あのDurock Lotusシリーズのタクタイル版が出たって?
ということで飛びついてみたのでレビューしていきたいと思います。
Durock Blue Lotusが気になった理由
この軸そこそこ高価です。単価90円近く。フルキーボード用に買うなら1万円くらいかかります。考えなしに飛びつけるものでもありません。
ぼくの場合、以下の理由から飛びついてよしと判断しました。参考になさってください。
Durock Black Lotusがとてもよかった
1つ目は、以前買ったDurock Black Lotusの打鍵感と打鍵音がすばらしかったためです。特に打鍵の滑らかさと無駄な音が混ざらない点。
この時点で、ぼくのなかで「DurockのLotusシリーズ=打鍵感・打鍵音が高品質」と認識されていたので、新板が出たらそりゃ試すっしょ、という頭になっていました。
実際にDurockのLotusシリーズは自作キーボード界隈でも人気が高く、Twitterなど見ていると発売すぐに飛びついている人が多くいそうでした。それだけ安定の選択肢ということです。
強めのタクタイルが好き
実はDurock Lotusシリーズのタクタイル版は2種類あります。
- Durock Blue Lotus:強タクタイル
- Durock White Lotus:弱タクタイル
強タクタイルにした理由は、以前買ったMMD Princess Switch(姫軸)のオラオラ感が好きだったからです。打ってるとパンチ繰り出してるみたいで楽しくなるんですよね。
その要因がかなり強いタクタイル感だったので、Durock Blue LotusのLarge Tactile(強いタクタイル)も同じように楽しいかな、と思って選びました。
Durock Blue Lotusの仕様
- タクタイルスイッチ
- ハウジング:改良されたPCとUPEブレンド(トップ) / ナイロン(ボトム)
- ステム:改良されたPOM(ロングポール)
- 5ピン
- 総トラベル:3.7±0.2 mm
- 作動トラベル:2 mm
- 作動フォース:55 gf
- ボトムアウトフォース:65 gf
Durock Blue Lotusレビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:黒に近い青
まず外見ですが、Blut Lotusと言いつつDark Blueないろあい。日本語でいうなら青よりも藍色ですね。
ベースが濃い色なのでひっかき傷や油分が目立ちやすいかも。↑の写真でもトップハウジングに細かな傷やベトつきが見えますね。輸送中に金属足がこすれたり、漏れ出たルブ剤がくっついているのかもしれません。目立ちやすいだけで他の軸も同じようなもんだと思いますし、使っているときは見えない部分なので気にすることはありません。
次は中身です。上下動の安定しやすいロングポールに、打鍵時の音がチャキチャキしにくい金メッキ素材のリーフ。スプリングも金メッキ素材でしょうか。単価100円近い軸だけあっていい素材使ってます。
ステムはファクトリールブ済。かなり厚めに塗られていますね。トップハウジングに見られたベトつきはこれが外側に漏れていたんだろうなと思います。
打鍵音:大きい。でも雑音が混ざらない
実際に使ってみつつ、他の手持ちの軸とも音を比べていきます。
手持ちのタクタイル軸との比較
左から
- Gateron Brown
- Kailh BOX Brown
- MMD Princess Switch (Tactile 60g)
- Durock Blue Lotus
- TECSEE Medium Tactile
です。
Durock Blue Lotusの音は、大きいながら落ち着いて聞こえますね。
Durock Black Lotusとの比較
同じLotusシリーズであるDurock Black Lotusとはあまり差はないように聞こえました。
作り的に、ステムにタクタイル用のバンプがあるかないか、くらいの差しかないのでしょう。
実際の打鍵音
そこそこ大きい音がします。
