提供:GenHigh
GenHigh様より、2020年11月発売の
をご提供いただきました。「空気伝導ワイヤレスイヤホン」と名前がついていますが、要するに
- 頭に装着する
- 耳の近くにスピーカーがくる
- そこから音が鳴る
という仕組みのウェアラブルスピーカーです。
構造的に骨伝導イヤホンと似ているので、「どう違うの?」が気になるところ。
そのため本記事では、
- Mu6 Ring本体を紹介しつつ
- 骨伝導イヤホンとの違いを比較する
という観点でレビューしていこうと思います。
Mu6 Ringが気になった理由
空気伝導イヤホンと骨伝導イヤホンでどう違うのかが気になったからです。
以前、骨伝導イヤホンShokz OpenMoveのレビューで、
これは、通話や「ながら聴き」がメインな人が骨伝導イヤホンを選んでいるということです。
その人たちが求めているのは骨伝導イヤホンではなく、外の音も聞こえつつ通話やBGMができるウェアラブルスピーカーなんです。骨伝導というテクノロジーにこだわる必要も、音質にこだわる必要もありません。
と書きました。
じゃあ空気伝導イヤホン(ウェアラブルスピーカー)はどうなの?
ということで試してみたくなったというわけです。
Mu6 Ringの概要
注目ポイント
- 新しい装着感
- 開放感のあるオープンイヤー型
- クリアなサウンドを伝達する空気伝導式
- さまざまなシーンで活躍
- スポーツ感満載のファッションアイテム
とのこと。
仕様・スペック
- Bluetoothバージョン:Bluetooth 5.0
- Bluetooth通信距離:10m
- バッテリー容量:190mAH
- フル充電時間:1時間30分
- 最大連続通話/再生時間:9時間
- 充電ケーブル:Micro-USB
- サイズ:15712120mm
- 重量:35g
- 色:ダークブルー
- 待機時間:200時間
Mu6 Ringレビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:上品
本体は、内側が黒、外側が藍色のツートンカラー。
クイッと曲げて装着します。
内側には頭を保護するパッド。
パッドの下の隙間はメガネを通す用です。
先端の上下にスピーカーがついています。
下のスピーカーは、ちょうど耳の近くにくる形。
ここから「空気伝導」で音が耳に届きます。
この内側の小さい穴がマイクです。
こんな出で立ちですが、結構ちゃんと声を拾います。
ボタンや充電端子は右側に集まっています。
後部には反射シールを貼るスペースが。
夜に外で使うときの安全を考えてのことでしょう。
以上、デザインは全体的に上品にまとまっており、好感が持てます。
重さ・大きさ:薄くて軽い
33.8g。軽いです。
手で持った時はもちろん、頭につけた時も軽く感じます。
指先で持つと、その薄さもあいまって、「おもちゃみたい」と感じます。
Bluetooth接続:良い。マルチポイント接続も嬉しい
Bluetooth 接続はペアリングのスピード接続の安定性とも問題ありません。
またマルチポイント接続に対応しており2台のデバイスに同時接続できる点はとても便利です。
たとえば、パソコンとスマホ両方に接続しておいて
- いつもはパソコン前で Web 会議に出席
- トイレやコーヒーを淹れる時はスマホから出席
無用なテレワークならではの切り替えも手間なくスムーズに行えます。
装着感:付け方に依存する
装着感はざっくり言うと
- 頭の大きさと眼鏡の有無で装着方法やホールド力が違う
- とはいえ締め付けはゆるいので長時間の着用も楽ちん
です。
装着方法とホールド力の違い
本来はであれば、
↑の写真のように、スピーカー部分を曲げきってから装着するのが正しいです。
しかし……
頭のサイズに合わない場合や眼鏡のふちが邪魔になる場合、上の写真のように曲げ方を調整して装着せざるをえません。
こうすると、耳に引っ掛ける形にならないのでホールド力がかなり落ちます。
バスケットボールなど機敏に動くスポーツはもちろん、ジョギングでも怪しい。
頭に回す部分の長さ調整ができたら良かったんですが、そこは今後の改善に期待したいところです。
これ以下のレビューは、この装着方法に基づくものになります。ご理解ください
長時間の着用
ホールド力の弱さは、リム部分の締め付けが弱いことも1つの原因です。
一方、締め付けが弱い=長時間の着用でも頭が痛くなりにくい、ということでもあります。
実際、1日ずっと仕事のWeb会議で使っていても、頭が痛くなりませんでした。
仕事時に使うデバイスとしては優秀なのではないでしょうか。
パッケージはスポーツ推しなんですけど、実際はテレワークで活躍しそうです
音質:音声通話なら使える
音質は、一言でいうと「音楽はダメ、音声はヨシ」です。
そのため、
- 音楽を聞くなら、あくまでBGM程度で
- 音声通話で使うなら、ガチ利用で
という用途で使うと良いでしょう。
以下詳細です。
音楽
構造上、スピーカーと耳の間に空間ができます。
すると低音が減衰し、耳に届くのは中〜高音がメイン。
結果、音は終始シャカシャカしています。
イメージ的には、1000円のBluetoothスピーカー級のチープな音に近い。
とても楽に聴き浸れる水準ではありません。
音声
一方、音声はまったく問題なく聞こえます。
相手の音声、後ろの環境音、その他もろもろ、ちゃんと聞こえます。
音漏れ:漏れ漏れ
結構漏れます。
耳の近くでスピーカーを鳴らしているだけなので、ある意味当然。
部屋の中でひとりで使うならまだしも、人が多い場所で堂々と使える感じではありません。
