提供:SOUNDPEATS
コスパ重視なSOUNDPEATSが、もし音質に全力を注いだらどうなるの?
の答えを出す完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS Opera05」のクラウドファンディングが、2023年3月24日に開始されました。
メーカー様からのご厚意で、先行レビューという形で一足先に使わせていただきました。
結論を言いますと、すごくいいです。SOUNDPEATSの音作りの良いところを全部つめ込んだ音質に仕上がっています。
そのかわり、本体が大きくて重い、アプリで設定できる項目が少ないなどのデメリットも。
このように偏りがあるイヤホン、SOUNDPEATSでは珍しいです。なのでクラウドファンディングでチャレンジしているのでしょう。
気になったらぜひチェックしてみてください。
なぜSOUNDPEATS Opera05が気になったのか
- SOUNDPEATSはこれまで全方位的に優等生だった
- にもかかわらずクラウドファンディングでチャレンジしている
- そこにはなにかトガった意図があるに違いない
・・・と思ったからです。
では、どうトガッているのか。予想します。
- 補足:本記事はクラウドファンディング開始前に執筆しています
集大成的な位置づけだと思われる
「完全ワイヤレスイヤホンの史上最高峰モデルをクラウドファンディングで」
といって最初に思い出したのが、EDIFIER NeoBuds Proです。
EDIFIER NeoBuds Proは「25周年の集大成」と銘打ったモデルでクラウドファンディングを行い、大成功をおさめました。
SOUNDPEATS Opera05も同じで、「集大成」として作っているのなら、同様にすごいモノなのでは?
と調べてみた結果、公式ティザーサイトに、以下の記載がありました。
イヤホン一筋13年
www.soundpeats-opera.com
SOUNDPEATS史上
最高峰モデル「Opera」
これは楽しみにせざるをえませんね。
トガり=音質に全振りな可能性がある
過去のSOUNDPEATSイヤホンたちは、普段使いを強く意識してデザインされてきました。
どの機種も、音質、Bluetooth通信、機能、アプリ、充電、サイズ感、防水など、各方面のバランス感が優れているのです。
そこでSOUNDPEATS Opera05はというと、デュアルBAドライバ、LDAC、ANC、超長時間再生、そのかわり大きさと重さは妥協、という偏りよう。見るからに音質重視なのです。
つまり、SOUNDPEATS Opera05にはSOUNDPEATSのやりたい音作りが全部詰め込まており、ブランドとしての音質の実力値がMax出る可能性があると。
全体のバランス感のために妥協していた音質へのこだわりを爆発させた・・・と考えると、ワクワクします。
SOUNDPEATS Opera05レビュー
というわけで、実機レビューです。
デザイン:きらびやか
黒のマットなケース、イエローゴールドの帯。
サンドブラスト仕上げの印字にSOUNDPEATSの刻印。
ゴージャスです。当然、規格類の印字はありません。
本体もイエローゴールドに黒。肌になじみやすそうです。
外側は、はみ出すサイズの大きなロゴ。自己主張が激しい?と思いきや、同色異素材で落ち着いた仕上がりのせいか、そこまで悪目立ちしません。
帯部分に「design by soundpeats」の文字があります。
重さ:大きいし重い
大ぶり、かつ重いです。
- 本体:片耳7.5g
- ケース+本体:60.5g
本体片耳でいうと、3g台で軽量、5g台なら標準くらいなので、7.5gはかなり重い部類に入ります。
理由はおそらく、
- 消費電力の大きなLDACに対応しつつ
- 複数のドライバーユニットを動かしつつ
- それでいて連続再生時間を確保したい
という要件を満たすには大きめの電池が必要だったから。
トガった仕様の影響かと思います。
装着感:微妙
装着感=耳へのフィット感は低いです。
本体が大きいので結構耳からはみ出るのと、カナル部分だけでイヤホンを固定する形なので、「ちょっとした衝撃で落ちてしまうのでは?」という不安感があります。
でも、自分にあったイヤーピースを使えば大丈夫。実際にデスクワークや外歩き含めて1日使ってみましたが、一度も落ちませんでした。
ただ、スポーツしながら使うのはおすすめしません。頭を横にブンブン振ると、耳から少し飛び出る感覚がありました。
フィット感が微妙、となると音質への影響も気になるかもしれませんが、歩きながら程度であれば問題ありません。
音質重視のイヤホンですから、音楽の世界に没入できるシチュエーションを選んで使うことを意識すれば、フィット感の薄さは気にならないと思います。
Bluetooth:特定ケース以外では良好
LDAC対応。iPhoneならAACも使えます。
初回ペアリングや起動後の接続はスムーズです。
接続品質も悪くありません。特定のケースでほんの少し途切れることがありますが、おおよそ良好です。
- 特定のケース:超混雑した駅のホームでスマホを尻ポケットに入れると人が特に多く往来した瞬間に0.2秒ほど途切れる時がある。スマホを手に持つと発生しない
音質:旗艦モデルにふさわしい音質
第一印象は、SOUNDPEATSの音作りの粋を全部盛り込んできたな、です。
とにかく解像度が優秀で、特に中音域から高音域は微に入り細にいたるところまで表現し尽くしています。
動画でたとえると、これまでFHDで見ていた動画が4K画質になった!みたいな感動があります。
SOUNDPEATSの音作りは解像度の高さ音域別のバランス感にある、と思っているんですが、解像度が一気にレベルアップ。