音が大きい理由は、強めのタクタイルだからでしょうか。音の大きさは衝突時の仕事量=速度と移動距離に依存します。タクタイル感が強いとそれだけ強い力でキーを押さねばなりません。するとタクタイルを越えたあとの加速度大きくなり、衝突速度が上がり、よって音も大きくなってしまう、ということです。
とはいえ、音そのものは澄んでいます。スプリングからの金属音がビンビン鳴ったり、底打ちや戻りのときに不要な高音がキンキン鳴ったり、そういう雑音が混ざってきません。いい音だと思います。
以上のことから、部屋で一人で使っているなら「いい打鍵音だなあ」で済ませられる一方、外出先のカフェや会社のオフィスで使うと打鍵音でまわりみ迷惑をかけてしまう可能性があります。使う場所を選んでしまうので少しもったいない気がしますね。
打鍵感:真水のような強タクタイル
タクタイルはとっっっっっっっっても強いです。タクタイルフォースが65gということで、意識的に力をかけないとキーが押されていきません。
タクタイルの山を超えるとまっすぐ底まで進みます。自由落下ばりにストンと落ちていくというより、水底に向かって自力で潜っていくような感覚。底打ちするまで力をかけ続けないといけません。そのせいか、底打ち時の反発も強めに感じます。
なので、打鍵を続けるには指の筋力と反発への耐久力が求められます。指が強靭じゃないとすぐに疲れてしまいそう。実際に数日使い続けたところ、キーボードから手を離してグーパーさせる回数が増えました。そのぶん指が疲れているのでしょう。身長172cmで手が大きめな男性(自分)でそうなので、手が小さい人や指が細い人だと少し辛いかもしれません。要筋持久力。
一方、軸のブレや擦れはほぼ皆無。特に擦れは指先からも音からも感じられません。ステム素材が滑りの良いPOMであること、新しい金型による上下動の精度が向上していること、そしてしっかりめにルブされていること、いずれもがプラスに働いているように感じます。1つ1つの打鍵がすべてクリーンヒット。打っていて気持ちが良いです。
以上のことから、Durock Blue Lotusは指の筋力と耐久力を条件として真水のような強タクタイルによる爽快感を提供するものなのだ、と言えるでしょう。
パワー系の格闘キャラが重たい連続攻撃を繰り出しているような感覚です。楽しい
耐久性:5000万回打鍵OK
公称で5000万回の打鍵に耐えられるそう。
踏み潰したりこじ開けたり無理に力を加えたりしなければ、10年は持つと思います。
保証:なし
単価が高いとはいえ1個80円程度。メーカー保証はないものと思ったほうが良いです。
が、販売サイトとしての保証は別。たとえばAmazonでの購入なら30日の返品・返金が可能など。購入時の参考にどうぞ。
実際に使ってわかったメリット・デメリット
メリット(良かった点)
- 上品で滑らかな打ち心地
- 金属音やスレ音が一切しない、澄んだ打鍵音
- 格闘キャラの連続攻撃を思わせる爽快感
デメリット(悪かった点)
- 打鍵音が大きめ。外で使うには度胸がいる
- 指の筋持久力が求められる。慣れるまでは疲れやすいかも(鍛えよう!)
Durock Blue Lotusはこんな人におすすめ
まとめ:環境を整えてででも使っていきたい
総合評価:
力強くなめらかな打鍵感。他の追随を許しません。さすがDurockのLotusシリーズ。期待通りの品質です。
音が大きめなので仕事先やカフェで使うのは少しはばかられるものの、外出用と自室用でキーボードを使い分けられるなら自室用の軸はDurock Blue Lotusを選びたいですし、強タクタイルがゆえに必要となる指の筋持久力も積極的に鍛えていきたい、と思えるほど気に入りました。
最後に1つ付け加えると、Amazonで買えるのはポイント高いですね。2023年5月時点では遊舎工房のAmazonストアで買えますが、今後Durock公式のストアでも扱われていくとより入手しやすくなるかもしれません。期待しましょう。
以上「Durock Blue Lotusレビュー | 真水のような強タクタイル。爽快感抜群だが代償もある」でした。