音源のサラウンドが歪む
なので、使いどころは要注意。現実世界での頭の動きが耳から伝わる世界の姿にプラスに作用するケースのみで使うべきです。
試した範囲ではイケボ語りかけ系の音声コンテンツくらいしか使い所が見つかりませんでした。もし「こんな使い方がよかったよ」という情報があれば、ぜひコメントで教えてください
音質:アプリありき
専用アプリのスマートイコライザがオフだと、少し閉塞感を感じる丸みのあるフラットサウンド、という印象です。
スマートイコライザをオンにすると、少し詰まった感じはしながらも
- 弱ドンシャリ気味に音量バランスが調整される
- 音色別のメリハリがはっきりする
と、音の見通しがよくなります。
イヤホンのスピーカー単体でなく、アプリのスマートイコライザの利用を前提とした音質調整になっているのかもしれません。
スマホ以外の再生機器に接続して使うのはつらそう
電池の持ち:抜かりなし
- 連続再生時間:ANCオフで7時間、オンで5時間
- 急速充電:対応
- ワイヤレス充電:対応
全方位的に抜かりありません。
本体のみの連続再生時間が少し寂しい水準ですが、急速充電とセットなら問題なく運用できるでしょう。
防水・防塵:IPX5
IPX5対応です。
汗や水しぶきはへっちゃらですが、水ポチャや洗濯機へのインは気をつけましょう、というレベルです。
空間オーディオを最大活用する場合、部屋の中で椅子に座って目を閉じてイケボに全集中する、という使い方になるはずなので、あまり水ポチャは心配しなくてもいいのでは、と思います。
とはいえ防水防塵がしっかりしているのは安心できます。
保証:1年
1MORE製品には標準で1年間の保証がつきます。1MORE Aeroも同様です。
アプリ経由の製品登録で保証期間が伸びる、等の追加サービスはありません。
値段がそこまで安くないので、1年保証は安心できます。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 音声コンテンツの新しい楽しみ方が体感できる
- 優秀なANC性能
- 多機能な専用アプリ
- 未来的なデザイン
悪かったところ
- 少し閉塞感のある音質(専用アプリのスマートイコライザありき)
- 「空間オーディオ」という名前起因の誤解
1MORE Aeroはこんな人におすすめ
まとめ:ピーキーな意欲作
総合評価:
「空間オーディオ」機能を通じて音声コンテンツの新しい楽しみ方を提案する、ピーキーな意欲作だと感じました。
ANCも優秀ですし、完全ワイヤレスイヤホンとしての基礎機能は網羅されています。
ただ全方面で100点なわけでなありません。特に音楽の音質は明瞭感や分解能、粒度感が足りないと感じたため★-1としました。ただ好みの問題なので人によっては★5音質に感じると思います。
音声コンテンツ、特にイケボの語りかけ系やASMRの臨場感を極めたい人は、チェックしてみてはいかがでしょうか。
以上「1MORE Aeroレビュー | イケボやASMRを120%楽しむ完全ワイヤレスイヤホン」でした