Google Pixel 4aを予約開始日に購入、発売日翌日の2020年8月21日に入手し、 2日間べったり使ってみました。
これまでの感想を3行でまとめると
- カメラすごい。特に信頼性の高さ
- 動作は快適。同スペックのスマホより早い
- 電池は少し心配。電池残量を気にする必要あり
という感じ。
それぞれ、詳しく書いていきます。
※1ヶ月後のレビューはこちら▼
前提:使った2日の過ごし方
スマホの使い勝手の評価は、どういう使い方をしたかに大きく依存します。
なので前提として、2日を通してどういうふうに使ったか、書いておきます。
- 初期セットアップをした翌日→初回データ同期が走っている
- 楽天UN-LIMIT VIの物理SIMを挿し、8時間ほど外出→通信の多くがモバイルネットワーク(4G)
- 写真を100枚ほど、動画を5本ほど撮影し、リアルタイムでバックアップ→カメラやGoogle Photoをヘビーに利用
- カメラ以外では、ちょくちょくTwitterを見たり更新したり
- 通話やゲームはヘビーにはせず
要するに、家族でお出かけしつつ過ごす土日、です。
カメラとSNSをメインで使う人の休日の感想だ、と思っていただければ。
Pixel 4aを2日使い倒してみた感想
というわけで、感想いってみましょう。
カメラ:画質はもちろん、信頼性が秀逸
Pixelシリーズのカメラ画質、さすがです。
- 何も考えず撮影しても、それなりにキレイ
- 撮った写真をダブルタップで拡大しても、描画が潰れていない
- ポートレートモードのエッジ検出が優秀(あえて意地悪しない限り普通にボケる)
しかし、ぼくが舌を巻いた&強調したいのは、Pixel 4aのカメラの信頼性です。
ここでいう信頼性とは、撮りたいその瞬間を切り取れることを指します。
具体的には、
- カメラアプリの起動が早いこと
- 起動後、シャッターボタンを押せるまでの時間が短いこと
- シャッターボタンを押した瞬間の画が、そのまま保存されること
- 連写時も、上記性能が維持されること
の4点。
「当たり前じゃん何言ってるの」と思われるかもしれません。でもこれ、当たり前じゃないんです。
具体的には、スペックが高いのに値段が安い、中国メーカーのスマホたちでは、この部分がだいぶ蔑ろにされています。
たとえば、ぼくがPixel 4aを買う前に使っていたMi Note 10。カメラに全精力を傾けたスマホのはずなのですが、カメラの起動は遅く、シャッターボタンを押せるまで時間がかかり、ボタンを押した瞬間よりコンマ何秒遅い瞬間の画像が保存され……という感じだったのです。
Mi Note 10を使う前のMi 9Tも、その前のOnePlus 6Tもそうでした。発売当時のハイエンドであるはずのOnePlus 6Tですら、そんな感じだったんです。
こうなった理由はおそらく、DXOMARKの限界と、数字だけを追いかける昨今の風潮です。
DXOMARKとは、スマホのカメラ画質の評価を行っているメディア。「DXOMARKスコア」はスマホカメラ界では画質評価のデファクトスタンダードとなっています。
さて、最近カメラに力を入れている中国メーカーのスマホは、DXOMARKの最高スコアをどんどん更新しています。上に挙げたMi Note 10も発売当初は「DXOMARK 1位」でした。
理由はおそらく、「DXOMARK 1位」というメッセージが、とても強いマーケティング効果を持つから。「Antutuスコア史上最高」とかと同じですね。それなりに売れる、ということです。おそらく中国系の各メーカーは、DXOMARKスコア更新を第一目標に開発しているのでしょう。
しかし注意したいのは、DXOMARKはあくまで撮られた写真の画質を評価しているのであって、写真を撮るまでの過程は評価対象外であること。つまり、ぼくのいう「信頼性」は、一切評価にはあらわれないのです。
つまり、手元の情報と実際に使ってみた感触を統合すると、
- 中国系スマホメーカーはDXOMARKスコア更新を第一目標に開発している
- DXOMARKスコアは、カメラの「信頼性」は評価しない
- 画質は良いが「信頼性」はイマイチ、というスマホが量産される
という事態が、今起こっていることなのだと思います。
しかしPixel 4aは違います。画質はPixel品質を維持しつつ、カメラの信頼性もまた、きわめて高いのです。
