提供:ECOVACS
ECOVACS様のご厚意で、同社より2021年3月に発売されたロボット掃除機DEEBOT N8+をご提供いただきました。
ECOVACS DEEBOT N8+は、
- 自動ゴミ収集で、掃き掃除の手間を最小化できる
- サブ機能扱いになりがちなモッピングも妥協していない
- 専用アプリや音声コマンドなど、操作系が洗練されている
という、使う人が楽できることを追求したロボット掃除機です。
使い勝手だけでなく、もちろん本体の機能・性能もしっかり。
ダンボールの破片や飾り付きのヘアゴムぐらいなら余裕で吸い込んで行きますし、水拭きした後のモップはまるで雑巾がけした後の雑巾のように汚れをこそぎ取ります。
この機能・性能重視のバランス感は家庭用ロボット専業メーカーならでは。使う側の気持ちをわかってる感じが伝わってきます。
自動ゴミ収集機が少しかさばりますが、配置先の工夫でなんとかなるなら、イチオシできるいいアイテムだと思います。
ECOVACS DEEBOT N8+が気になった理由
定番ブランドのしっかりした最新版をってどうなの?、と思っていたからです。
新しいもの好きという性分もあり、これまで使ってきたロボット掃除機が、
と、新興ものが多かったんです。
これら、モノとしては良いんですが、「積み上げてきた経験に立脚する基礎性能の高さ」の点で、裏打ちがありませんでした。
一方、ECOVACSは
- 掃除用ロボットを作って15年
- 世界52の国と地域で、ロボット掃除機の累計販売台数No.1
という定番ブランド。
どのくらい基礎性能に差が出るのか気になったので、試してみたいと思ったのでした。
ECOVACS DEEBOT N8+の概要
注目ポイント
- ゴミ捨ての手間を解消。自動ゴミ収集機でゴミ捨ての頻度が大幅現象
- 革新的なマッピングテクノロジー。航空宇宙規格の検出技術「D-ToF」を業界で初めてロボット掃除機に採用
- 高い掃除性能。2300Paの吸引力とOZMOモップシステムで掃き掃除も拭き掃除もしっかり
- 使い捨て部品で便利&衛生的。使い捨てのモップパッドとダストバッグでメンテの手間も衛生面もOK
- お掃除を簡単にコントロール。専用アプリやGoogleアシスタント、アレクサ連携が可能
仕様・スペック
- サイズ(ロボット本体):Φ353*93mm
- 吸引性能:2300Pa
- 電池の種類:リチウムイオン
- 最大稼働時間:110分間
- 充電時間:4時間
- 電圧:100V
- ダストボックス:420ml
- 水タンク:240ml
- 騒音ラベル(本体/自動ゴミ収集機):67/83dBa
ECOVACS DEEBOT N8+レビュー
それではレビューしていきます。
付属品:消耗品が充実
- 掃除機本体 x1
- 自動ゴミ収集機 x1
- 電源コード x1
- サイドブラシx2
- 水タンク x1 (本体取付済)
- ダストボックス x2(1つは自動ゴミ収集機に取付済)
- クリーニングモップ x1(繰り返し用タイプ)
- クリーニングモップx10(使い捨て用タイプ)
- クリーニングクロスフレートx1
- 高性能フィルター x1(本体取付済)
- メインテナンスツール x1(本体内に格納)
- 取り扱い説明書
ブラシ系の交換品は1セットずつですが、ダストボックスやクリーニングモップなどの消耗品が充実しています。
外観・デザイン:上品な白物家電
最終的な設置イメージはこんな感じ。
本体と自動ゴミ収集機、それぞれ詳しく見ていきましょう。
ロボット掃除機本体
まずは本体。全体的な見た目は上品な白物家電という感じ。
表面がサラサラとマット加工されており、テカテカしていないのがその理由でしょう。
上面の操作ボタンは1つだけ。掃除開始・一時停止のみです。
母艦への帰還ボタンはありません。不要という判断なのでしょう。
実際、本体のボタンを押して帰還を見守るより、手でヒョイと持ち上げて持っていくほうが早いですし。
本体上部はパカッと開きます。
そこには、
本体の主電源、初期セットアップ時に使うWiFiボタン、アプリ連携に使うQRコード、ブラシメンテ用のツール、そして、
ダストボックスが入っています。
ダストボックスは、ハンドルを持ち上げることで取り外せます。
フタ全体がカパッと開くので、中のゴミを捨てたりフィルターを交換したりも簡単。
自動ゴミ収集機があるのでダストボックスにアクセスする頻度は少ないものの、実際に使うときに手間が少なく使いやすいよう配慮されています。
次は裏面を見ていきましょう。
先頭、ブラシは左右2つです。ゴミの収集効率アップ。
ブラシはV字型。毛とヘラを使ってゴミをこそぎ取ります。
ブラシは簡単に取り外し可能で、絡んだ毛や巻き込まれたものを取り除くときに便利です。