2BA+1DDマルチドライバのリソースを解像度アップに全力投入したんでしょうか。正直、2万円近いこちらの有線イヤホンに負けてません。
ぼくは音楽を聞くとき1つ1つの音色に耳を傾けて分析的に聞くクセがあるんですが、SOUNDPEATS Opera05はドンピシャでハマってきました。大好きな音です。
観点別の具体は以下のとおりです。
臨場感
奥行きは薄め。少し遠くから音が鳴っている感覚はあるものの、楽器が等距離に並んでいる印象で、平面的です。
抜け感は、音が遠くに響いて消えていく様子の表現は苦手かもしれません。奥行きの薄さの影響かと思います。
左右の鳴らし分けは、普通のステレオサウンド。ことさら音像の位置を強調している印象はなく、自然です。
高音
解像度はきわめて高いです。シンバルやトライアングル、高音域ピアノなど、明確に聞き分けられます。
音源によってはシンバルの音が刺さるように聞こえることがあります。あくまで特定の音源でのみ発生する事象なので、気にしすぎなくても大丈夫です。
中音
ボーカルも伴奏も等しく扱っている感覚です。ボーカルも楽器の1つ、とでも言うような。
そのせいか、他のイヤホンでは音量大きめの音色の奥に埋もれて聞こえなかったエレキギターやピアノの微弱な音まで識別できます。音源の新たな一面を垣間見られるので、楽しみが増えます。
低音
パンチ力が第一優先、解像度は第二優先、という調整です。
強く弾むバスドラムをピンポイントで目立たせて、ベースその他との仕分けは最低限聞き分けができる程度。
これはこれで聞いていて気持ちいいので、マイナスポイントにはなりません。
総じて
ティザーサイトに
最高の素材×長年の技術
2基のバランスド・アーマチュアドライバーと12mmのダイナミックドライバーを搭載した、ハイブリッド構成。これにイヤホン一筋13年のSOUNDPEATS独自の音質向上技術を掛け合わせることで、限りなく原音に近いサウンドを実現。
www.soundpeats-opera.com
と書いてある通り、優秀な音質でした。
電池の持ち:長時間
- 連続再生時間:9時間
- ケース込みの合計:33時間
昨今の完全ワイヤレスイヤホンのなかでは目を見張るロングライフ。電池消耗が激しいLDACでの数字だと考えるとなおさらです。
実際に使っていると、イヤホン本体よりむしろスマホの電池がゴリゴリ減るのが気になるレベルです。
もちろんスマホの電池残量確保を優先するならSBCやAACに切り替えるのもあり。音質か電池か、状況によって切り替えるのが良いでしょう。
なお充電が有線のみ対応な点は、ほんの少し不便に感じるかもしれません。
アプリ対応:しているが機能は限定的
SOUNDPEATSアプリで設定変更可能です。
- ANCモードの切替
- ゲームモードの切替
- イコライザモードの切替
- 1回タッチのオンオフ切替
- ファームウェアアップデート
いろいろできますが、タッチ操作の割当変更機能がありません。
個人的には一番重要な機能なので残念です。今後のファームアップでの機能追加に期待しましょう。
防水・防塵:IPX4
IPX4水準の防水性能を備えています。
シャワー程度なら大丈夫だけど水ポチャはNG、というレベル。
服のポケットに入れたまま洗濯機を回す、などの事故がない限りは大丈夫です。
ただ、本体の装着感が低めなので、トイレで立ち上がった瞬間や雨の日の水たまりは、念のため気をつけたほうがいいかもしれません。
保証:12ヶ月?
本記事はクラウドファンディング発表前に書いているので情報はないんですが、SOUNDPEATS製品はだいたい12ヶ月の長期保証がつきますので、Opera05も同じかと思います。
実際に使ってわかったメリット・デメリット
以上のレビューから、SOUNDPEATS Opera05のメリット・デメリットをまとめます。
メリット(良かった点)
- 高音質。2BA1DDのリソースをフル活用してSOUNDPEATSの特長である粒度感と解像度を高めている
- 高級感のあるデザイン。ケースも本体もゴージャスで、使っていて特別感がある
- 長時間再生。LDACで本体のみで9時間は驚異的。長時間音楽に没頭できる
デメリット(悪かった点)
- 大きくて重い。耳からの出っぱりが気になる(とはいえ気にならない人も多いと思う)
- フィット感がいまいち。運動しつつ使うと落下の可能性あり(とはいえ音質への影響はなく、シチュエーションを選んで使えば無害)
- 専用アプリの機能が限定的。特にタッチ操作の機能割当がないのが気になる(とはいえファームアップで改善される可能性あり)
SOUNDPEATS Opera05はこんな人におすすめ
まとめ:旗艦モデルの名に恥じない
総合評価:
音の解像度と各音色の表現力に優れた音質。旗艦モデルにふさわしいと思います。加えて、特別感のある外観デザインがとても気に入りました。
一方、本体の大きさに起因する装着感の低さから、耳からの落下に気を回さなければならないシチュエーションが出てくるのはマイナスポイント。実用性は損なわれないことを考慮して-★0.5としました。
しかし、これはあくまで音質に振りきったした結果。デメリットというよりSOUNDPEATS Opera 05のトガッた特性と捉えるのが正解でしょう。
利用シーンが多少限られてでも音質とゴージャスなデザインで特別感を得たい。そんな方にこそ、SOUNDPEATS Opera 05はフィットするはず。
ぜひ詳細をチェックしてみてはいかがでしょうか。
以上「SOUNDPEATS Opera05レビュー | 音質に振りきったピーキーな旗艦モデル」でした。