Kailhの静音タクタイル軸、Kailh Deep Sea Silent Whaleを買ってみました。
同シリーズの軸がHHKB Studio向けの軸の元ネタになっていると聞いて購入したのですが、結論
- 高品質で満足のいく打鍵感
- でもどうしても気になるところがある
となりました。
詳しく紹介します。
Kailh Deep Sea Silent Whale 購入理由
同シリーズのリニア軸Kailh Deep Sea Silent Isletが、HHKB Studioの元ネタになっていて打鍵感も似ている、と聞いたためです。
ぼくはもともとHHKBユーザ。HHKB Professional 2から入り、HHKB HYBRID Type-Sへ乗り換え、合計2年ほどHHKBを使っていました。
その後自作キーボードの道に入ったものの、いまだにHHKBの打鍵感の心地よさを指先が覚えています。
そんななか、
- 後続作であるHHKB Studioがメカニカルキーボードである
- その打鍵感が「HHKBの良さが失われていない」と評されている
- Kailh Deep Sea Silent IsletとHHKB StudioのForce-Travel Diagramがよく似ている
という情報が出てきました。
なのでKailh Deep Sea Silentシリーズに強く興味を惹かれたのです。
そこで、AliExpressのセールを見計らってKailh Deep Sea Silent Isletを買おうとしたのですが・・・
- StudioではないHHKBはタクタイルに近い触感だった
- そもそもリニアよりタクタイルが好きだった
と気づき、急遽タクタイル版のKailh Deep Sea Silent Whaleを買うことにしたのでした。
最後の最後でHHKBから離れちゃいまいた
Kailh Deep Sea Silent Whaleの概要
- Operating Force: 45±10 gf
- Tactile Force: 60±10 gf
- Actuation Travel: 2.0±0.4 (PT)
- Total Travel: 3.60±0.4 mm
- Mechanical Life: 100 million cycles
Kailh Deep Sea Silent Whaleレビュー
それではレビューしていきます。
デザイン:深海のイメージ。静音機構は上下分離式
上半分は透明、下半分は不透明の濃青色。Deep Seaということで、深海と表層のようなトーンなのかもしれません。(とすると茶色は陸?)
分解してみたところ、静音機構はトップ/ボトムハウジングにクッション用のシリコンを仕込む方式でした。
シリコンの厚みで静音性と打鍵感のバランスが調整できるのが特徴で、Raw Coconut LatteやMidnight Silentでも採用されています。
なお商品ページにはファクトリールブ済と書いてありましたが、ステムを見てもパッと見わかりませんでした。気づかないくらい薄く塗られているのかもしれません。
打鍵音:静音だが金属音が気になる
底打ちや戻りの音は静かです。しっかり静音化されています。
ただ、キーを押し下げたとき若干「チャッチャッ」という金属音が聞こえます。
いわゆる擦れ音よりも目立っていまして、集中しているときでも「ん?」と気になってしまいます。
どうやら金属と金属が触れる音かなと思いますが、スプリングの鳴る音なのか、リーフの金具がぶつかる音なのかは定かではありません。
追いルブすれば改善するかもしれません
打鍵感:良いが、なぜか疲れやすい
強めのタクタイル感に、やわらかめながらも接地感のある底打ち。トントンという感触で打っていて気持ちいいです。
タクタイル感は強に近い中程度。いわゆるT1レベルより少し落ちますが、打鍵ごとにドカドカ打ち込む感覚は得られます。
底打ちは、静音ではない軸に比べると柔らかいものの、なにかを叩いているような感覚はしっかり感じられます。
HHKBの打鍵感は「トコトコ」「ポトポト」と表現されることが多いですが、Kailh Deep Sea Silent Whaleはそれの感覚をもう少し強めたイメージです。HHKBの打鍵感が軽すぎると感じる人にはちょうどいいかと思います。
軸ブレは微小です。ステムが丸いからか、縦方向・横方向どちらも安定しています。
滑らかさでいうと、指先の感触だけでいうと悪くないのですが、押下時の「チャッチャッ」音の影響で少し引っかかっているような気分になります。
聴覚と触覚はリンクしているので、打鍵音で引っかかると打鍵感もつられちゃうんですよね
仕事で1週間使ってみたところ、個人的には少し打鍵が重たすぎると感じました。
リモートワークでほぼ常にチャットやメールで文字を書いているのですが、夕方前には指が疲れてきてしまうのです。
同じく静音でタクタイル感の強いWS Silent Tactileだとそうなりませんでした。ぼくの指との相性なのかもしれません。
耐久性:1億回の打鍵に耐える
耐久性を示す「〇〇万回の打鍵に耐える」という数字、信頼性は低いです。
メーカーによってはまともに耐久性をテストしていないからです。最たる例はこちら。
でもKailhはさすがに信じて良い(信じたい)と思います。ぼくはこれまでいくつもKailhの軸を使っていまして、そのいずれもがいまだ壊れず現役だからです。
Kailhを信じるとすると、1億回という数字はこれまで見た中で最高値で、単純計算で15年は使えます。
もしKailh Silent WhaleがEnd Gameだったら、そのまま永くお付き合いできる、ということですね。
実際に使ってわかったメリット・デメリット
以上のレビューから、Kailh Silent Whaleのメリット・デメリットをまとめます。
メリット(良かった点)
- トントンとした打鍵感
- 軸ブレが少ない
- 押しも戻りもちゃんと静音
デメリット(悪かった点)
- 「チャッチャッ」という金属音
- 全体的に重く、長時間使うと指が疲れる
Kailh Deep Sea Silent Whaleこんな人におすすめ
まとめ:重めなのはWhaleだから?
総合評価:
しっかり高品質な静音タクタイル軸です。全体的に重めのタクタイルが好きな人にはフィットするでしょう。
が、HHKBとは全然違う打鍵感で当初の期待とは少し違った点と、個人的に重すぎて疲れやすいと感じたので、Not for meでした。もしかしてWhale(クジラ)だから重くしているのかも?
なので、主観評価で★4です。
以上「Kailh Deep Sea Silent Whaleレビュー | 高品質だけど惜しいところも」でした。