提供:FlexiSpot
FlexiSpot様のご厚意で、同社から2018年に発売されたハイブリッド型フィットネスバイク「FlexiSpot V9」をレビューさせていただけることとなりました。
FlexiSpot V9は、スタンディングデスクとフィットネスバイク(エアロバイク)が合体したもの。公式サイトでは「デスクバイク」と呼ばれています。
これがどんな課題を解決するかというと、テレワークの運動不足(身体のなまり)です。ペダルをこぎつつ仕事することで、身体を動かす時間を強制的に作り出します。
「いやいや、ペダルをこぎながら仕事なんてできないでしょ?」と思うかもしれません。
しかしそれが、意外とできるんです。ペダルをこぎながら仕事。
身体の感覚としては、貧乏ゆすりが少し大きくなったくらいで、
- マウスやキーボードは難なく使える
- 思考はむしろ捗ることもある(歩きながら考えるとアイデアがわきやすいのと同じ原理)
という感じ。これでかつ運動量が確保できるなら、メリットは十分あるな、と。
一方、値段は結構します。4万円前後。パッと出すには勇気がいる金額です。くわえて設置するには1.2m四方くらいのスペースが必要なのもネックになるかもしれません。
そのため、
- テレワークで不足しがちな運動量を補いたい
- とはいえ、運動のためだけに時間を取るのは難しい
という課題意識を強く思っている人のみ、購入を検討すべきだと思います。
FlexiSpot V9の概要
注目ポイント
- スタンディングデスク+フィットネスバイク
- 揺れにくい天板、安定した本体、移動しやすい作り
- CES Innovation Award 2018受賞
「運動しながら仕事」という一見ぶっ飛んだアイデアを、ほぼそのまま商品に仕立てたもの。
「仕事ができることを前提とした作り」になっている点は、スタンディングデスクなどのオフィス製品を主に手掛けるFlexiSpot社ならではです。
仕様・スペック
- サイズ:W590×D777~955×H883~120mm
- 耐荷重:130kg
- 重量:約34.5kg
- 付属品:コースター、単3電池(2本)
- ペダル負荷調整:8段階
- サドル高さ調整:無段階
- 天板位置・高さ調整:無段階
- カラー:ホワイト
FlexiSpot V9レビュー
では実物のレビューです。
外観・デザイン:シンプルで馴染む
色は、白・グレー・黒のモノトーン。
シンプルで、場所を選びません。
天板のグレー部分は、リストレスト(クッション)です
ペダルは前方に反射板。本物の自転車と同じパーツが使われているようです。
回転軸の中心近くにFlexiSpotのロゴが貼られています。
ペダルからさらに前方に、少し大きめのFlexiSpot ロゴ。
サドルは幅広&柔らかいタイプ。
普通のシティサイクルと似たものです。
大きさ:0.7畳は必要
天板なしの状態だとかなりスリム。
一方で……
天板がつくと、一気に横幅が広がります。
フィットネスジムにある本格的なエアロバイクと比べると一回り小さい作りであるものの、家に置くとなるとかなり大きく、かさばります。
実際に使ってみた感覚では、まともに使うなら90cm×120cm(≒0.7畳)ほどのスペースは必須です。
購入前に必ず、自宅にそのぶんのスペースが取れるのか、確認しましょう。
特に天板は位置が高いのでかなり存在感が出てしまいます
機能:一通りできる
フィットネスバイクとして、そしてデスクとしての機能を一通り備えています。
運動実績のスマホ連携など、気の利いた機能はありませんが、「ながら運動」するぶんには問題ありません。
サドル高さ調整機能
サドル下のレバーを引くとサドルの高さが調整できます。
特筆すべき点はありません。どのフィットネスバイクにもある機能です。
天板の高さ・前後調整機能
天板裏、左右のレバーを操作することで、天板の高さと位置を調整できます。
天板の高さの調整幅は上の写真のとおり。
ここまで幅があれば、どんな身長の人でもカバーできそうです。