具体的には、
- カメラアプリの起動が早い
- アプリ起動直後にシャッターボタンを押せる
- シャッターを押した瞬間の画を確実に切り取る
- 連写であっても変わらない
ということ。
これのなにが嬉しいかというと、家族写真、特に子供のスナップショットがめちゃくちゃ撮りやすいんですね。
目の前で子供が遊んでいる。すごいいい顔をしている。その瞬間が撮りたくてスマホを取り出す。0.5秒後には写真が撮れている。これがすごくありがたい。
理由は、子供は待ってくれないから。数秒後には泣き顔かもしれません。別のことをしているかもしれません。その瞬間は、その瞬間にしか訪れないんです。
としたとき、カメラの信頼性が低いとどうなるか。カメラの起動に数秒、シャッターが落とせるまでさらに数秒。やっと撮れたと思ったら意図したものを全然違うのが保存されている……。いくら画質がよくても、DXOMARKスコアが高くても、撮りたい瞬間が撮れないなら、カメラとして全然ダメなのです。
ちょっと長くなってきたので、一旦まとめますと、
- スマホカメラを評価するときは、画質だけでなく信頼性も評価するべき
- Pixel 4aは、画質と信頼性、両方ともとても高く仕上がっている
ということ。
「カメラのPixel」は、4aでも健在でした。
動作:同スペックのスマホより数段階早い
Pixel 4a、同じSoCやメモリを積んでいる同スペックのスマホよりサクサク動きます。
具体的には、同じSnapDragon 730Gと6GBメモリを積んでいるMi Note 10と比べると、
- カメラの起動が超早い
- Twitterアプリの動作が軽い
- アプリ間の切り替えがスムーズ
- Chromeブラウザもこころなしか表示が早い
など、あらゆる方面で数段階スムーズなんです。
カメラはアプリが違うのでしょうがないとして、同じアプリを使っているはずのTwitterやChromeですらこんなに差が出るなんて、意外にもほどがありました。
理由はおそらく、ピュアAndroidであり、開発元がGoogleだから。
Pixel以外のAndroidスマホは、各メーカー独自のカスタマイズが入っています。便利機能が追加されていたり、積んでいるハードウェアを制御するためのものだったり。
カスタマイズの中にはAndroidの動作の根幹に関わる部分に手を入れているものもあります。専門的な言葉を使うと、システムコールをフックして独自モジュールを呼び出させる的なイメージ。
そのようなカスタマイズは、
- たくさん入れるほどAndroidの基礎動作速度が遅くなる
- 呼び出す「独自モジュール」の作りが悪いと、遅くなる
という性質を持っています。
要するに、Androidスマホの処理スピードは、ハードウェアのスペックだけでなく、各スマホメーカーのソフトウェア開発力に依存するのです。
そして、Pixel 4aの開発元は言わずとしれたGoogle。開発時点でパフォーマンス品質が厳しく問われる集団です。
実際、入社試験でプログラムの擬似コード書かせる面接があるそうなのですが、書いたコードがパフォーマンス(処理速度)の観点で適切か、チューニング余地はないか、などの指摘・質問が必ず飛んでくるそうです。
Google以外のスマホメーカーが「とりあえず動けばいいや」的な開発をしているとは言いません。が、少なくともGoogleが「性能が悪いものは世に出さない」という集団である点は信用して良いと思います。
その結果として、ピュアAndroidであるPixel 4aの動作が、他メーカーのスマホよりもサクサク早い、ということなのだと思います。
電池:1日持たせるには工夫が必要そう
一方、「1日持つバッテリー」とされている電池は、きっかり1日持ちました。
具体的には、
- 朝8時に100%
- 途中充電なし・バッテリーセーバーモードなしで使い続けて
- 夜12時前後で2%くらい
でした。
また日中も、電池残量が残%ではなく「0:15まで」など電池切れ予想時間で表示されるので、充電要否がわかりやすくて助かりました。
とはいえ、これまで5000mAhクラスのMi Note 10を使っていた身からすると、「1日持つ」は売りというより「心もとなさ」に感じるのは事実。Mi Note 10、2日は余裕で持ったので。
