提供:TP-Link
2022年10月発売のWiFi中継器「TP-Link RE705X」をレビューします。
特徴をまとめると以下。WiFi中継器というより、ミニサイズのWiFiルーター(中継器にもなる)と呼ぶほうが適切です。
- WiFi中継器にもWiFiルーターにもなる
- 合計3000Mbpsまでの高速通信に対応
- OneMesh対応WiFiルーターと組み合わせるとメッシュWiFiが組める
- 外部アンテナ搭載で電波の届く範囲が広い(2LDK程度なら余裕)
サイズは小柄ながら、本格的なWiFiルーターと変わらない水準の機能や、別のWiFiルーターを買っても組み合わせて使えることから、今でも将来にも役に立っていけます。
ただし前方に鋭角がせり出す本体形状は好みや設置場所を選びそう。そこだけクリアできれば、買って失敗しづらいアイテムだと言えそうです。
TP-Link RE705Xの概要
注目ポイント
- WiFi 6対応。デュアルバンドの高速通信
- 2つの動作モード。WiFi中継器とアクセスポイント
- OneMesh対応。メッシュWiFiのノードにもなれる
- AX3000。より多くの機器の通信を支えられる
主な仕様・スペック
- ポート:ギガビットポート × 1
- ボタン:WPSボタン、Resetボタン
- 消費電力:12.6W
- 寸法(幅x奥行きx高さ):74×46×124.8 mm
- アンテナ:外部アンテナ×2
- ワイヤレス規格:IEEE 802.11a/n/ac/ax 5GHz, IEEE 802.11b/g/n/ax 2.4GHz
- 周波数範囲:2.4GHz 及び 5GHz
- 信号レート:2.4GHz:574Mbps / 5GHz:2402Mbps
- ワイヤレスモード:中継器モード/アクセスポイントモード(ブリッジモード)
- ワイヤレスセキュリティ:WEP, WPA, WPA2, WPA3
- ビームフォーミング対応
より詳細なスペックはTP-Link公式サイトをどうぞ。
TP-Link RE705Xレビュー
それでは実機レビューです。
外観・デザイン:アンテナがポイント
白く、とてもとても角ばっている四角いフォルム。壁に取り付ける前提のデザインですが、正面方向に鋭角がせり出す構造は取り付け場所を選びそうです。
なお本製品の特徴であるアンテナは下〜上へ180°回転可能。より遠くまで電波を飛ばせるようになっています。
ちなみにこういった筐体の寸法や構造は、前作RE605Xと全く同じです。中身だけアップグレードすることでコストをおさえるためなのでしょう。
サイズ感:せり出す形は気になるかも
そこそこ厚みがあり、かつ鋭角部分が壁からせり出すようになっています。
通り道のコンセントに直挿しすると足がぶつかってしまいそう・・・と心配になります。
とはいえ、実際に気になるかは広さによります。
幅90cmの廊下に設置してみた感じ、
- 単に通り過ぎるだけの場所なら、そこまで気にならない
- すぐ近くに曲がり角があるなど、壁ギリギリを足が通過するケースがある場合、激突が心配
という感じでした。
ご自身の自宅のどこに設置するか、自分がどのようなルートで歩くかをイメージすると良いかと思います。
なお、2口コンセントの上に挿してもちゃんと下のコンセントが使えます。
通信速度:実測800Mbpsは処理可能
TP-Link RE705XはWiFi中継器とアクセスポイント2つのモードで動くため、
- WiFi中継器としての実力
- WiFiアクセスポイントとしての実力
の双方を見ていきます。
なおインターネット回線は1Gbps(理論値)、LANケーブルはCAT6(リンク速度1Gbps)です。
WiFi中継器としての実力
WiFiルーターの電波が届きにくいところで、RE705Xあり・なしで通信速度をテスト。
結果、RE705Xを仲介すると通信速度が倍近くなりました。
WiFi中継器としてしっかり仕事してくれています。
WiFiアクセスポイントとしての実力
RE705Xのギガビットポートに直接LANケーブルを接続し、アクセスポイントモード(ブリッジモード)に設定し計測。
