商品説明に「Holy Pandaの静音版」と書いてあるOutemu Silent Cream Yellowを買ってみました。
ざっくり傾向は以下。
- POM素材のステムとファクトリールブで超滑らかな打鍵感
- 底打ちや戻りの音だけでなく軸の擦れ音も最小限
- 標準的な強さのタクタイル感
正直、この価格でこの実力は頭一つ抜けてます。他社の静音軸より3割ほど安いのに打鍵感や打鍵音は同等以上なんですから。
金属音のするハズレ個体が若干混ざるのは玉にキズ、かつスペックに比して押下圧が重く感じる点が気になりポイントではありますが、それを差し引いてもコストパフォーマンスの高い優秀な軸だと思います。
※2023年11月27日更新:打鍵動画を追加しました。
Outemu Silent Cream Yellowが気になった理由
- 以前使ったOutemu Silent Lemonがとても良かったが、その理由が以下どちらかを確かめたかったから
- たまたま軸の設計がよかったから
- Outemuというメーカーの実力が高いから
- 商品説明に「Holy Pandaの静音版」と書いてあったから
AliExpressでキースイッチを調べてると、だいたいOutemuの軸って安いんです。Gateron Silent BrownやKalih BOX Silent Brownなどの有名メーカーのものより3割くらい安い。
その割に、以前使ってみたOutemu Silent Lemonが良かったんです。静音性も打鍵感もGateronやKailhのラインナップに負けないくらい。
なんでだろう?と思ったので、Outemu Silent Lemonではない別の静音タクタイル軸であるOutemu Silent Cream Yellowで検証してみることにしたんです。(気になったことは検証しないと気がすまないタイプ)
くわえて、商品説明に「Holy Pandaの静音版だと思ってもらっていい」と書いていたのも、背中を押しました。
自作キーボードの世界に入って日が浅いぼくですが、Holy Pandaの名前はあちこちで目にしていました。しかも評判の良い軸として。
そのHoly Pandaの静音版=上位機種なんですから、使ってみたいな、と。
AliExpressの独身の日(11.11)セールで安くなっていたのもあります
Outemu Silent Cream Yellowの仕様
- Material: POM Stem, Nylon Upper Housing, Nylon Housing base
- Internal factory lubrication
- Pin: 5pin
- Switch Type: Silent Paragraph Switch
- Work Force: 50±10gf
- Min Trigger Force: 30gf Min
- End Force: 65gf Max
- Tactile Force: 45±10gf
- Work Travel: 2.0±0.6mm
- Total Travel: 3.30 mm
Outemu Silent Cream Yellowレビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:優しい配色
Yellowとは?とツッコまざるをえないカラーリング。黄色というよりクリーミーなオレンジですね。
全体でいうと、ほんの少しマットな白とのツートンカラー。優しい配色で、デザインとしてとてもきれいにまとまっています。
白ケース、白PCB、白&紫のキーキャップでまとめたCorne Cherryに装着してみました。
トップハウジングの白がよくなじむのに加え、少しだけ見えるクリーミーなオレンジ色が若干のアクセントになっています。
他の白系のキーボードにも似合いそうですね。
打鍵音・打鍵感:過去一番いい
打鍵音はきわめて静か。これまで試した静音軸のなかで一番静かです。
底打ちや戻りの音はもちろん、擦れ音もほぼ聞こえません。イメージは以下。
- 底打ち:ッ
- 戻り:ッ
- 擦れ:s
一方で、静音品質には個体差があります。軸が押されてが戻るとき「テン」という金属音が鳴る個体が混ざっています。
原因はおそらくファクトリールブの作業品質。とはいえ機能は問題ないので、中身を開けて自前でルブすれば直せると思います。
なおこのような個体との遭遇確率は5%弱でした(45個試したうちの2個)。Outemu Silent Cream Yellowは単価が他の静音軸より3割くらい安いと考えると、このくらいの品質のブレは許容範囲内です。
打鍵感はヌルっと滑らかです。これまで試した静音軸のなかでいちばんスムーズ。
擦れる感触や横ブレ、引っかかりがほぼゼロで、まっすぐ底まで落ちていきます。
タクタイル感以外の邪魔な感触がほぼないので、打っていてとても気持ちいいですし、安心できます。
滑らかさの最大の要因はステムがPOM素材だからです。というのも、ステム素材以外がほぼ同じ作りであるOutemu Silent Lemonで感じたほんの少しの擦れを、Outemu Silent Cream Yellowでは感じなかったから。素材って大事なんですね。
ちなみにスペック上は押下圧50±10gfと50gfが中心となっていますが、実際は50gfより少し重く感じます。±10gfがプラスに振れがちなのかもしれません。重めな軸が好きな人向けと言えそうです。
個人的にはHHKBと同じ45gf水準が好みですが、少し重めでも打鍵がスムーズであればむしろ気持ちいいと感じたので、これはこれで好きです。
総じて、ときどきハズレ個体が混ざることを踏まえても、価格以上の打鍵感・打鍵音だと感じます。
耐久性:5000万回の打鍵に耐える
同じキーを毎日1万回打ち続けて5000日。10年以上使える計算です。
実際に同じキーを1日1万回打つなんてありえない数字なので、実際は15年くらい使えるのではないでしょうか。
耐久性としては十分だと思います。
保証:なし
メーカー保証はありません。届いた袋にも保証書は入っていませんでした。
そもそもキースイッチは消耗品。Outemu Silent Cream Yellowは1つあたりたった38円前後です。
たとえば、今回は少し金属音がするハズレ個体が2個入っていました。2つで100円未満です。返品・交換するほどの金額ではないでしょう。
実際に使ってみた感想
良かった点
- スムーズな打鍵感。POM素材、ファクトリールブ、Box型デザインがすべて噛み合っている
- とても静かな打鍵音。軸の擦れ音すら微小。
- 優しい配色のデザイン。白いキーボードによくなじむ
- 価格が安い。GateronやKailhなどメジャーなブランドの静音軸の7割くらい
悪かった点
- 戻りの際に金属音が鳴ってしまうハズレ個体が混ざる。とはいえ5%ほど
- スペックよりも押下圧が重め。気になる人は気になるかも程度
Outemu Silent Cream Yellowはこんな人におすすめ
まとめ:一番気に入った
総合評価:
これまで試した静音軸の中で一番気に入りました。
優れた静音性と素直な打鍵感にくわえ、軸の滑らかな感触をとても高く評価しています。
Outemuの静音軸は他と比べて単価が安いので買って使ってみるまで心配でしたが、取り越し苦労だったようです。
自信をもっておすすめできるので、ぜひチェックしてみてください。
以上「Outemu Silent Cream Yellowレビュー | びっくりするほど滑らかなのに値段も安い静音軸」でした。
Outemuの別の静音軸も使ってみた感想とあわせると、Outemuの静音軸はコスパがとても高いと評価して良いと思います
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