提供:Sunvalley Japan
メーカー様のご厚意により、2020年6月26日にリニューアルされたTaoTronicsのPCサウンドバー「TT-SK028」を、先行レビューさせていただけることとなりました。
2週間ほど使ってみた結論は、サウンドバーとしてよりスピーカーフォンとして有能です。
なぜなら、なぜか性能バランスがスピーカーフォン寄りだから。
- スピーカー音質は値段なりで聴き浸れる水準ではない。しかし人の声はよく聞こえる
- Bluetooth接続すると内蔵マイクが使えて、かつ音質もそこそこ
テレワークといえばWeb会議ですが、イヤホンだとだんだん耳が痛くなってくるもの。
そこでスピーカーフォンがほしくなるものの、会議室で複数人が使う前提のものばかりで、値段はどれも1万円近く。
そんな状況なので、TT-SK028は3,000円台で買える、自分専用の書斎据置型スピーカーフォンとして魅力的なのではないかな、と。
Web会議が多い人はぜひどうぞ。
TaoTronics TT-SK028の概要
注目ポイント
- 6つのユニットから成る高音質
- Bluetooth接続対応 & AUX接続
- USB電源式でかなり便利
- ボタン一つでコントロール
- 3.999円という低価格
「こんな価格でこんなサウンドバーがわがやに!」
というのが、スペック上の注目ポイントです。
スペック
- スピーカーユニット:合計6W出力フルレンジスピーカー×2、パッシブラジエーター×2、ツイーター×2
- ドライバーユニット:45mm
- 接続方式:Bluetooth 5.0、3.5mm AUX IN x 1、3.5mm AUX OUT x 1
- 給電式:USB電源
- ケーブル長:USB電源ケーブル(約133cm、本体ビルトイン)、3.5mmオーディオケーブル(約104cm、付属)
- マイク:Bluetoothモードでのみ、内蔵のマイクが有効になります。
- サイズ:420×60×73mm
- 重さ:760g
「6W出力」ということで、部屋で個人で聴くには十分な音量が出せそうです。(よく勘違いされるのですが、ワット数は音量の上限を示すもので、音質とは関係ありません)
TaoTronics TT-SK028レビュー
では、実物レビューいきます。
外観・デザイン:最低限
きわめてシンプル。幅約41cmと小柄。
TaoTronicsのロゴは中央配置です。
先日発売のTT-SK025は右端でした。
後部には埋め込み式のUSB-A給電ケーブルと……
3.5mmジャックのAUX IN/OUTがあります。
ここからOUTに接続すると、接続先のスピーカーからのみ音が鳴る仕様です。
機能と操作:直感的で良いが、LEDはうるさいかも
USBの抜き挿しと、正面右側のダイヤルで操作します。
- 電源オン/オフ:USB電源ケーブルを抜き挿し
- Bluetoothオン/オフ:ボリュームノブを2度押し
- 音量+ / – :ボリュームノブを回す
- 再生/一時停止・電話応答/終了:ボリュームノブを1度押す
- 電話拒否:ボリュームノブを1秒間長押し
音量がダイヤル式調整なのは直感的で扱いやすいです。
電源状態やモードは青色のインジケーターで表示されます。
- ノブインジケーターが青く点灯:電源オン
- Bluetoothインジケーターが青と白交互に点滅:Bluetoothペアリング中
- Bluetoothインジケーターが5秒毎に青く点滅:Bluetooth正常に接続中
青色LEDの発色は美しいんですが、Bluetooth接続中に青いLEDが点滅するのは良し悪し。
音楽を聞きつつ作業するとき、チカチカして邪魔に感じる人もいそうです。(個人的にはあまり気になりませんでした)
無線接続:切れないが、遅延は気になる
Bluetooth 5.0のSBCコーデックで接続可能。
屋内据え置き型とあって、
- PCなど再生機器との距離や位置関係は一定
- 外部電波状況の変化もあまりない
と、接続安定性に影響を与える要素が少ないため、接続自体は問題になりにくいでしょう。
一方、SBCということで、体感できるレベルで遅延します。
特に音楽PVなど、音と動画の同期を動画鑑賞は厳しいかも。
リアルタイム性を求めるなら有線接続が無難です。
