提供:TP-Link
TP-Link様のご厚意で、2020年11月発売のWiFi中継器「TP-Link RE605X」をレビューさせていただけることとなりました。
RE605Xは、WiFi中継器というより「万能型WiFi装置」と呼ぶべきもの。
なぜなら、RE605Xは3つの用途で使えるからです。
- WiFi中継器
- WiFiアクセスポイント
- メッシュWiFiのノード
※OneMesh対応WiFiルーターとの組み合わせ
そのため、たとえば
- 自宅WiFiの電波が届く範囲を広げたい
- 今あるWiFiルーターを使って、安くメッシュWiFiを組みたい
- 将来を見越して、拡張性の高いWiFi機器を選んでおきたい
など、幅広いケースにフィットします。
くわえて技術面では、2020年時点の最新規格であるWiFi 6に対応。
技術進化や生活スタイルの変化を考慮しても、向こう5年は使い続けられます。
たとえば、
- 一人暮らし時代
→WiFiアクセスポイントとして使う - 広い家への住みかえ
→WiFi中継器として使う
など、無駄なく使えます
値段は8,000円台。少し高く見えますが、5年計算だと月130円と、WiFi環境整備にかけるお金としてはリーズナブル。
「自宅WiFiが遅いのをどうにかしたい」
「でも無駄な出費はしたくない」
という方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
TP-Link RE605Xの概要
注目ポイント
- WiFi 6対応。デュアルバンドの高速通信
- 2つの動作モード。WiFi中継器とアクセスポイント
- OneMesh対応。メッシュWiFiのノードにもなれる
仕様・スペック
- ポート:ギガビットポート × 1
- ボタン:WPSボタン、Resetボタン
- 消費電力:10W
- 寸法(幅x奥行きx高さ):74.0×46×124.8 mm
- アンテナ:外部アンテナ×2
- ワイヤレス規格:IEEE 802.11a/n/ac/ax 5GHz, IEEE 802.11b/g/n/ax 2.4GHz
- 周波数範囲:2.4GHz 及び 5GHz
- 信号レート:574 Mbps (2.4GHz), 1201 Mbps (5GHz)
- ワイヤレスセキュリティ:64/128-bit WEP, WPA/WPA-PSK2 暗号化
TP-Link RE605Xレビュー
それでは実機レビューです。
外観・デザイン:好みが分かれそう
白の四角い筐体にTP-Linkのロゴ。
とにかく、角ばっています。
アンテナはこのようにして上向きに折り曲げ可能。
左側には1Gbpsまで対応のギガビット・イーサネットポート。
WiFiアクセスポイントとして動作させるときは、ここにLANケーブルを繋ぎます。
反対側には、WPSスイッチとリセットボタン。
普段はあまり使わないと思います。
LEDは4種類。電源、電波強度、各周波数の動作状況。
後述の専用アプリから、光らないように設定できます。
後ろ側には各種認証表示、そしてコンセント。
コンセントに直に挿して使うところに、WiFi中継器っぽさを感じます。
大きさ・重さ:大きいが軽い
600ml缶くらいのサイズ感。
持ってみると「結構大きい」と感じます。
重さは実測で262g。大きさのわりに軽めです。
コンセントに直接挿して使うので、重すぎると抜け落ちてしまうかも、ということかもしれません。
コンセントの干渉:そこそこ
実際にコンセントに挿すとこんな感じ。
さすがに自重で抜け落ちる様子はなかったのですが……
すぐ下のコンセント口は、少し使いづらくなります。
抜き差しにくくなるのはもちろん、ACアダプタの直挿しは物理的にできなくなってしまいます。
RE605Xの、正面側が前広にせり出しているデザインが、ここでも影響しています。
下のコンセントは使わない、または常に繋ぎっぱなしにしておく等、工夫が必要そうです。
発熱:気になるレベルではない
ことさら気になるレベルの発熱はありませんでした。
正面側に多少の熱は持ちますが、触るとほんのり温かい程度です。
通信速度:WiFi 6対応、1Gbps回線なら十分
インターネットの元線は1Gbpsのマンション共有型、LANケーブルはリンク速度10Gbpsのものを使って計測しました。
WiFi中継器として
RE605Xを別のWiFiルーター(Deco X20)に接続して計測。
ホップするぶん若干スピードは落ちますが、本当に若干で、文句のない水準であることには変わりありません。
WiFiアクセスポイントとして
RE605Xに直接LANケーブルを接続し、ブリッジモードに設定し計測。
十分な速度が出ていると思います。
設定と管理:専用アプリ「Tether」で簡単
TP-Link Tether
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あらゆる設定や管理が、専用アプリ「Tether」で完結します。
わざわざ「192.168.0.1」などにブラウザからアクセスしなくてもOK。
