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Amazonで完全ワイヤレスイヤホンを検索すると、商品名の先頭に
- 【最新版】
- 【進化版】
などがついた「いかにも」な無名ブランド品がズラリ。
過去に「これは利害の一致で生み出されたもの」と考察したものの、見ていて気持ちの良いものではありません。
ただし、だからといって【最新版】【進化版】系は必ずしも粗悪品ばかりではないだろうとも思っていました。
なので、いつかこれ系のイヤホンを買って、その実力を確かめようと。
そんなある日、台湾方面から当ブログへ連絡がありました。「完全ワイヤレスイヤホンのレビューをお願いしたい」と。
見ると、ドンピシャ。これはチャンス。
というわけで、本記事ではTranyaの完全ワイヤレスイヤホン「Rimor」を徹底的にレビューします。
商品提供いただいたとはいえ、ここはレビューブログ。【最新版】【進化版】の実力を、きっちり見極めようと思います。
手抜き無用でいきます
Tranyaについて
Tranyaは、香港ベースのスタートアップ。正式社名は香港全雅科技有限公司で、2017年創業です。
USや中国をメインに販路開拓しており、日本のAmazonにも出品しています。
なおAmazonでの出品アイテムの一覧を見てみると……
まごうことなき【最新版】【進化版】系です。
若い会社ですし売るために手を尽くしたい気持ちはわかりますが……
Tranya Rimorの概要
そんなTranyaが2019年11月に発売した完全ワイヤレスイヤホンが「Rimor」です。
参考 Tranya Rimor True Wireless Earbuds with 10mm Driver, Passive Noise Cancellation, IPX5 Waterproof
なお、本記事の初出時点(2020年2月10日)で日本では未発売。入手するにはTranyaサイトから直接購入する必要があります。
主なスペックは以下の通り。
- 大きさ:25×15×15mm
- 重さ:片耳4.5g
- Bluetooth:5.0
- コーデック:SBC、AAC
- 連続再生時間:5時間(本体のみ)
- 総再生時間:25時間(ケース込み)
- 充電時間:2時間
- 防水防塵:IPX5
- 操作:タッチコントロール
- その他:Siri/Google Assistant対応
よくある構成の完全ワイヤレスイヤホンです。
Tranya Rimorレビュー
ではさっそく、その実力をレビューしていきましょう。
付属品:ポップなステッカーつき
- 本体
- USB-A〜USB-Cケーブル
- イヤーピース3つ(SML)
- 説明書・保証書類
最低限です。
と思いきや……
なにやらファンシーなステッカーが2点ついてきました。
スタートアップっぽさを感じます。
外観・デザイン:特に特徴なし
丸いフォルムにピースマークを思わせる模様。
ケースはマットな素材感ながらトゥルンとしています。
USB-C給電です。
5WなのでMicro-USBでも大丈夫なところですが、USB-Cにしてくれたのは脱Micro-USB派としては嬉しいポイント。
ペアリング:特に不満のないスピード
SBCとAACに対応。表示名は「Rimor」です。
ペアリングを済ませておけば、ケースから取り出した瞬間にペアリングが完了します。
特にストレスを感じないスピードです。
装着感:心地よい丸み
イヤーピースで固定するカナル型の標準的な機構と装着感。
首を降ってもびくともしません。ジョギングも可能。
丸みのある本体が、耳の内側に心地よく感じます。
音質:わかりやすいドンシャリ
クセのない、わかりやすいドンシャリです。
ハイレゾ的なきらびやかさは控えめで、低音が全般的に強め。
解像度はそこまで高くありません。そのせいか、聴き疲れしにくい音です。
音に強いこだわりのないライトユーザには受け入れやすい調整だと思います。
音域別のインプレッションは以下の通り。
高音域
イコライザで一番高い音のツマミをスッと上げたような響き方。
「さしすせそ」で口から空気が抜ける音(破裂音)がメインです。
そのため、あまり奥行きや立体感はありません。
中音域
特に特徴なく、及第点の音を鳴らします。
高音域、低音域より音量は控えめ。
低音域
ドンドンというよりボンボン。
ボクシンググローブをつけたグーパンチのように、強いけど柔らかみがあります。
脳に突き刺さるようなバスドラムの音圧をなにより求める人には物足りなく感じそうですが、そうでない8割の人には十分な音です。
接続維持力:及第点
特段、悪いとは感じません。
おもしろいのが、接続が切れるときにフェードアウト、復活するときフェードイン効果が入っている点。
突然プツッと切れると「なんだよ」と思うものですが、フェードイン・アウトだと「ああ、ちょっと切れちゃったのね、しょうがないね」という気分になります。
おそらく、Webサイトの読み込み画面でアイコンがクルクル回ると遅さを感じにくいのと同じ仕組みなのかなあと。
細かい工夫というか、気が利いています。
持ち歩き:違和感ないが、自動オフはなし
ケースが小ぶりなので、特に違和感なく持ち歩けます。
ただしばらく使って気づいたんですが、「耳から外してしばらくしたら自動で電源がオフになる」的な優しい仕様にはなっていません。
都度ケースにしまうのは少し面倒です。
電池の持ち:5時間でなく、4時間
本体のみで5時間。
ですが、実際にフル充電から流しっぱなしにしてみた結果、4時間で切れてしまいました。
ただ4時間持てば通勤・通学には十分かな、とは思います。
防水・防塵:シャワーでも大丈夫
IPX5相当の防水とのことで、テストのためシャワーを浴びせてみたのですが、生還しました。なんの問題もなく動作しています。
このくらいなら、雨の中ジョギングしても問題なさそうです。
TRANYA Rimorはこんな人におすすめ
Tranya Rimorの特徴をひとことで表すと、「きわだった特長がないが高水準にまとまったノーブランド品」です。
そのため「○○な人向け」とピンポイントで言いづらいのが実情です。
逆に突出した売りよりも無難さや買ったあとの後悔の少なさを求める人にはあっているかもしれません。
特に完全ワイヤレスイヤホン初心者の方には受け入れられやすいのではないでしょうか。
まとめ:売り方と製品は別軸で見るべき
総合評価:
全体的によくにまとまっているものの、ユニークな価値提案を求める自分としては「もう1つ」がほしかったため星-1。
と、製品そのものの話はさておき……
【最新版】【進化版】と名のついたノーブランド品は、その売り方の狡猾から、製品そのものも「安かろう悪かろうなのでは?」思われがちです。
しかし実際に使ってみた結果、正直モノは悪くありません。むしろ良いほうです。
突出した特長はないものの、あらゆる方面で及第点を超えており、間違えても粗悪品と呼べない水準にあります。
なので、悪いのは売り方だけ。海外ではそれなりに売れているみたいなのに、Amazonでの商品名がマズっているだけ損しています。もったいない。
ということで、少なくともTranya Rimorについては、過去記事で指摘したノーブランド品なりの戦い方を突き詰めただけであろうかと思います。
ちなみTranya Rimorは残念ながら日本では未発売。が、過去機種がすでにAmazonで売られているので、日本上陸も遅くはないでしょう。
以上「Amazonにあふれかえる【最新版】【進化版】系完全ワイヤレスイヤホンの実力を検証。Tranya Rimorレビュー」でした。