また写真メインなら1日持ちましたが、ゲーム中心だと1日持たない気もします。実際、この翌日に子供と一緒にスマホゲーム(Minecraft)をやったところ、30分で10%くらい減ったので。
以上の観察にもとづくと、Pixel 4aの「1日持つバッテリー」を厳密にいうとカメラやSNS中心のライトな使い方なら1日の終わりに0%になるようにコントロール可能ということ。
ゲームなどヘビーに使うなら、「1日持つバッテリー」にはならないので、使い方を工夫するなり、モバイルバッテリーを準備するなりが必要そう。
ぼくはライトユースに近いのですが、「1日の終わりにちょうど0%」は心もとなさを感じたので、
- 電池を食うモバイルネットワーク通信は最低限に(画像や動画のバックアップをWiFi接続時だけにする)
- 機能盛り盛りで電池を食いそうなアプリ版ではなく、ライトなブラウザ版を使う
- プッシュ通知を最低限にする
など、実用に影響のない範囲内でバッテリーに配慮した設定や使い方に切り替えました。
今後、Pixel 4aを上手に使うために
ただ、Pixel 4aも完璧ではありません。
特に電池の持ち。過去のPixelシリーズから進化していますし、Android自体に「スマートバッテリー」が搭載されているとはいえ、1日「余裕で」持つレベルには至っていません。
なので、Pixel 4aを使うぼくたちも、ある程度工夫していく必要があります。
電池の消費量が多いポイントを理解する
1日の終わりに、設定アプリから電池消費量の統計を確認しました。
結果、見えてきたのは、Pixel 4aは
- 頻繁なモバイルネットワーク通信
- ゲームや動画圧縮などの重たい処理
の2点で、時間あたりの電池消費量が多くなること。
これはPixel 4aでなくとも、スマホ全般的に言える傾向です。
なのでPixel 4aに特化した対応は特に必要なく、一般的に言われている「バッテリー節約設定」を投入すれば大丈夫そうです。
バッテリー節約のための設定を投入する
たとえば、ぼくは
- 不要なプッシュ通知はオフにする
- 音楽なるべくストリーミングせず事前にダウンロードしておく
- 写真や動画のバックアップはWiFi接続時だけに絞る
- 常時通信する系のアプリは、通信頻度を下げる設定を入れる
などの設定を、各アプリに投入しました。
また、バッテリー残量が15%を切ったときには「バッテリーセーバー」が自動的にONになるようにしました。
モバイルバッテリーと充電器は常備しておく
ただ、アプリや設定の工夫ではどうにもならないときのため、
- モバイルバッテリー
- 充電器
の2つは常備しておこうかなと。
Pixel 4aのバッテリーは約3000mAhなので、モバイルバッテリーは5000mAh級のもので十分。
5000mAh級なら、大きさも重さも控えめなので、持ち歩きも便利かと思います。
まとめ:実感したGoogleの「こだわり」とは
それは、
大切なのは「体験」だ
です。
なにかとスペックやベンチマークスコアに傾倒しがちな最近のスマホ。
しかし、ぼくたちが本来求めているのは、「最高のスマホ体験」なはず。
高いスコアや高い性能は、あくまでその1つのパーツ(手段)に過ぎません。そして、手段を目的にするのはおかしい。そこをちゃんとGoogleはわかっていんだと思います。
そのため、「スペック戦争」には目もくれず、自分の得意とするソフトウェア方面から、最高のスマホ体験とはなにか?を追求している。結果として、たとえばカメラひとつとっても、画質だけでなく信頼性もしっかり担保されている。他も然り。
その意味で、Pixel 4aはスペック追求系のAndroidスマホとは全然立ち位置が違います。ハードウェアスペックやベンチマークスコアと価格の比率だけで「コスパ」を測ってしまう人に価値が理解されにくいのも、きっとそのため。
性能だけではなく、体験価値と価格を比率を考えると、Pixel 4aはとてもコスパの良いスマホに仕上がっていると思います。(体験価値の数値化は難しいので、主観になってしまうのが歯がゆいですが)
ちゃんとしたレビュー記事は別途まとめようと思いますが、取り急ぎ2日で感じたことは、こんな感じ。
以上「Pixel 4aを2日間使い倒した感想。実感したのはGoogleの「こだわり」だった」でした。
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