Akko Silent Haze Pinkレビュー | 静音ではなく弱音。打鍵感重視のサイレントリニアスイッチ

3.5
Akko Haze Pink 静音タクタイルスイッチ 静音軸 レビュー

2022年11月に発表されたAkko初の静音軸、Akko Silent Haze Pinkをレビューします。

結論を先にいうと、静音というより弱音と呼ぶ方がふさわしい軸でした。

これまでの静音軸は、静音性重視で打鍵感が損なわれる傾向にありました。

そこで、あえて静音性を弱めることで打鍵感を確保しているのが、Akko Silent Haze Pinkの特徴です。

とはいえ実際の静音性はどうなのか・・・については、記事本編で解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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Akko Silent Haze Pinkが気になった理由

Akko初の静音軸だからです。

Akkoのキースイッチはコストパフォーマンスの高さに定評があります。

一方、静音軸はどうしても単価が高くなってしまいがち。通常のキースイッチより材料も多く手間がかかるので、どうしても単価アップは避けられません。

では、Akkoが静音キースイッチを作ったら?

どのくらいの性能のものがどのくらいの価格で出てくるのか、とても気になっていたのでAkko Silent Haze Pinkが発表された時に「これは買う」と決めていました。

NAE
NAE

なお実際の単価はAliExpress価格で約55円。Gateron Silent Brownと同じ水準なので、特に安いわけではありませんでした・・・

Akko Silent Haze Pinkの仕様

Akko Silent Haze Pinkレビュー Force Travel Diagram
出典:aliexpress.com
  • Type: Linear
  • Operating Force: 43 ± 5gf
  • Bottom-Out Force: 58 ± 5gf
  • Pre-Travel: 2.0 ± 0.3mm
  • Total Travel: 4.0 ± 0.3mm
  • Tactile Position: N/A

Akko Silent Haze Pinkレビュー

それではレビューしていきます。

外観・デザイン:サーモンピンク

サーモンピンク寄りのピンク色。

ステム(軸部分)は滑りが良いとされるPOM素材です。

静音性能を決めるステム左右の樹脂部分はジェルっぽい感触で柔らかめ。かつ下部のほうには切り込みが入っています。

静音性能は全体的に控えめとし、特に底打ち音の吸収力はあえて弱める・・・という設計になっているようです。

愛機のCorne Cherryに装着してみました。

透明感あるサーモンピンクなので、

打鍵感・打鍵音:静音性より打鍵感を大事にしている

では実際の静音性はどうなのか。

の打鍵音を比較してみました。(左から、Kailh BOX Brown、Akko Silent Haze Pink、Outemu Silent Cream Yellowです)

ご覧のとおり、Akko Silent Haze Pinkの打鍵音はそこそこ大きいです。

静音軸ではないKailh BOX Brownと比べるとほんの少し静かではありますが、しっかり静音するタイプのOutemu Silent Cream Yellowとは雲泥の差。

これは静音と呼ぶには厳しいと思います。弱音とでも呼ぶべき。

が、かわりに打鍵感は良好です。

静音軸にありがちな「底打ちがムニュっと柔らかくなってしまう気持ち悪さ」がほとんどありません。

Akko Silent Haze Pinkは、打鍵感を確保したいけど少しでいいから静音化もしたい、という需要に応えようとしているのかもしれません。

NAE
NAE

昨今はキーが戻る音だけ静音化する「Semi-Silent」という種類もあるみたいですし(参考)、静音軸にもいろいろと差別化ポイントがあるんですね

ちなみに、軸はあまりブレず素直にストンと落ちていきます。スレ感もごく微小。ビルドクオリティは良好なようです。

耐久性:不明。6000万回?

Akko公式サイトやAliExpressには打鍵テストクリア回数が書いてありません。

が、Amazon USの商品ページ

Durability – Approximate lifespan of 60 million times of keystrokes based on laboratory durability test.

と書いてあります。

が、他の軸の説明のコピペな可能性もあるので、あくまで参考情報です。

保証:なし

メーカー保証はありません。箱の中にも保証書は入っていません。

そもそもキースイッチは消耗品。1つあたり100円未満です。保証という概念はそぐわないでしょう。

メリット・デメリット

以上のレビューより、Akko Silent Haze Pinkのメリット・デメリットをまとめます。

メリット(良かったところ)

  • しっかりした底打ち。静音軸のデメリット底打ち時の柔らかさを感じにくい
  • 横ブレが少なくストンと落ちる。ビルドクオリティは高い

デメリット(悪かったところ)

  • 逆に静音性能はイマイチ。弱音と呼ぶべき
  • Akkoブランドだがそこまで安くない

Akko Silent Haze Pinkはこんな人におすすめ

  • 打鍵感、特に底打ち感は絶対に確保したい
  • そのうえで、ほんの少しでもいいから静音化できると嬉しい

まとめ:底打ち感も大事だろ?と言っている

総合評価:

これまでの静音軸は、とにかく静音性が重視されてきました。

しかしAkko Silent Haze Pinkは、静音性も大事だけど打鍵感(底打ち感)も大事だろ?という新基軸を打ち出しているように感じます。

とはいえ、オフィスに出社したときも自作キーボードCorne Cherryを使いたい自分としては、やっぱり静音性重視で選びたい。

なのでAkko Silent Haze Pinkは残念ながらnot for meでした。ビルドクオリティは良いものの単価が安いわけではない点も考慮して、厳しめ評価で星3.5です。

しかし、自宅メインで使う人やk静音性はほしいけど打鍵感も捨てがたい人であれば、Akko Silent Haze Pinkはフィットするかもしれません。

本レビューが参考になれば幸いです。

以上「Akko Silent Haze Pinkレビュー | 静音ではなく弱音。打鍵感重視のサイレントリニアスイッチ」でした。

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