提供:FeiyuTech
FeiyuTech様より、クラウドファンディング中のジンバルFeiyu Pocket 2Sをご提供いただきました。
ジンバルとしての画質や機能・性能は他の方が詳細にレビューされているので、本記事では
「Webカメラとして役に立つのか?」
の観点で検証します。
更新:一般販売が開始されました
Feiyu Pocket 2Sが気になった理由
Webカメラとしても使えるセパレートなジンバル、ということで
- 本体は見えないところに置いておく
- カメラ部分だけちょこっと頭を出す
とすれば、デスクがスッキリするかなと。
ジンバルなので画質もいいでしょうし、搭載されている便利機能も一緒にガシガシ使っていきたいところ。
と思っていましたが、先に言うと、期待を裏切られました
Feiyu Pocket 2Sの概要
詳細はMakuakeページからどうぞ。
以下、個人的な切り抜きです。
注目ポイント
- 業界初のセパレートタイプ
- ジンバル作って14年、FeiyuTechの集大成
- 高性能かつあらゆるモードを搭載
- アプリ連動でスマホ操作も
仕様・スペック
Feiyu Pocket 2Sレビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:無駄がなくて良い
クルクル巻かれたケーブルが目を引きます。
磁石でくっついているので、外してみると、
こんな感じ。カメラ部分は自立します。
カメラ単体だとものすごく小さいです。
カメラ下の隙間は、付属の固定バンドを通すためのもの。
腕や自転車に固定するときに使います。
一方で本体。
正面にタッチ対応ディスプレイとカメラ操作用のジョイスティック、録画・撮影ボタンが並んでいます。
親指だけで操作できるようです。
左側には、充電やPC接続用のUSB-Cと、マイクロSDカードスロット。
右側に、画像出力用のミニHDMIポートと電源ボタンが並んでいます。
付属の本体ホルダーを使うと、本体もバンドで固定可能。
アクティブシーンでの撮影に配慮されています。
モニターの解像度は、日本語なら1行10文字くらい表示できるくらい。
設定変更のため文字を読む、という目的なら十分です。
重さ・大きさ:軽くて小さい
片手でヒョイッと扱えるサイズ感。
持ってみると「小さいなー」を感じます。
一方、重さはしっかり。
強度の強い金属素材なので、これはしょうがない。
が、昨今のスマホに比べると十分軽いです。
操作性:タッチ操作は神
操作性は
- 全操作はタッチスクリーンで完結
- スティックや撮影ボタンはそのショートカット
という考え方。
ボタン操作だけだど、いくら機能がたくさんあっても覚えるまで使いこなせません。
が、タッチスクリーンで全機能たどれるので、ぼくのような初心者でも安心です。
撮影もラクラク。
スマホで撮ってるのと似た感じで使えます。
使いやすいですねー
Webカメラとしての使い勝手
さて、本レビューの本編です。
PCに接続して電源をつけると、モード選択画面になります。
ここで「PCCAM」をタップするとWebカメラモードへ。
この機能使って、
- デスクへの設置
- Webカメラとして使い倒し
を行っていきます。
前提:設置の要件
使い勝手と見た目を両立させるため、以下5点を要件としました。
- モニター上にカメラを置けること
- Feiyu Pocket 2S本体が邪魔にならないこと
- 配線が隠れること
- Feiyu Pocket 2S本体を操作できること
- 設置と取り外しが簡単なこと(休日の持ち歩きのため)
- (できれば)追加の買い物が不要なこと
というわけで……
実際の設置の仕方
付属する三脚用の台座に両面テープを貼りまして、
カメラ部分をスチャッとはめたものを、
モニター上に、両面テープで固定します。
こうすることで、カメラ部分を取り外し可能としました。
次は本体ですが、
付属のホルダーとバンドを使います。
これらを、
モニターアームの根本に装着させます。
ついでにアーム後方のケーブル類も縛っちゃいましょう。
こいつに
本体をスチャッと装着します。
こうすることで、本体の着脱と操作が可能になります。
アームと一体化するので見た目的にもGood。
配線は横からUSBケーブルを伸ばします。
行き先は、ちょうどモニターアーム左にあるUSBハブ。
これで配線含めてキレイにおさまりました。
オンオフ操作
- Feiyu Pocket 2Sの電源オン
- 「PCCAM」を選択
- 使う
- 終わったら電源オフ
以上が一連の流れです。
「わざわざ電源入れるのめんどくない?」と思うかもしれません。
しかし個人的には「オンになりっぱなしのWebカメラって怖くない?」と思うんです。プライバシー的にも機器の寿命的にも。
なので、使うときだけオンできるこの構成が良いのです。
Webカメラとしての画質
Feiyu Pocket 2SをPCに接続すると、画質として
- 写真:8MP
- 動画:2160p(4K)
が選択できるようになります。
あれ、Webカメラだと1080pじゃなかったっけ
そこで実際にPCのカメラアプリで動画撮影してみると、
解像度が4Kになっていました。
念のためウェブカメラテストで見てみると
謎仕様ではあるものの、4Kがサポートされているようです。
実際の画質は……
近いとなんだかぼやけます。
顔認識やオートフォーカスは効いていない模様。
一方で
少し距離を取るとそこそこ。
参考に、↑はジンバルモードで撮った写真(1920×1080)です。
画質そのものは、Webカメラモードとジンバルモードで変わらないようです。
ちなみにブツ撮りは苦手みたいです。
以上まとめると、
- 画質はジンバルモードと変わらない
- でも解像度はなぜか4K
- 顔認識やオートフォーカスは効かない
です。
画質はさておき、ジンバルだと顔認識やオートフォーカスできるのに、なんでWebカメラモードだとできなの?
