Corne Mini(5 columns crkbd)を最小コストで組み立てられたのでレビュー

4.5
Corne Mini レビュー 組み立て方 入手方法 ビルドログ

思い立ってCorne Miniを組み立てました。

Corne Miniは、本来は横6列のCorneを横5列にカスタマイズしたもの。3×5 corneや5 columns crkbdとも呼ばれており、正式名称は不定です。(本記事は遊舎工房のアクリルプレートでの記載に基づきCorne Miniと呼称します)

そのせいか、ネットで情報がバラけていたり組み立て方がまとまっていなかったりで少し苦労したので、同じことがしたい人のために情報を残します。

なにかの役に立てれば幸いです。

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CorneMiniが気になった理由

自分用の30%キーボード向けキーマップが固まってから、すっかり指が30%に慣れてしまいました。

すると40%は大きいと感じるようになり、それにつれてCorne Cherryを使う頻度が減ってしまいました。

でもCorne Cherryは大好きなので、なんらかの形で使いたい。

そこでCorne Miniの存在を知ったのです。

ただ、

  • Corne Miniを作るには、Corne Cherry v2.1のPCBが必要
  • v2.1はキットなどでは売っていない。自前で部品調達が必要

と、ハードルが高い状況で、尻込みしていました。

しかし、2023年9月上旬ごろ、

  • 遊舎工房のレーザーカット半額キャンペーンでCorne Mini用プレートが安くなっていた
  • Corne Cherryのv2.1のPCBがメルカリで安く頒布されていた
  • ProMicroやホットスワップ用ソケットの余りが手元にあり、工夫すると安く組めそうだった

と、いろいろタイミングが重なったので、「今しかない!」と思って組むことにしたのでした。

NAE
NAE

追加出費は総額6,000円くらいでした

Corne Miniの組み立て

そもそもキットではないキーボードを組み立てるのは初めて。

かつ今回はちょっとしたカスタマイズにもチャレンジしようと。

なので、準備は念を入れました。

組み立て方針

  • OLEDなし
  • LEDなし

としました。

これにより、

  • 見た目がシンプルになる。仕事用デバイスとして使いやすい
  • 必要な部品の種類と点数が減る。結果、他のキーボードキットで余った部品が使い回せる
  • 組み立てが簡単になる。特に鬼門であるOLED用ジャンパブリッジが不要になる

というメリットがあるためです。

部品の調達

基本は遊舎工房のCorne Cherryキット販売ページの「内容物」に沿って揃えれば大丈夫です。だいたいのパーツは遊舎工房で買えます。

ただし、違う点は以下です。

  • キー数が42→36に減るので、ホットスワップ用ソケットやダイオードの購入数も相応に減らす
  • トッププレート、ボトムプレート、ProMicro保護プレートは、こちらからCorne Mini用のものを選んで購入する
  • Corne Cherry v2.1 PCBは販売されていないため、こちらの設計データを使ってJLCPCB等へ発注するなり、中古市場での品探しするなりが必要

PCBは、今回はメルカリで頒布品を入手しました。なおPCB発注の場合、最小ロットが5枚などの制限があるので注意しましょう。

ビルドログ(公式との差分)

