提供:SOUNDPEATS
SOUNDPEATS様のご厚意で、2021年10月発売のSOUNDPEATS H2をレビューさせていただけることになりました。
SOUNDPEATS H2は、音質とデザインの良さを重視した、1万円以下のカナル型完全ワイヤレスイヤホンです。
音源の魅力をあますことなく伝えるためのBA+DDハイブリッドドライバー構成、aptX Adaptive対応。
それにSOUNDPEATSならではの丁寧な音作りが重なった結果、1万円以下であるにもかかわらず1.5〜2万円のものと同等かそれ以上の音を鳴らします。
そのかわり、ANCは備えていなかったり、本体の連続再生時間が5時間だったりと、1万円以下であるがゆえの制約は存在するのたしかです。そこらへんまで求めるなら素直にもっと上の価格帯のものを選ぶべき。
もし「1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンでなるべく高音質のものがほしい」と思っているなら、SOUNDPEATS H2はあなたにクリーンヒットするでしょう。
過去使ってきたTWSのトップ3に入るくらい気に入りました
SOUNDPEATS H2が気になった理由
求める音質に近い可能性があったからです。
先日、SOUNDPEATS Air3をレビューさせていただきました。
丁寧な音作りながら、個人的にはインナーイヤー型が好みでないため、「これのカナル型があったら理想」と感想を述べたところだったんです。
そこに、チップ構成が近い(と言いながらドライバー構成等は全然違う)SOUNDPEATS H2が登場したわけです。これは試さずにはいられませんでした。
SOUNDPEATS H2の概要
注目ポイント
- 独自開発のCrossover再生技術、「真のHi-Fiサウンド」を実現
- ハイブリッド構成、サウンドは映画館のクオリティー
- 「美」に意識したデザイン
- 先端テクノロジーで最高のサウンド体験
仕様・スペック
- ドライバー:1BA&1DDハイブリッドドライバー
- 本体寸法(LWH): 高さ45.8 x 幅64.7 x 厚さ32.6 mm(ケース込み)
- NET:約4.8g(イヤホン/片側)、約56.2g(充電ケース+イヤホン両側)
- 防水規格:IPX4
- 通話用ノイズキャンセリング:Qualcomm cVc 8.0
- Bluetooth version:5.2
- チップセット:Qualcomm 3040
- 対応プロファイル:HSP、HFP、A2DP、AVRCP
- 対応コーデック:aptX-Adaptive,aptX, SBC, AAC
- 通信範囲:10M
- バッテリー容量:32mAh*2(イヤホン)300mAh(ケース)
- 最大再生時間:約5時間(イヤホンのみ)、約20時間(充電ケース併用)
- イヤホン本体充電時間:約1~2時間
- 充電ポート:USB Type C
SOUNDPEATS H2レビュー
それではレビューしていきます。
外観・デザイン:金と銀。美しい
銀一色のケース。トップ中心にSOUNDPEATSの金のロゴ。
底面にはなにもありません。
せっかく美しいサーフェスに各種規格や認証マークの印字があったらどうしようかと思いました。
前面には充電時に点灯するLEDライトがあり、
その反対側、背面側に充電用のUSB-Cが備わっています。
フタの内側は銀色……ではなく、薄めの灰色。
フタの裏のSOUNDPEATS刻印以外はなにもなく、ミニマルで好感が持てます。
イヤホン本体。全面銀色ななか、ハウジング部分のSOUNDPEATSロゴ部分のみ金色に縁取られています。
内側、よく見てみるとL/R印字が金色だったりスピーカー部分もカッパー素材だったり、なんならイヤーピースもよくある黒じゃなくてちゃんと灰色だったり、360°どこを見てもデザインコンセプト(カラースキーム)が行き届いています。
これはかっこいいぞ。
重さ・大きさ:大ぶりに見える
重さの実測は、ケース+本体で56.7g、本体片耳で5.0g。
完全ワイヤレスイヤホンとしては標準の範囲内です。
しかし、
デザイン重視で丸いフォルム、かつ明るい色合いのせいか、手で持ってみると結構大振りに見えます。
とはいえ、カバンの内ポケットや上着のポケットに入れられないサイズではないので、気になる人は少ないかもしれません。
装着感:特に不満なし
装着感は、問題も不安も不満もありません。
普通のうどんタイプのカナル型の装着感です。
首をブンブン横に振っても落ちません。
Bluetooth接続
Bluetooth 接続は、ペアリング速度、接続速度、安定性ともに問題ありません。
なおSOUNDPEATS H2はaptX Adaptive対応。
接続先のスマホや再生デバイスが対応しているなら、Bluetooth通信が原因の音質劣化や遅延が最小限に抑えられるため、音源とスピーカーの実力をいかんなく発揮できます。
くわえて、SOUNDPEATS独自の「ゲームモード」を使うと、遅延が最小で60msまで抑えられます。
タイミングがシビアな音ゲーでは厳しいかもしれませんが、動画鑑賞であれば十分不自然を感じなくなる水準です。
操作性:迷いなく使える
タップ操作。操作方法と主な機能はざっくり以下のとおりで、特に変わった点はありません。
- 1タップ:音量操作
- 2タップ:再生/一時停止
- 長押し:曲送り/戻し
- 3タップ:ゲームモード切り替え、音声アシスタント起動
なお、耳検出による自動一時停止・再生には対応していません。
対応していればよりGoodだったのですが、個人的には必須ではないので気になりません。
音質:音源の魅力を余すことなく伝える
第一印象は
あ、これ好きな音だ