各種設定・調整
ということで、いろいろ調べてみたところ、Webカメラモードだとかなり制約が多いことがわかりました。
具体的には、
- 「広角」に固定されてしまう
- ズーム率が等倍固定
- 左右の向きが調整できない(上下のみ手動)
- その他便利機能が使えない
- そもそも本体でカメラが操作できない
あたりです。
詳しく述べます。
「広角」に固定される
Webカメラとして使う場合、背景の映り込みや自分の顔の大きさが気になるもの。
が、広角に固定されてしまうため、
- 部屋がババーンと映る
- 自分の顔が超小さい
となってしまいます。
背景にぼかしを入れると、自分の顔が小さくポツンと映る状態。
ちゃんとバストアップにするには、カメラから30cmくらいまで寄らないといけません。
せめてジンバル利用時の広角設定を受け継いでくれればよかったんですが。
ズーム率が等倍固定
「じゃあズームそれがいいじゃん」
と思いきや、ズーム率が等倍で固定されてしまいます。
ジンバルモードだと、電子だけど4倍まではいけたのに。
左右の向きが調整できない
ジンバルなのでカメラの向きは調整できるだろう、と思いきや
- 左右向き:真正面固定。手で動かしても自動で正面に戻ってしまう
- 上下向き:手動でのみ調整可能
と、かなり渋い状態。
せめて左右向きだけでも自由にさせてもらいたかったところです。
その他便利機能が使えない
たとえば、ジンバルモードなら使える
- フェイストラッキング
- ビューティーモード
などが、Webカメラモードでは一切無効になります。
せめてジンバルモード時の設定を引き継いでくれるならよかったんですが。
そもそも本体でカメラが操作できない
そもそもWebカメラモードにすると、カメラの向きも画角もなにもかも、本体で操作できなくなります。
ディスプレイに「PCCAM」という文字が出るだけ。
この仕様、「ただのWebカメラ」としては正しいかもしれません。
でも「セパレートタイプのジンバルが提供するWebカメラ」としては、期待外れです。
とてももったいない
ジンバルとしての機能や画質:文句なし
一方、ジンバルとしての機能や画質はしっかりしています。
ジンバルに詳しくない初心者なぼくでも、すぐにキレイな動画が撮れました。
週末の家族のおでかけに使ってみた率直な感想を言いますと、
- 高画質。等倍・広角ならすごくキレイ
- 手ブレ補正が優秀。走りながら撮ってもブレない
- 初心者でもすぐ操作できる。タッチディスプレイは便利
でした。
ただ、1つだけ残念な点を挙げるとすれば、ズームが光学でなくデジタルである点。
特に4K60pで4倍ズームで撮影すると、全画面モザイクがかかったような動画になります。
ズームには期待しないほうが良いです。
詳細な画質比較や技術的な部分は本記事の趣旨ではないので、他のレビュー記事に譲ります。
参考 「Feiyu Pocket 2S 詳細レビュー」の検索結果
保証:1年
1年保証。FeiyuTech公式サイト、または公式LINEで相談すればOKです。
日本国内で数多くのジンバルを扱っている実績もありますし、保証対応の手厚さは信じて良いでしょう。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- とにかく小さくて軽い
- セパレートなので取り回しが自由
- ジンバルとしての機能・性能・画質は優秀
ジンバルとしては文句ありません。
そうジンバルとしては。
悪かったところ(とその対策)
- Webカメラとしては、セパレートタイプのジンバルであるメリットを活かせていない
が、Webカメラとしては期待値を下回りました。
正直、ぼくみたいにFeiyu Pocket 2SをWebカメラとして使う人はマイナーです。
しかし商品説明に思いっきり「Webカメラとしても」と書いてあるので、期待している人はゼロではないはず。
そういう人たちに伝えたいのは、たしかにWebカメラとして動作するもの、「業界初セパレートタイプのジンバル」だからこそ、という点は感じられないよ、ということ。
Webカメラ機能はあくまでサブです
Feiyu Pocket 2Sはこんな人におすすめ
まとめ:Webカメラとしては「だからこそ」が足りない
総合評価:
「セパレートタイプのジンバルだからこそのWebカメラ」、という世界線にはあと一歩が、正直な感想です。
一方、ジンバルとしての画質・機能・性能は超しっかりしています。
その意味で、本来の使い方ではないWebカメラ部分の点数を差し引いて、★4としました。
ただこれは本記事の初出時点(2021年10月24日)の話。
今後のファームアップでWebカメラまわりの機能が改善されるかもしれません。個人的には超期待しています。
「セパレートタイプだからこそ」の使い方や撮影をしてみたい人は、ぜひチェックしてみてください。
以上「Feiyu Pocket 2Sレビュー | Webカメラとしてはどうなの?業界初セパレートタイプのジンバル」でした。