タイヤはしっかり凸凹がついており、段差を乗り越えようという気概が感じられます。
タイヤの横にあるこちらは、本体のダストボックスから自動ゴミ収集機にゴミを送る用の穴です。
普段はバネでしっかり閉じているので、勝手にゴミが落ちてくることはありません。
本体後方にはモッピングで使う給水タンクがついています。
初期セットアップのため、モッピングパッドを取り付けるプレートをガチャっととりつけてあげます。
水タンクは取り外し可能。というより、モッピングしないときは外しておく感じです。
給水口はわりと大きめ。モッピングパッドは取り外して個別に洗えます。
ここに使い捨てのモッピングパッドの取り付けも可能。
自動ゴミ収集機
次は自動ゴミ収集機を見ていきます。
まずは上から。上部はダストパックが入っており、パカッと開ければ簡単にダストパックへアクセスできます。
下部には、充電用の端子のほかに、本体内のダストボックスからゴミを吸い出すための吸い出し口とダクトが設置されています。
吸い出し口は2つありますが、本体のダストボックスの口と比べると一回り小さめ。
またダクトも細く見えるので、本体のゴミが全部吸いきれるかはちょっと不安です。
背面、コードが巻き取れるようになっています。
配線のキレイさが気になる人にとって嬉しい配慮でしょう。
大きさ:結構でかい
大きさの比較のため、標準的なサイズのロボット掃除機Dreame D9と並べてみました。(シールは子どもたちの仕業なので無視してください……)
本体の大きさは同じくらいなのですが、自動ゴミ収集機があるぶんだけ、DEEBOT N8+のほうがはるかにかさばります。
設置場所を選びそうですね。
機能・操作性:使いやすくて完璧
ECOVACS HOME
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初期設定や各種操作は、専用アプリ「ECOVACS HOME」から行います。
初期設定
各種同意からユーザ登録まで済ませて、
アプリの指示にしたがって、自宅WiFi情報を入力したり本体のQRコードを読み取ったりボタンを触ったりしていると、
ロボット掃除機本体のセットアップとアプリ連携が完了します。
ここまで5分かかりません。とてもスムーズ。
スマホアプリからの操作・設定
アプリトップにDEEBOT N8+が表示されます。
「設定画面へ移動」すると、実際の操作・設定画面に移ります。
「クリーニング設定」から、掃除ごとに床を掃く回数、吸引力どうするか、モッピングの水量などが調整できます。
設定メニューは充実していつつも、初見でも一発でわかるくらいスッキリしています。
日本語表記も自然である点は、さすが定番ブランドといったところ。
音声操作(アレクサ等との連携)
ECOVACS DEEBOT N8+は、アレクサやGoogleアシスタントと連携した音声操作に対応しています。
普段Amazon EchoやGoogle Nestを使っている人はぜひ設定しましょう。呼びかけるだけで掃除してくれるの、めちゃくちゃ便利です。
アレクサとの連携
アレクサとの連携は、専用スキルEcovacs Deebot経由で行います。
アレクサスキルをインストールしたあとは、画面の指示に従えば連携完了。
デフォルトでは「アレクサ、ディーボットを使って掃除して」で掃除開始ですが、アレクサアプリから呼び出しかたを自由にカスタマイズできるので、たとえば「アレクサ、掃除」と言えば動き出すように設定できます。
Googleアシスタントとの連携
Googleアシスタントとの連携は、Google Homeアプリ経由で行います。
Work with Google → ECOVACSを選択したあとは、画面の指示に従っていけばセットアップが完了します。
アレクサと同じように「オッケーグーグル、ディーボットを使って掃除して」と言えばOKです。こちらも個別に呼び出し方を設定可能。
本体ボタン操作
本体のボタンで普段使うのは、上にある電源ボタンだけ。
- 電源ボタンを押せば掃除開始
- 掃除中に押すと一時停止
と、めちゃくちゃシンプルです。迷う余地がありません。
ちなみに、本体内部のボタン類は、初期セットアップや長期間利用しないときだけしか使いません。
日常的に使わないボタン類を内側に持ってくるセンス、嫌いじゃないです。
掃除性能:掃除機としての基礎性能がきわめて高い
- ルートの効率性
- 掃き掃除
- 拭き掃除(モッピング)
のそれぞれを詳しく見ていきます。
ルートの効率性
走路がぐちゃぐちゃしてるのは、床が散らかっている状態で「2回掃く」で走らせたため
掃除の際の挙動はざっくり言うと、
- まず見える範囲をマッピングして掃除しきる
