HHKB(英語配列)の文字列コピペは、鬼門です。
なぜなら、運指パターンにトレードオフがあり、最適な運指が見つかりにくいから。
そこで本記事では、
- 試したパターン
- メリット・デメリット
を整理します。
「こんなパターンもあるんだな」という参考になれば幸いです。
おさらい:なぜHHKB(英語配列)で文字列コピペが面倒なのか
HHKBの英語配列版には上下左右キーがなく、Fnキーを使う必要があります。
- 上:Fn-[
- 下:Fn-/
- 右:Fn-‘
- 左:Fn-;
くわえて、「行頭からor行末まで選択」などを考えると
- Home:Fn-k
- End:Fn-,
も登場します。
これら、単体で使うなら問題になりません。1週間もすれば慣れます。
しかし文字列コピペの絡む文字編集となると、一気に面倒くさくなります。
- Fn-‘ か Fn-;でカーソル移動
- Shiftを押しながらFn-‘かFn-;で選択
- Ctrl-c(コピー)やCtrl-x(カット)
- Fn-‘ か Fn-;でカーソル移動
- Ctrl-v(ペースト)
「あれ、Excelのキーシークエンスと比べてはるかに簡単じゃない?」と思われるかもしれません。
たしかにキーシークエンスは単純です。しかし文字列コピペで問題になるのが、運指パターンにトレードオフがあることなんです。
HHKB(英語配列)の文字列コピペ運指ルール
HHKB(英語配列)の場合、文字列コピペのキーシークエンスで登場するShiftとFnにつき、
- 左右のShift、どちらを使うか
- 左右のFn、どちらを使うか(DIPスイッチで左にFnキーを入れている場合)
の2×2=4パターンの運指が存在します。
それぞれのメリット・デメリットを整理します。
「左Fn+左Shift」型
- メリット:カーソル移動と選択のモード切替がスムーズ
- デメリット:左小指or親指に負荷が集中する
本パターンの運指は、「左親指Fn+左小指Shift」、もしくは「左小指付け根Fn+左小指の指先Shift」です。
前者の場合、文字列選択とカーソル移動の切替がスムーズです。ただし、左親指をグッと小指側に握り込む形になるので、かなり手が疲れます。
後者の場合はもっと厄介で、Shiftを押すため小指を極端に丸める必要があり、かつShiftオンオフの切替に「左小指を浮かす」という動きが必要で、難易度も疲労度も高くなります。
つまり、左手の疲れと引き換えに操作スピードをブーストするのが、本パターンの特徴です。
DIPスイッチで◇をFnにしている人は、このパターン一択だと思います
「左Fn+右Shift」型
- メリット:左手が楽
- デメリット:右手のキーと指のアサインを崩れる、もしくはホームポジションから離れる
左手はFnを押すだけなので、楽ちんです。
しかしですが、右手は
- Shiftなし:小指と薬指で「;'[/」
- Shiftあり:小指でShift、薬指と中指で「;'[/」
という運指になります。
これでは「各指に担当キーを決める」というタッチタイピングの原則が崩れ、操作が遅くなるリスクがあります。
かといって、Shiftなしのときも右手薬薬指と中指で「;'[/」を押すと、カーソル移動のたびに右手がホームポジションから離れることになります。
つまり、左手が楽になるかわりにスピードが失われるのが、本パターンの特徴です。
個人的には一番採用したくないパターンです
「右Fn+左Shift」型
- メリット:指が疲れにくく、役割分担がシンプルで、スピードも出る
- デメリット:HHKBのよさが薄れる
右手はカーソル移動、左手は文字列選択の有無を切り替える、という考え方の運指です。
とてもシンプルで覚えやすく、かつ指が疲れにくいため、一見これが最適解に見えます。
しかしこのパターン、右手がホームポジションから離れることが前提です。このオーバーヘッドは無視できません。
というより、「なるべく手をホームポジションから移動させないことでスピードアップ」というHHKBの特徴殺しています。
つまり、HHKBのよさを犠牲に実利を取るのが、本パターンの特徴です。
だったらHHKBじゃないのでええやん、となりそう
「右Fn+右Shift」型
- メリット:文字列編集に関するカーソル操作が右手完結する
- デメリット:運指が複雑すぎる、右手がホームポジションから離れる
右小指でFn、薬指or親指でShift、人差し指と中指で「;'[/」を担当します。
たぶん、誰も選ばないパターンなので、詳細は割愛します。
実際にキーに指を置いてみると「無理」ってなると思います
結局、どのパターンがいいのか?
以下のどちらかがおすすめです。
- 「左Fn+左Shift」型
- 「右Fn+左Shift」型
判断ポイントは、自分にとってどれが楽で早いのか?の一点。
人によって、指の可動域や、ホームポジションから右手が離れることに対する抵抗感は違うはず。
なので、それぞれのパターンを同じ時間ずつ使ってみて、どれが一番心地よかったかを決めればいいかなと思います。
まとめ:どうしても制約は出る
HHKB(英語配列)だと、Fnキーとの同時押しキーが必要になることで、どの方法・組み合わせを使っても、
- 指への負担が増える
- 担当キーがコロコロ変わる
- 右手がホームポジションからズレる
と、なにかしらのデメリットを伴います。どれかを受け入れなければならず、難しい問題です。
ぼくは現時点では、スピード重視で「左Fn+左Shift」型を試しています。左小指が悲鳴をあげたら、ほかの型を試そうかと。
結論が出たら、ここに追記しようかと思います。
以上「HHKB(英語配列)で文字列コピペを高速化する運指ルール」でした。