2020年7月26日現在、Amazon FireタブレットでGoogleファミリーリンクを使う方法は、ありません。
期待させて申し訳ないですが、5〜6時間の実機格闘、考えうる原因の考察、および信頼できる海外サイトのリサーチによる裏付けの結果です。
確認した実機はAmazon Fire HD 10(2019年版)ですが、挙動を見る限りFire OSの基礎をなす部分の機構に関連しているため、Fire 7や8でもおそらく同じです。
「子供用タブレットにFire HDを」「Googleファミリーリンクで細かな制御を」と考えている方は、無理なので、Fire HD以外のAndroidタブレットの購入を強くおすすめします。
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ぼくも結局、子供用には別のAndroidタブレットを買い直しました
Amazon FireタブレットにGoogleファミリーリンクを導入すると起こること
Fireタブレット側のGoogleファミリーリンクアプリの設定が途中から進まなくなります。
試した限りでは、Fireタブレットの中の仕組みが壊れたり、起動しなくなる(文鎮化する)ことはありませんでした。
実際に試した手順と、起こったことを示します。
- 事前に、子供のGoogleアカウントを作成し、ファミリーメンバーに登録しておく お子様の Google アカウントを作成する – Google For Families ヘルプ
- Google Playを導入するFireタブレットにGoogle Playをインストールする方法【2020年版】 | 有限工房
- Playストアを開き、子供のGoogleアカウントでログインする
- Googleファミリーリンクアプリのダウンロードが始まるが、終わらない
- 一度Playストアを強制終了する
- 再度Playストアを開くと、子供のアカウントでログインされているので、Googleファミリーリンクアプリ(保護者向けではないほう)をダウンロードする
- ダウンロードは成功するので、Googleファミリーリンクアプリを開く
- セットアップするデバイスを聞かれるので、「このデバイス」をタップする
- 画面の案内に従い、操作を続けていく
- 途中で「ファミリーリンクで管理されているGoogleアカウントには、このプロフィールマネージャーが必要です」のエラーが出る
- OKボタンを押すと再度上記エラーが出る。以下、無限ループ
どうやらAmazon Fireタブレットに搭載されているFire OSは「プロフィールマネージャー」とやらに手が入っているようです。
Amazon FireタブレットでGoogleファミリーリンクが使えない原因
推測される理由は、Amazon Fireタブレットの基礎をなす「Amazonアカウントおよび独自のプロフィールによりタブレットを制御する」という機構にありそうです。
エラーメッセージにある「プロフィールマネージャー」は、おそらくAndroid OSにおけるアカウント管理のような機能と思われます。
そして、「プロフィール」という呼び名から連想されるのは、Amazo Fireタブレットの持つ以下の機能。
- Amazon Fireタブレットは、Amazonアカウントを使ったログインが必須である
- 初期セットアップ時に、Amazonアカウントに紐づく自分用「プロフィール」が作られる
- 追加で、子供用の「プロフィール」を複数作成できる
察するに、Amazon Fireタブレットに搭載されているFire OSは、「プロフィールマネージャー」部分にかなり手が入っている、もしくは機能を専有する制御が入っていると思われます。
一方Googleファミリーリンクも、機能の性質がアカウント管理そのもの。「プロフィールマネージャー」を専有することを前提に作られているはずです。
つまり、
- Googleファミリーリンクは「プロフィールマネージャー」を使いたい
- しかしFire OSが先に居座っていて、使えない
- なのでエラーが起きてしまう
が、Amazon Fireタブレットの中で起きていることと考えられます。
要するに「プロフィールマネージャー」の競合です。
実機確認したFire HD 10(2019年版)以外でも、きっと同じく使えない
「プロフィールマネージャー」の競合が原因とするなら、ぼくが実機で試したAmazon Fire HD 10以外、Fire HD 7や8でも、同じエラーによりGoogleファミリーリンクが使えないものと思われます。
「プロフィールマネージャー」はAndroid OSの根幹部分であり、あらゆるFire OSはAndroid OSをベースに作られており、かつ「Amazonアカウントおよび独自プロフィールによるタブレット制御」はすべてのAmazon Fireタブレットに共通する機能(仕様)だからです。
実際に、各種Fireタブレットをレビューしている海外大手Android系情報サイト「Android Police」に
IMPOFTANT INFO
There is no way to manage a Fire tablet through Google Family Link, even after the Play Store is installed.
How to install the Google Play Store on an Amazon Fire tablet
と思いっきり書いてあります。
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最初から海外サイト含めて調べておけばよかった……
しかし、使えないからといって文句は言えない
ただ、GoogleファミリーリンクがAmazon Fireタブレットで使えないことに文句を言ってはいけません。というか、言える立場にありません。
なぜなら、そもそもGoogleファミリーリンクはGoogle Play導入が必須であり、Google Play導入はAmazon Fireタブレットの動作保証対象外なので、なにが起きても自己責任だからです。
Amazon Fireタブレットで子供の利用時間をコントロールするには
素直に、Amazon Fireタブレット備え付けの「子供用プロフィール」「Free Time」「ペアレンタルコントロール」機能を使いましょう。
参考 Amazon.co.jp: 子ども用プロフィールの設定について: Amazonデバイス・アクセサリ
ただしこの機能でコントロールできるのは、
- プリインアプリ
- Amazonアプリストアからダウンロードしたアプリ
- Amazonで購入したコンテンツ(Kindle本、ビデオ、ミュージック等)
のみ。Google Playでダウンロードした各種アプリは、一切コントロールができません。動作保証対象外なので当たり前です。
Google Playでダウンロードしたアプリが実際どうなるかというと
- 親用のプロフィールでのログイン時しか表示されない(子供用プロフィールに表示させられない)
- 親用プロフィールでは、ベッドタイムや1日のタイムリミットが設定できない
- 結果、子供にアプリを使わせる=親のプロフィールで使う=時間制限なしに使えてしまう
となります。
ちなみに、購入や決済に至る部分はプロフィールによらず「設定」からパスワードロックがかけられるので、お金の面は心配無用です。
が、時間制限が一切できないのは正直キツいでしょう。
まとめ:素直にGoogle PlayプリインのAndroidタブを買おう
「Fire OSはAndroidベースだし、Googleファミリーリンクもいけるだろう」と思い込んでいた自分が浅はかでした。まさかOSの深いところで競合を起こすなんて……。
間違えても、Amazon FireタブレットでGoogleファミリーリンクを使おうとしてはいけません。ぼくのように、5〜6時間という貴重な人生の一部を台無しにしないでください。
どうしてもGoogleファミリーリンクにこだわるなら、Google PlayがプリインされているAndroidタブレットを買いましょう。
以上「Amazon FireタブレットでGoogleファミリーリンクを使う方法(は、ありません)」でした。
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とはいえ自分用に使うには良いデバイスなので、ぼくはKindle Unlimitedでの読書と息子とのマイクラで重宝しています
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