です。
音量バランスは低≧高>中。低音強めのドンシャリ傾向です。
全体をブーストした安定感ある低音と、臨場感と見通しが秀逸な高音、そしてボーカルメインの中音の組み合せは、「地に足ついた高音質」という言葉が浮かびます。
EDMや中田ヤスタカ的なピコピコ系、中音が薄めの楽曲だとびっくりするほど良い音を出します。一方、全音域にわたって音が厚く、特に中音域の伴奏が重なっている楽曲だと、中音の伴奏が少し埋もれがち。
全体のハーモニーとしてはキレイにまとまっていると感じるものの、音色別に聴き込もうとするともう少し分解能がほしいところ。
以下、音域別に具体的に述べていきますと……
低音は、全体的にブーストされている中でバスドラムの輪郭をくっきりさせる調整。ベースなどは少し沈みがちですが、ほんの少し意識を傾けるとちゃんと音階が聞こえてきます。あえてバスドラムを弾ませている、そんな調整です。結果、全体としてはずみ良く、安心して聴ける低音に仕上がっています。
中音は、ボーカルが1歩手前、その他ピアノやストリングス等の音色は2歩くらい後ろに下がっている印象です。低音から高音まで音が厚い楽曲では、伴奏目的で入っている中音の旋律は向こう側に埋もれてしまいがち。だからといって音質が悪いわけではなく、中音域中心の楽曲はしっかり音色を奏できるので、単に音量バランスの問題。イコライザによる調整でカバー可能です。
高音は、粒度感が高く、音像の位置がはっきりしています。特に音像は左右位置と奥行きとも秀逸に表現できており、これにより透き通るような見通しと臨場感が得られています。かといって刺さるほどでもないところに、SOUNDPEATSの音作りの丁寧さを感じます。
気になる点といえば、低音〜中音域にかけて解像度が低めに感じるところ。ただこれはぼくが音色を楽器ごとに分解して聞くのが好きなだけなので、ぼく以外にとっては十分細やかなな音色だと感じるでしょう。
総じて、音源の持つ魅力をあますところなく伝えられる音質と呼んで差し支えありません。
値段以上の良い音だと思います
マイク:並
マイク音質は、あまり期待してはいけません。
両耳につけた状態で自分の声を録音すると
- 声がかなり遠く聞こえる
- そのわりに破裂音で音割れを起こす
という状態。
普段の通話に使うなら良いですが、オンライン講師など声質が求められるシチュエーションで使うのはやめたほうが良いです。
バッテリー:5時間は短いかも
本体のみでの連続再生時間は5時間。
2021年秋の完全ワイヤレスイヤホンのラインナップのなかでは、びっくりするほど短いです。
ANCありで5時間ならわかりますが、なしで5時間となると、2018年の水準と言わざるを得ません。
にもかかわらず、急速充電に非対応。ついでにいうとワイヤレス充電にも対応していません。
なぜか。
おそらくバッテリーよりスピーカー(ドライバー)にコストをかけたからでしょう。
イヤホンの本懐は良い音を鳴らすこと。バッテリーも大事だけど、そっちを優先するあまり本来優先すべき音質がおそろかになってなはない。
そう考えた結果だと捉えると、「5時間」も納得がいきます。
本当かわからないですが、ぼくはこれで納得しています
防水防塵:水しぶきなら大丈夫
IPX4等級の防水を備えています。
汗やシャワー、ちょっとした雨などの水しぶきレベルなら大丈夫ですが、豪雨や水ポチャには要注意、くらいの水準。
なので、基本的に濡らさないように使うのが正解。IPX4は、間違って濡れたときの保険くらいに思っておくと良いでしょう。
保証:1年
SOUNDPEATS 製品には標準で1年間の保証が付きます。
SOUNDPEATS H2ももちろん1年保証。
初期不良の際もしっかり対応してくれるのは心強いかなと思います。
実際に使ってみた感想
良かったところ
- とてもとてもとても高音質
- aptX Adaptive含む、幅広い対応コーデック
- 銀&銅のサイバー感あふれるデザイン
音源の魅力を伝えきるために力を尽くしました、というメッセージが伝わってきます。
見た目と性能が良い。それって最強ですよね。
悪かったところ
- 連続再生時間が5時間と短い
ゼロベースで評価すると、バッテリーの弱さはどうしても「悪いところ」と評さざるをえませんでした。
ただ、これはコストのリミットがゆえ。
SOUNDPEATS H2は1万円以下にもかかわらず、1.5〜2万円級の音質です。それに加えてバッテリーの強さを求めるなら、素直に2万円くらいの機種を選びましょう。
SOUNDPEATS H2はこんな人におすすめ
まとめ:SOUNDPEATSの粋が集まっている
総合評価:
これまで使ってきた完全ワイヤレスイヤホンのなかでトップ3に入ります。
いや、ほんとびっくりしました。
SOUNDPEATSの音作りが丁寧なのは知っていましたが、BA+DDのハイブリッドドライバーの世界にやってくると、これほどまでに良質な音を鳴らすなんて。
もちろん、バッテリーの持ちが微妙だったり、ANCが載っていなかったりと、2021年秋の完全ワイヤレスイヤホンのラインナップに比べれば見劣りする部分もあります。
ただ、それはアンダー1万円という値段帯で音質とデザインにすべてを注いだから。
結果として、音質だけでいえば1.5〜2万円のものと遜色ありません。。そのくらいよくできています。
1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンで、可能な限り音質の良いものを求めている。そのような方はぜひチェックしてみてください。きっと満足すると思います。
以上「SOUNDPEATS H2レビュー | 音質とデザインこそ最重要。イヤホンの本質価値にすべてを注いだ良質TWS」でした。