外で使うなら骨伝導を選ぶべきです。
マイク:普通
iPhoneに付属するイヤホンを口に近づけて話しているのと同じ感じです。ENCなしの全方向性マイク。
具体的には以下。
- 音はしっかりと拾う(声も周りの音も)
- 自分の声は少し遠くから聞こえる
- ただし「さしすせそ」等の破裂音が目立つ
という感じ。
バッテリー:1日使える
公称スペックでは「連続再生最大9時間」。
ですが、マルチポイント接続でPCとスマホに両接続して使うと、合計7時間くらいで電池が切れました。
ただ、バッテリーの持ちは状況で左右されやすいもの。
たとえば
- Bluetooth接続先の数(マルチポイントかどうか)
- Bluetooth接続先との距離
- スピーカー音量
などで、長くも短くもなります。常時9時間持つわけではありません。
その点で言うと、マルチポイントで7時間持つなら十分。
休憩時間に充電すれば、ずっとWeb会議の日でも1日電池をもたせられます。
欲を言うなら、急速充電対応やUSB-Cだと完璧でした
防水:等級はないが防汗であはる
防水、ありません。IPXX的な等級、ついていません。
つまり、雨に濡れるとアウトな可能性がある、ということです。
もちろん、等級がついていない=実際にテストされていないだけ=それなりに耐える?可能性はあります。
メーカーの方いわく、防汗仕様で作られているそうなので、水滴にさらされたら一発アウトというわけではないようです
保証:1年
Mu6 Ringには1年間の保証がつきます。
Amazonの注文履歴からコンタクトすれば対応してくれるそう。
初期不良にあたったときでも安心です。
空気伝導イヤホンと骨伝導イヤホンの比較
空気伝導イヤホンと骨伝導イヤホンを比べるため、骨伝導イヤホンShokz OpenCommに登場してもらいました。
が、これらそもそも値段が倍以上違うので、そこを差し引いて比較できる「空気伝導と骨伝導の方式の違い」だけにフォーカスすると、違いは3つ。
- 音漏れの小ささ:骨伝導>>空気伝導
- 音質の良さ:骨伝導≧空気伝導
- 値段の安さ:空気伝導>>骨伝導
それぞれ詳しく話します。
音漏れの小ささ:骨伝導>>空気伝導
やはり骨伝導イヤホンの方が音漏れは小さいです。
骨伝導はそもそも頭蓋骨を通じて音を伝える仕組み。空気をほとんど媒介しません。
頭蓋骨に振動を伝える時に多少空気が揺れますがほんの少しだけ。
音量を極端に大きくしない限りほとんど外に音=空気振動が伝わらないんです。
一方で空気伝導はその名の通り空気を媒介して耳に音を届けます。
スピーカーから音が出て行った瞬間あらゆる方向に音が伝わっていくので当然「自分が聞こえる音は周りも聞こえる」になります。
人が多い場所など、音漏れが気になるシチュエーションで使うことを考える場合、絶対に骨伝導をお勧めします。
音質の良さ:骨伝導≧空気伝導
音質は、骨伝導も空気伝導も、そんなに大きく変わりません。ドングリの背比べです。
そもそも骨伝導であれ空気伝導であれ、音を発生させる部分(振動板)から音が聞こえる部分(鼓膜)までの間の距離が同じぐらい開きます。
結果、特に低音域の減衰が激しくなり、どうしてもシャカシャカ音になるのです。
つまり、耳に押し込むタイプの普通のイヤホンと比べると音質が落ちる運命にありますし、それは空気伝導も骨伝導も同じだよ、ということ。
値段の安さ:空気伝導>>骨伝導
値段は空気伝導の圧勝です。
空気伝導は、そもそもただのスピーカーなので技術的に全然難しくなく、そのぶん値段も安くできます。
「耳の近くで音が鳴っている。外の音も一緒に聞こえる。」だけでいいなら空気伝導一択です。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- 1日使っても頭が痛くならない軽い装着感
- マルチポイントペアリング対応で自由度が高い
ずっとつけっぱなしで主な用途が通話、という前提で使うにはうってつけ。
家で一人でテレワークしている環境下でのWeb会議にぴったりです。
悪かったところ
- 音楽を聴くには音質がきつい
- 音漏れが激しい
- 防水がないので水ポチャがこわい
- 頭のサイズによってはすぐ落ちてしまう
- MicroUSB充電は残念
一方で「つけっぱなしで通話がメイン」から外れると一気に脆弱になります。
音質、音漏れ、防水なし。外で音楽を聴いたり、ワークアウトなどスポーツ用途では厳しいでしょう。
地味ですが充電も本当はUSB-Cにしてほしかった。
Mu6 Ringはこんな人におすすめ
まとめ:音漏れさえなければ
総合評価:
音漏れさえなければ良かったのになあ、が正直な感想です。
通話に特化して長時間使うならこれ以上使いやすいデバイスはないんじゃないの、と思うくらいの良い出来です。
しかし音漏れがゆえに会話がだだ漏れなのと、外で使うことができないという制約がとても厳しい。
ここら辺の柔軟性を重視するなら、倍の値段を出して骨伝導イヤホンを買うことになるのでしょう。
逆にこういった点を妥協できるならMu6 Ringは最適解になりえます。
そのため、Mu6 Ringってどうなの?を考えるときは
- あなたが普段どういった環境でどのくらいの頻度で通話をしているのか
- その状況、音漏れがあっても大丈夫なのか
を基準に考えると、おのずと答えが見えてくるでしょう。
もし少しでもカスる要素がある場合、ぜひ商品詳細をチェックしてみてください。
以上「Mu6 Ringレビュー | 空気伝導ワイヤレスイヤホンは骨伝導とどう違う?比較してみた」でした。