- 次のエリアに移動して、マッピング&掃除
- 全エリア見切ったら帰還
と、エリアごとに処理していくスタイルの模様。
そのうえで、各エリアの掃除は
- 外周を確認
- 内側を同じところを通らないように掃除
と進んでいくようです。
マップが斜めに生成されるのは少し気になりますが、おおむね、無駄がない動きに見えます。
Amazonのレビューにマップが多重生成されるというものがありますが、アプリからマップを再生成すれば一発で直るので、実害はないです
掃き掃除
強さ「標準」で運転してみたところ、髪の毛やホコリ等にくわえて、
- ダンボールの断片
- 飾りのついた髪ゴム
- 使い捨ての歯間ブラシ
- 鼻ぽん
など、それなりにかさばるものも捉えていました。
ただし、吸ったすべてが自動ゴミ収集に回されるわけではなく、
一部はロボット掃除機本体に残っていました。
具体的には
- 大きなリボン付きのヘアゴム
- 連結されたヘアゴムの塊(息子作)
あたりの大きなもの。自動ゴミ収集機への吸込口を通れなかったようです。
また、これらに邪魔されたであろうダンボール片も残っていました。
大きめのものが溜まっていないか、本体のダストボックスを定期的に確認するほうがよさそうです。
本体ダストボックスの入り口と自動ゴミ収集機への吸込口が同じ大きさだったら全部吸い込まれていったかもしれません
拭き掃除(モッピング)
拭き掃除は、出る水量は多いかな?と思いつつ、しっかりモッピングされます。
理由は2つ。
- モップ部分が床にくっつくギミックが仕込まれていること
- 水拭きモップが分厚いこと
水拭きの性能もきちんと考慮して設計されていることが伺えます。
また、モップ自体はクイックルワイパー的な使い捨てバージョンも準備されているので、メンテも楽です。
行き届いていますね
自動ゴミ収集:便利だがデメリットも
ECOVACS DEEBOT N8+の最大の特徴である「自動ゴミ収集」。
実際にかなり便利ではあるのですが、実際に使ってみるとデメリットもありました。
メリット
- 毎回ロボット掃除機からゴミを取り出さなくて済む
- 「清掃予約」と併用すると、掃き掃除が完全自動化できる
要するに、手間が減るんです。
月イチくらいで自動ゴミ収集機のゴミパックを交換すればOKなので、便利なことこの上ありません。
デメリット
- 間違えて吸い込んだものに気づけないし、救い出しにくい
- 本体に大きなゴミが残っていると、自動ゴミ収集機にゴミが送られにくくなる
掃き掃除の完全自動化するというとは、逆に言うと、人が介入する余地がなくなるということです。
具体的になにが起こるかと言うと、
- 吸い込んではいけないものを間違って吸い込んでいても、気づけない
- 気づけたとしてもダストパックの入り口が狭くて個別に取り出すのが面倒
- 最悪、ダストパックの開腹手術が必要
ということ。
掃除機を走らせる前に、間違えて吸い込まれてしまいかねない細かいものはしっかり拾い上げておく必要がありそうです。
くわえて、前述の通り本体の吸込口と自動ゴミ収集機への吸い出し口の大きさが違うので、本体のダストボックスに大きなゴミが残る可能性がある点もデメリットでしょう。
音:自動ゴミ収集時は結構大きい
↑途中から音量注意
掃除しているときはわりと静かですが、自動ゴミ収集機に戻ってゴミを吸い出すときの音が結構大きいです。
体感、ドラム型洗濯乾燥機に負けないくらいの音量なので、真夜中に動かすとびっくりするかもしれません。
障害物・段差対応:特定ケースで段差に弱い
掃除が始まってからは段差検知や障害物回避は完璧にこなすんですが、特定のケースで段差の検知と対応がうまく働かなくなります。
とはいえ実用上は問題ない範囲なので、あまり気にすることはありません。
障害物の検知と対応
どうやら障害物検知は本体上部のセンサーで行なっているらしく、
本体より背の低いおもちゃ類は検知されません。
一方で、
本体より背の高いものはしっかり検知して回り込んでいます。
なおカーテンのように、実は押せるけどセンサーに引っかかるものは避ける方向で制御されているようです。
段差の検知と回避
段差、2cm程度なら少しもたつきつつも乗り越えられます。
特に崖の検知は優秀で、崖の近くに靴が置いてあってもきちんと段差を検知して避けることができます。
これ、他の新興形のロボット掃除機だと、靴を床と勘違いしてそのまま落ちていっちゃうんですよね。(Dreame D9もneabot NoMo Q11もそうでした)
ここらへんの精度の高さは定番ブランドECOVACSならではです。
ただし、起動直後の位置検出時は段差対応が弱くなる点は要注意。
たとえば、
掃除のときには落ちなかった段差に突っ込んでいったり、
2cmの段差でタイヤが空転したり。