本体すぐ近くでは800Mbps以上出ています。RE705Xの処理能力はボトルネックにはなっていないことがわかります。
一方、遠い場所になると一気に減衰。特に電波の届きにくい場所ではダウンロードが3Mbpsを切るときもあり安定しなくなります。
アンテナが内蔵型であるRE700Xの結果と比べると、RE705Xのほうが悪い結果となりました。外部アンテナなので少し期待しましたが、わがやの場合は逆効果だったようです。
物理に頼るぶん家のレイアウトの影響を受けやすいんだと思います
なお、インターネットの回線速度がもっと早かったらもっと速度が出るはず。
RE705XはAX3000、5GHz帯で最大2404Mbpsが理論値なので、性能を100%引き出すにはインターネット回線が2Gbps以上である必要があります。その点、わがやは1Gbps。ちゃんと実力値を評価できていないことになります。
逆に言うと自宅のインターネット回線が1Gbpsなら、AX1800(5Ghz帯で最大1201Mbps)である前作RE605Xで十分ということにもなります。
電波の範囲:3LDKはいける
通信速度を測定していて、「あきらかに電波が届きにくいな」と感じるシーンは、ほぼありませんでした。物理的にアンテナが生えている恩恵だと思います。
3LDKな自宅マンションでの電波到達範囲はざっくり上の図くらい。かなりカバーされています。
メッシュWiFi対応:OneMeshで抜かりなし
RE705XはTP-Linkの独自技術「OneMesh」に対応しています。
他のOneMesh対応ルーターと組み合わせることで、普通の中継器で問題になりがちな「SSIDが分かれてしまう」をスマートに解消できます。
発熱:気になるレベルではない
ことさら気になるレベルの発熱はありませんでした。
背面側に多少の熱は持ちますが、触るとほんのり温かい程度です。
側面メッシュの排熱が効いているんだと思います
設定と管理:専用アプリ「Tether」で簡単
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あらゆる設定や管理が、専用アプリ「Tether」で完結します。
初期セットアップは画面の指示に従えばすぐに完了。各種設定もメニューを見ると一発で理解できます。
とても洗練されており使いやすいです。
さすがトップブランド、という感じです
保証:3年間の長期保証
RE705Xには、標準で3年間の長期保証がついてきます。
WiFi系の機器は一度買ったら長く使うもの。保証もそれなりに長期間だと安心です。
実際に使ってみた感想
(電波は届きにくくなりそうだけど)
良かったところ
- 必要十分な高速通信
- WiFiアクセスポイントとしても、WiFi中継器としても使える
- OneMesh対応ルーターを組み合わせるとメッシュWiFiが組める
悪かったところ
- 角ばったデザインは場所を選ぶ(狭い通路のコンセントに直挿しするのはおすすめしない)
- 外部アンテナの効果が十分発揮されないケースがある(わがやはそれに該当)
- 自宅のインターネット回線速度が1Gbps以下の場合はオーバースペック
TP-Link RE705Xはこんな人におすすめ
まとめ:わがやにはフィットしなかった
総合評価:
基礎としての機能・性能の完成度は高いものの、分厚く角ばった筐体デザインや設置場所によっては実力が発揮できないかもしれません。
ぼくは廊下のコンセントに直挿ししたかったので、鋭角が前にせり出すRE705Xは少し使いづらいかな、と感じました。(スネに激突しそう)。
くわえて、通信速度測定の結果、アンテナが本体内部に入っているRE700Xのほうが良いという結果に。わが家だけかもしれませんが、事実は事実です。
これらを踏まえて、わがやにフィットしなかったという意味で★4。個人的にはスリムかつ通信性能の良かったRE700Xをおすすめします。
ただ、これは家の広さやレイアウト、コンセントの場所、によります。ピッタリの場所があればその限りではありません。
「ここに設置したらいいかも?」とパッと思いついた方は、ぜひチェックしてみてください。
以上「TP-Link RE705Xレビュー | WiFi中継器にもなる小型WiFiルーター。設置場所は要考慮」でした。