以下、初期セットアップその後の設定変更や管理の2つの観点から、紹介していきます。
初期セットアップ
付属の説明書にあるとおり、「Tether」アプリの指示にしたがって操作するだけで、セットアップが完了します。
だいたいの流れは
- RE605Xをコンセントにつなぐ
- 「Tether」アプリを起動し、RE605Xを探知する
- その後はアプリの指示に従い、WiFIのSSIDやパスワードを設定する
と、面倒なことはありません。
設定変更や管理
設定変更や管理も「Tether」アプリから行います。
たとえば
- 接続するWiFi親機の切替
- WiFiのSSIDやパスワードの変更
- 動作モードの切替(WiFi中継器モード・アクセスポイントモード)
など、パッと思いつく限りのやりたいことは一通りできます。
総じて専用アプリ「Tether」の作りが秀逸で、必要な設定や管理が一発で終わります。
トップWiFi機器メーカーならではの便利さです。
電波の範囲:十分、だが
3LDKの自宅マンションでテストしたところ、電波到達範囲は上の図のとおり。1K〜2LDKなら1台で余裕でカバーできそうです。
ただし、ビームフォーミング(接続先デバイスに通信電波を集中する機能)など、本格的なWiFiルーターならではの高度な機能は備えていません。
電波が十分届く範囲ならまだしも、電波が弱くなる範囲だと通信品質に影響する可能性があります。
その意味で、RE605Xは
- 1K〜2LDKまで
→WiFiアクセスポイントとして使う - 3LDK以上
→別のWiFiルーターと組み合わせ、中継器またはメッシュWiFiノードとして使う
と使い分けるほうが良いかもしれません。
保証:3年間の長期保証
RE605Xには、標準で3年間の長期保証がついてきす。
一度買ったら長く使うものですし、値段が安くないため、保証もそれなりに長期間だと安心です。
実際に使ってみた感想
WiFi中継器として、そして単体でWiFiアクセスポイントとして1週間強使ってみました。
Web会議も4K動画もサクサク
前述のとおり、WiFi中継器としてでは200Mbps、アクセスポイントとしてだと300Mbpsは出ていました。
仕事のWeb会議でラグが一切ないのはもちろん、4K動画のストリーミングも数秒待てばすぐ再生開始されます。
RE605Xがボトルネックになっている印象は受けませんでした。
設置場所によっては邪魔になる
WiFi中継器として、廊下のコンセントに挿してみました。
ご覧のとおり、かなりでっぱり感があります。ボーっとしていると足をぶつけてしまいそう。
理由は、角張っていで前広なデザインです。壁から遠くなるにつれ面積が大きくなるので、「ぶつかってください」と言わんばかりに。
せめて勾配が逆だったらよかったのですが。
デザイン面では、1世代前のTP-Link RE200のほうがスマートでした……
一人暮らし時代にほしかった
一方、コンセントとLANポートが併設されている場所に設置すると、かなり良いです。
めちゃくちゃコンパクトにWiFiアクセスポイントが設置できてしまいます。
一人暮らし時代、同じようにLANポートとコンセントの場所が近い部屋に住んでいたことがあり、その当時RE605Xを知っていたら買っていただろうな……と思います。
「コンセント直挿し」は、制約にはならない
機能は万能。となると、気になるのが物理的な配置場所です。
WiFi電波の届き方は、親機であるWiFiルーターや中継器の置き場所に依存します。たとえば、物陰はNG、金属で囲まれている場所はNGなどです。
となると、「コンセント直挿しが前提のRE605Xは、電波的にNGな場所にしか置けないんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、延長ケーブルを使えば、この問題は解決できます。というより、延長ケーブルがあれば、物理的な配置に関する制約条件は、他のWiFiルーターと同じになります。
その意味で、「コンセント直挿しでコンパクトに使える」という選択肢がある点で、RE605Xのほうが優れているとも言えます。
TP-Link RE605Xはこんな人におすすめ
まとめ:万能型WiFi装置
総合評価:
機能には一切の無駄がない、美しいアイテムです。
★-0.5の理由は、物理デザインです。おおぶりの筐体や前広で角ばったフォルムは、個人的に好きになれませんでした。
ただ、物理デザインの好き嫌いは個人の好みの問題。人によっては気にならない(むしろ好き)かもしれません。
その意味で、本レビューの総括としては、RE605Xは、形が好きになれるならぜひおすすめしたい万能型WiFi装置である、となります。
ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
以上「TP-Link RE605Xレビュー | 万能。アクセスポイントにもメッシュWiFiノードにもなる、WiFi 6対応WiFi中継器」でした。