基本はCorne Cherry V2.1の公式ビルドガイドにしたがって組み立てればOKです。

ただし、以下の点だけ異なります。

  • 事前にPCBの端を折り、紙やすりで仕上げる必要あり
  • キー数が42→36に減るので、はんだ付け回数が少なくてOK

なお今回はOLEDなし&LEDなしにしたので、はんだ付けがめちゃくちゃ楽でした。

特にOLED用ジャンパブリッジは、以前ミスって基板のランド剥がれを起こした苦い経験があるので、不要になるだけで気が楽になりました。

ファームウェア

RemapにアップされているCorne向けファームウェアがそのまま使えます。

Remap上では42キー出てきますが、一番外側を無視して36キーぶん設定すればOKです。ブランクにしておくと見間違い防止になります。

遭遇したトラブルと対応

ProMicro上につけるプレートのスペーサーが足りなくなりました。

原因は、凡ミスです。本当は8mmのM2スペーサーが合計14個必要だったのに10個しか購入していませんでした。

対応として、8mmのM2ネジに2mmのM2ナットを2つ入れることで4mmスペーサーで間に合うよう工夫しました。

使い始めて数十分後、特定のキーが効いたり効かなかったりと、挙動が不安定になりました。

原因は、当キーのキーソケットの片側ではんだ付け部分のランドががれかけていたこと。

対応として、回路図を見てどことどこをつなげればよいかを特定のうえ、クリップを曲げて切ってはんだ付けしました。

他のランド一切剥がれていないので、製造不良だし動けばいいや、と割り切りました。

Corne Miniレビュー

それでは完成品をレビューしていきます。

といっても、自分向けに組み立てたものなので紹介に近いです。

デザイン:36キーのスタンダード

OLEDなしの黒一色。スッキリした見た目になりました。

PCBが青なのは頒布品を中古市場で買ったで致し方なし。黒で発注したらもっと統一感が出せるかもしれません。

手持ちの30%キーボードと並べてみました。上がKeyball 39、下がMiniAxeです。

こうしてみると、

  • Corne Mini:36キーのスタンダード。スタート地点
  • MiniAxe:コンパクトさを極めるならこっち
  • Keyball 39:+トラックボールで利便性を極めるならこっち

みたいに見えますね。

かといって、Corne Miniが他の下位互換であるわけではありません。

たとえば、

小指キーの奥行き
  • Corne Mini:中間
  • MiniAxe:奥寄り
  • Keyball 39:手前寄り
親指キーの配置
  • Corne Mini:中間
  • MiniAxe:手のひらに非常に近い
  • Keyball 39:手のひらから遠い

と、キーの位置にそれぞれ特色があります。

ということで、実際は気分で使い分けています。みんな違ってみんないい。Corne Miniにも「らしさ」があるのです。

設計者の方々は考え抜いているんだな、としみじみ感じます。

打鍵感・打鍵音:手の形にフィットして楽

タクタイル軸Durock White Lotusをつけて打ってみました。36キーと小型なせいか打鍵音の反響が小さめに感じます。

打鍵感は、36キーなので指の動きだけですべて済んで楽なのはもちろん、それ以上に自分の手の形フィットしているなあと感じます。

特筆すべきは、サムクラスタ(親指で打鍵するキー)の位置です。ホームポジションに置いて脱力したとき、ちょうど真ん中のキーに親指が乗ってくれるのです。

これがぼくにとって2つの観点で大きな加点要素になっています。

  • サムクラスタの真ん中に利用頻度が高いレイヤ切り替えキーを置いており、指を動かさずに押せると楽
  • 親指のホームポジションが真ん中だとサムクラスタ左右のキーへの移動距離が最小化できて楽

もしかしたら、設計者のfoostanさんと手の形が似ているのかもしれません。

取り回し・持ち運び:小さいは正義

30%キーボードなので相応にコンパクト。

以前購入したダイソーのA5サイズメッシュバッグに入れていますが、カバンにスッと入ってくれます。

この大きさならニンテンドースイッチ用のケースでもいけるかもしれません。

保証:なし

ありません。壊れたら自分で修理しましょう。それも楽しいものです。

Corne Miniに施したカスタマイズ

ファームウェア

Remap上のファームウェアだと、自分の運指のクセ起因で

  • Tap/Holdを設定したキーでの同時押しの挙動が期待と異なる
  • Holdの判定時間が長すぎる

という問題にあたりました。

対応として、

  • 他のキーボードで同時押しの挙動が期待通りになっているバージョンのQMK(0.22.3)をgit clone
  • config.hにTAPPING_TERM=150を追記してHold判定時間を調整

して自前ビルドして解決しました。

NAE
NAE

Keyball 39を組み立てたときQMKの知識をつけておいて正解だったな、と感じました

キーマップ

Keyball 39を組み立てたときに作った36キー向けのものを設定しました。

WindowsやMS Officeのショートカットキーを無理ない運指で使えるよう工夫しています。

実際のキーマップをRemapで公開していますので、ぜひ参考になさってください。

OLEDなし

カスタマイズと呼ぶかは微妙ですが、今回はOLEDなしで作りました。

「ビルドログ 」パートで紹介したのでここでは割愛します。

作ってみた&使ってみた感想

メリット(良かったところ)

  • ミニマルな36キー
  • 個人的に手の形になじむ。特にサムクラスタ

デメリット(悪かったところ)

  • 入手ハードルが高い。キットがない
  • Corne Miniで検索しても情報がない。そもそもCorne Miniが正式名称かもわからない

まとめ:入手性さえ高ければ

総合評価:

作って満足、使って満足。長らくCorneシリーズから離れてしまっていたものの、あらためて名作だと再認識しました。

しかし、入手難易度の高さが気になりました。特にPCBの発注は自作キーボード初心者にとってハードルが高いです。解説記事でやりかたはわかったとしても、最低発注数が5枚ということで余ったものをどうするかもハードルが高いのです。ので-★0.5としています。

とはいえ名作なので、30%キーボードにチャレンジしたい方は選択肢に加えていただけると嬉しいです。

以上「Corne Mini(5 columns crkbd)を最小コストで組み立てられたのでレビュー」でした。

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