ただこれらは例外パターン。ちゃんと自動ゴミ収集機から発着すればこんなことは起きないので安心してください。
帰還性能:ちゃんと戻ってくる
わがやは3 LDK のマンションですが、廊下の向こうのリビングまで出張させた後に帰還させてみたところ、きちんと自動ゴミ収集機まで戻ってきました。
何度試しても、道中が障害物で塞がれていたり、掃除途中に動作停止でもしない限り、しっかりと帰還します。
つまり帰還性能は十分。掃除に入ったまま戻ってこないなんてことはなさそうです。
バッテリー:十分すぎる
最大稼働時間は110分。
3LDKで約70㎡のマンションの場合、1回の掃除にかかる時間は長くて30分でした。(同じ場所を1回だけ掃く設定)
同じ場所を2回掃く設定にしたとしても、かかる時間は60分。バッテリーが110分持つなら十分です。
また1回だけ掃く設定なら、単純計算すると12LDKの豪邸くらいまでなら掃除しきれます。十分ですね。
メンテナンスのしやすさ:文句なし
ロボット掃除機は高級品なので一度買ったらメンテナンスしつつ長く使うことになります。
そのためメンテナンスのしやすさは、ロボット掃除機選びにおいて大事なポイント。
ECOVACS DEEBOT N8+の場合どうなのか、見ていきましょう。
本体の分解と組み立て
説明書を見なくても大丈夫なほど、簡単に分解と組み立てが可能。
ブラシに絡まった髪の毛を解くのも簡単です。
たまったゴミの廃棄
自動ゴミ収集ボックス内のゴミは、ダストパックごとポイすればいいだけなので、メンテもなにもありません。ただただ楽です。
ロボット掃除機本体のダストボックス内は、基本放置でOKですが、おおぶりのゴミは残ってしまうので、定期的な確認が必要。
ただ、毎回ロボット掃除機本体のダストボックスを見るよりははるかに楽です。
水拭きモップや水タンクのメンテ
水拭きモップはモッピングが終わるたびに水洗いする方がいいでしょう。でないと臭くなります。
時々水洗いを忘れてしまいがちですが、専用アプリの設定で水洗いにマインドを通知を出せますのでそこは安心。
水タンクとモップがセットになっているので充電施設モップの水洗いや水タンクの水交換ができます。モップ自体の付け外しも簡単。
くわえて、モップは使い捨て版も準備されているので、モップの水洗いが面倒な人にも優しい。
総じて、水拭きモップや水タンクのメンテナンスは最低限の手間でできるようになっています。
行き届いていますね
排気フィルターの好感・洗浄
ロボット掃除機のダストボックス内は簡単にアクセスができますのでフィルターの交換も難しくありません。
本体の電池交換
おそらく自力ではできません。少なくともネジを外して分解しないと無理。でもそれをやると保証がなくなります。
なので、電池がヘタって稼働時間が極端に短くなったら、保証期間内ならサポートへGo、期間外なら素直に有償修理に出す、にしましょう。
交換品や消耗品の入手のしやすさ
諸々の交換品は普通に Amazon で売っています
入手のしやすさは心配ありません。
保証:1年
ECOVACS製品には1年間のメーカー保証がつきます。
定価74,800円、セール時でも5万円台と安い買い物ではないこと、一度買ったらしばらく使い続ける前提のアイテムであることを考えると、1年しっかり保証してくれる点は安心です。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 掃除機としての基礎性能が高い
- 玄関の靴をちゃんと「段差」と検知する
- アプリや音声アシスタント対応等、使い勝手に優れている
- 交換品や消耗品が入手しやすい
- ごみ捨てが毎日から月イチにできる
定番ブランドECOVACSだからこそ、基礎性能が高く、メンテンナンス性に過ぎれ、交換品や消耗品の入手しやすい。
いろんな方面で行き届いていると思います。
悪かったところ
- 特定のケースで段差が原因で止まるときがある
DEEBOT N8+本体を手持ちで移動させてスポットで掃除させようとした直後は、段差検知が弱くなります。
逆に、ここしか弱点がありません。くわえてこの弱点はファームウェアアップデートで対応可能。
ECOVACS DEEBOT N8+はこんな人におすすめ
まとめ:これは良いアイテムです
総合評価:
満足度高いです。
これまで使ってきた新興ブランドのものに比べると、重箱の隅をつつくくらいの気になりポイントしか出てきません。
自動ゴミ収集機の置き場所が確保できる、という条件をクリアできる人にはぜひチェックしてもらいたいです。
以上「ECOVACS DEEBOT N8+レビュー | 掃除機としての基礎力が高く使い勝手も良好。定番ブランドだからこその高性能ロボット掃除機」でした。