各種測定機能
走行距離 消費カロリー
走行距離、消費カロリー、運動時間など、一通り測定可能。
黒ボタンを長押しするとデータがゼロリセットされます。
なお、スマホにデータを連携する機能はありません。
日々の記録を取りたい場合は、
- スマートウォッチの心拍数計測機能で代替する
- 使いおわったときの数字をメモっておく
など、別の手段が必要です。
ペダルの重さ調整機能
8段階でペダルの重さが調整できます。
重さは、全体的に軽め。フィットネスジムに置いてあるものから数段階弱いです。
理由はおそらく、FlexiSpot V9はあくまで「仕事しながら運動するためのもの」だから。
本格的に運動するなら、たとえば
- 筋トレなら「筋肉の動きを感じろ」
- 有酸素運動なら「心拍数を分間1 20程度にキープ」
など、意識すべきことはあるでしょう。
しかし、そういうことを意識し始めると、パソコン側に集中できなくなります。それでは本末転倒です。
仕事が主、運動が従。その関係で考えると、FlexiSpot V9のペダルの重さ調整は、正解なのです。
音:静か
誰もいない静かなそこそこの早さで漕いでみた様子を動画に撮ってみました。
ご覧の通り音は小さく静かで、「ウィーンウィーン」のような気になるような音は鳴りません。
仕事でWeb会議しながら漕いでいても、相手には聞こえないようでした。
天板:がっしりしている
天板サイズは、およそ幅60cm×奥行き50cm(リストレスト込み)×厚み1.8cm。
こちらの定番ワークデスクと同じ厚みで、かなり頑強に作られています。
ノートPCで作業するぶんには十分な広さと強度です。
安定性:しっかりしている
ガタつきはありません。本体が重く重心が低いためでしょう。
ゆったりペダルを回すぶんには、本体も天板も揺れは目立ちません。
もちろん、ヒルクライムのように本気でペダルをぐるぐる回せばそれなりに揺れます。
が、パソコン使いながらそこまでやるケースはほぼないと思うので、問題にはならないでしょう。
床ダメージ:気にならず
わがやの場合、フローリングへのダメージは見られませんでした。
わりと長時間FlexiSpot V9を使ったあとにもかかわらず、です。
ただダメージの有無や程度は、フローリングの素材によると思います。
心配ならマットを併用すると良いでしょう。
サイズと用途を考えると、オフィスチェア用のマットがちょうどいいと思います。(レビューも書いているので、参考にどうぞ)
移動と収納:楽だが、もう一歩
日々使うとなると、気になるのが移動と収納の便利さ。
FlexiSpot V9は、移動は便利なものの、収納についてはもう一歩工夫が欲しかった、という感じでした。
移動
脚にキャスターがついているため、本体は重いものの、移動は楽です。
本体の収納
脚の根本にあるボタンを押し込むことで、脚を本体内側に格納できるようになっています。
ただしこの機能、あくまで長期保管向けです。なぜなら、普段の出し入れに使うにしては操作が大変だから。
具体的には、脚の根本のボタンが押しにくいんです。六角レンチを使わないといけなかったり、少し本体を持ち上げながら押すor本体を倒してから押さないと脚が動かなかったり。
そのため、「普段は細めのスペースに置いておき、使うときに出す」という使い方は難しそうです。
せっかく脚が折り畳めるのに、少しもったいない
天板の収納
一方、デスク天板は六角レンチ一本で取り外せます。
天板が一番スペースを取る部分なので、普段の収納のときは天板だけ外すようにするといいかもしれません。
天板をつけたまま縦に折りたためるとベストでした
保証:1年間
FlexiSpot V9には、購入後1年間の保証がつきます。
高くない買い物なので、保証がしっかりついてくるのは安心です。
実際に使ってみた感想
2週間ほど、ペダルをこぎながら仕事してみました。
当初は
- こぎながら仕事なんて、集中できるの?
- キーボードとかマウス操作の精度落ちない?
- というか、画面揺れない?