有線接続:解せぬ
有線接続には3.5mmジャックのオーディオケーブルを使うのですが……
せっかくUSB接続なんだから、音声データもこっちで通信すればいいのにという思いでいっぱいです。
なんせ
- 「PCサウンドバー」という名称
- スピーカーだけでなく、マイク内蔵
というスペックなんですから、USB接続のコンデンサマイクのように、PCにつなぐときはUSBだけでOKとなっていてほしかったところ。
USB-Aだと給電力が足りず仕様上無理、みたいな事情があるのかもしれません。
それなら、USB-Cにしてでも一本化してほしかったかな、と。
スピーカー音質:値段なり。人声識別しやすい
商品名に「高音質」とついていますが、過度な期待は禁物。あくまで値段なりです。
具体的には
- 全体的に音の作りが平坦でこもりがち
- 一方、高音の特定音域だけ角ばっている
という感じ。
イメージとしては、電車のアナウンスでしょうか。
「人の耳に届きやすい音域」が主にこちらに飛んできます。
逆に言うと、音源の意図する音色の強弱が十分に表現されません。
もちろん人によっては、作業用BGMとして聞き流す前提なら許容範囲でしょう。
しかし普段1万円台のスピーカーやイヤホンで音楽を聴く人には、「これで音楽はきつい」と感じると思います。(ぼくもそうでした)
音域別の印象は以下の通りです。
- 高音:平坦な音。伸びは良いが、奥行き、臨場感は感じられない
- 中音:特徴なし。人の声は識別しやすい
- 低音:弱く薄い。パンチ力はない。バスドラムの場合、主力の低音に混ざる少しの高音のほうが目立つ感じ
マイク音質:仕事で使えるレベル
内蔵マイクは、クリアとは言えないものの、通話や会議には足る音質水準です。
具体的には、通話相手に協力してもらってテストした範囲では
- スマホ相手のLINE通話:浴室で話しているようこもって聞こえる
- PC相手のWeb会議:意思疎通や意図伝達に支障ない水準
という結果に。(スマホ相手の場合、あちらのスピーカーの音質の問題な可能性もある)
なお、周囲の音は結構拾います。後ろで歌う子供の声がそのまま相手に聞こえていました。iPhone付属のイヤホンと同じレベル。
そのため、声色のクリアさや周囲の雑音除去にこだわるなら、ModMic5など単一指向性のコンデンサマイクを別で準備したほうがよさそうです。
保証:12+18ヶ月の長期保証
だいたいのTaoTronics製品は、
- デフォルトで12ヶ月
- 製品登録で+18ヶ月
の長期保証がついています。
TT-SK028も同じ。安いアイテムですが、安心して使えるのはプラスポイントでしょう。
実際に使ってみた感想
人の声が識別しやすい音質、という特徴を活かすため、仕事用のスピーカーフォンとして使ってみました。
Web会議用スピーカーフォンとして有能
まったく支障なく、普通に使えました。
社内会議で問題なかったので、思い切って執行役員レベルのお客様向け会議でも使ってみたところ、「聞こえない」「もう一度話して」などのコメントは一切出ず。
これ、「PCスピーカー」じゃなくて「スピーカーフォン」に改名したほうがいいんじゃないかな……と思うくらいです。
ディスプレイの揺れをおさえる台として有能
ついでに嬉しいことが1点。
写真のとおり、自宅書斎の27インチ4Kディスプレイ「LG 27UL500W」の下の隙間にピタッとハマるんです。
このディスプレイ、首が細くて左右に揺れがちだったんです。
しかしTT-SK028を下に挟むことで、揺れがピタッと止まります。
おかげで画面揺れが原因で気が散ることがゼロに。
これは思いがけない収穫でした。
こんな人におすすめ
まとめ:Web会議が捗る
総合評価:
サウンドバーとしてなら★3つです。ぼくにとっては、積極的に音楽を聴きたくなる音質ではありませんでした。
ただ、スピーカーフォンとして有用である点や値段帯を考慮すると★4。★-1なのは、有線接続でケーブル一本化されない点が不満だから。
イヤホンだと耳が痛い、とか、自宅書斎に自分用のスピーカーフォンを置きたい、という方はぜひどうぞ。
以上「TaoTronics TT-SK028レビュー | むしろテレワーク用スピーカーフォンとして有能なサウンドバー」でした。