と思っていました。
しかし、全て杞憂でした。
意外とこぎながらでも仕事できる
これは自分でも驚いたんですが、ペダルこぎながら仕事、結構普通にできてしまいます。
キーボード操作もマウス操作も、問題ありません。
おそらく理由は3つあり。
- ペダルの重さが、思考や手先をさまたげない水準になっている
- そもそも、歩きながら考えるほうが考えがまとまりやすい
- 本体が安定しており、思考を邪魔するほどのグラつきがない
感覚的には、ペダルをこぐ脚の動作=ちょっと動きの大きい貧乏ゆすり、です。
椅子に座って脚をぶらぶらさせながら仕事ができる人なら、FlexiSpot V9で違和感なく仕事ができると思います。
画面は若干揺れるが、問題にならない
天板にノートPCを置いて使うと、若干ではありませすが、揺れを感じます。
天板部分は床から一番遠い部分。一番揺れやすいためです。
ただしそもそも、ペダルをこいでいるこちらの身体も一緒に揺れているんです。天板よりもむしろ、身体の揺れのほうが大きくらい。
なので、天板そのものの揺れは、問題になりません。
裸足で使うとペダルが痛い
1つ問題が、裸足や靴下でペダルを踏むと足の裏が痛くなってしまうこと。
理由は、ペダルが普通の自転車と同じ作りになっいるから。
滑り止め用の突起がフチ部分についていて、これが足の裏に刺さるんです。
もちろん、突起のない部分をつま先で踏めば痛くありません。1週間も使えばその踏み方に慣れてきます。
とはいえ、どうしても気になるなら
- 分厚めの靴下を履く(ユニクロの分厚いのでもかなりダメージ減ります)
- スリッパを履く(ホテルのアメニティとかを使うと良いと思います)
- 上履き的なスニーカーを履く(ドンキとかなら500円くらいで売ってます)
など、対策すると良いでしょう。
サドルなどの部品販売があるといいかも
仕事で使うとなると、心配なのが部品の摩耗や故障時の対応。
1年間の製品保証はあるものの、2根年目以降を考えると、交換用部品の単品売りをしてほしいなと。
特に、消耗品であるサドル。中の素材が柔らかめなので、長く使うとヘタってきそうな気がしています。
2020年12月現在、部品販売はしていないようなので、今後に期待したいと思います。
どうしても、というならFlexiSpotへ直接相談することになると思います
スタンディングデスク導入済ならV9Uもおすすめ
もしすでにスタンディングを使っているなら、FlexiSpot V9Uも候補に入れると良いでしょう。
V9UはV9の天板がないバージョン。そのぶんかさばりにくいので、より部屋をスッキリさせられます。あと値段も安め。
実はぼくも、テレワーク開始時に電動スタンディングFlexiSpot E2Jを導入済みなので、
- 自宅書斎では天板を外して
- リビングでは天板をつけて
と、切り替えるようにしています。
スタンディングデスク専用にするなら、V9Uのほうがコスパ高いです
FlexiSpot V9こんな人におすすめ
まとめ:ハマる人にはハマる
総合評価:
これからも使っていきたいな、と思える一品でした。
★-1とした理由は、脚の収納のしづらさから。せっかく本体がスリムなので、ちょっとしたすき間にスッと入れられるよう、ワンタッチで脚が畳めたら完璧でした。
とはいえ、この手間も身体のメンテナンスができるメリットに比べると小さいもの。
ぼくの場合、完全テレワークになった結果としてあまり身体を動かさなくなってしまい、結果として首こりや肩こり発展するケースがちょこちょこありました。(スタンディングデスクでかなり改善していたものの、ゼロにはならなかった)
やはり、身体は動かさないとなまるものなので、これからは、FlexiSpot V9で「仕事をしながら」ではあるものの身体を動かす時間を増やすことで、身体をきちんとメンテナンスしていきたいと思います。
テレワークでも身体は資本、ですね
以上「FlexiSpot V9レビュー | 仕事と運動の両立。テレワークの運動不足・身体のなまりを解消するデスクバイク」でした。