Xiaomi Mi Note 10を買ったのでレビューします。
外観や性能面は最低限に、最大の売りであるカメラ機能を、実際の作例をふんだんに交えてご紹介していきます。
Xiaomi Mi Note 10の概要・スペック
Xiaomi Mi Note 10は、2019年11月発売の海外スマホ。2019年12月16日から国内でも発売されます。
世界初の108MP(1億800万画素)カメラを搭載し、カメラ性能を示すDXOMARKでトップタイの121点を叩き出しています。
一方、SoCはミドルハイ向けのSnapDragon 730Gを採用。重いゲームもプレイ可能ではあるものの、ハイエンドに比べると性能は抑えめです。
このような特性から、カメラ特化型のスマホと呼ぶのがふさわしいでしょう。
詳細はスペックは以下のとおり。(ですが、Gearbestの商品ページを見るのが早いです)
項目 | スペック |
---|---|
画面 | 6.5インチ 有機EL |
解像度 | 2340×1080 |
画素密度 | 398ppi |
画面占有率 | 87.84% |
本体サイズ | 157.8 x 74.2 x 9.67 mm |
重さ | 208g |
SoC | SnapDragon730G |
RAM | 6GB |
ROM | 128GB |
OS | MIUI 11(Android9.0ベース) |
リアカメラ | 108MP+12MP+5MP+20MP+2MP |
インカメラ | 32MP |
バッテリー | 5260mAh |
充電速度 | 30W |
ワイヤレス充電 | なし |
防水/防塵 | なし |
イヤホンジャック | あり |
ハイレゾ | 対応(aptX HD、LDAC) |
スペックのなかでも注目すべきポイントは、過去記事「Xiaomi Mi Note 10を買った5つの理由」で触れているので、あわせてどうぞ。
Xiaomi Mi Note 10のカメラレビュー
それではさっそく、カメラの実力をレビューしていきます。
メインカメラ
屋内撮影。壁の大理石の模様を含め、精確でキレイに撮れてます。
手持ちのブツ撮り。単焦点レンズのように被写体にフォーカスされ背景は自然とボケます。
ねっとりしたチョコソースがおいしそう。
デミグラスソースのギラつきも完全再現しています。
日暮れ時の花壇。見たままの色合いが表現されています。
夜の花壇。0.5秒だけ止まって撮ったんですが、バシッとフォーカスが合うので撮影しやすいです。
夜景、暗所、ナイトモード
光がつぶれることなく捉えられています。
色合いや枝の細かいところまで精細です。
クリスマスツリーにフォーカスして撮影。電球1つ1つがちゃんと写っています。’
夕焼けも美しく撮れていますね。
光量の少ない住宅街。スマホカメラ泣かせのシチュエーションでは、さすがのMi Note 10も判断に迷ったようで、少しボヤッとしています。
同じく光量が少ない洞窟内のオブジェ。これだけ撮れれば十分です。
夜、ビルの合間の真っ暗なゴミ捨て場で、通常モードで片手撮影してみました。さすがに若干ブレましたが、フォーカスした商品名部分はわりとくっきりです。
暗がりの夜道、夜景モードで撮影した写真を等倍に拡大してみました。文字の跳ねや網目まできっちり捉えています。
さらに暗闇の道、特長のない植え込みを夜景モードで撮影してみました。縄の網目までくっきり。
1億800万画素(108MP)
実際の108MP写真は1枚20MBくらいあるので、全体像と等倍アップの比較を載せます。
高層ビルからスカイツリー方面を撮影。等倍拡大すると1つ1つの骨組みが見えます。
街なかで立ち止まって撮影した1枚。枝の先や葉っぱの模様まで見えます。
ステーキを撮ってみました。ゴマが見えます。
ラーメンの場合、スープに浮かぶ調味料やネギの繊維まではっきりと写りました。
ズーム性能(2倍、5倍)
2倍ズームで夕方の月。夕焼けの色あいもさながら、三日月の形までくっきり。
2倍ズームで波しぶきの瞬間を撮ってみました。いい粒度感出てます。
こちらは5倍ズーム。走る電車の車窓から見えた富士山を撮ってみました。流れる景色も一瞬でピタッと切り取れます。
ちなみに等倍・2倍・5倍の見え方の差はこんな感じ。
通常撮影でなんとか撮れた夜の飛行機。5倍ズームでもちゃんと写りました。
遠くの富士山を撮るのに5倍ズームは重宝しました。
こちらは夕方バージョン。通常撮影で全景を撮りつつ、5倍ズームで単体も撮るのもいいものです。
通常撮影だとポチになってしまう月も、5倍ズームならご覧の通り。
マクロモード
親指サイズの葉っぱに雨上がりの露。みずみずしく撮れています。
Lenovo Thinkpadの通称赤ポチ。マクロモードなら表面のつぶつぶだって撮れちゃいます。
Kindle Paperwhiteのスクリーンセーバーをマクロモードで撮ってみました。さすがに液晶のピクセルまでは捉えられませんでしたが、目視と同じ水準の見え方は確保しています。
道端で小指の爪におさまる大きさのイエグモを見つけたので撮ってみました。3センチくらいまで寄れます。脚の模様も写ってますね。
実際どのくらい寄れるのかお見せすると、フカフカな人形の繊維1本1本が写るレベルまで寄れます。
ファミレスでもらった子供用おもちゃのヨーヨー。マクロ撮影すると、表面の印刷のドットが見えました。
1.5mくらいの距離だと上記左側くらいですが、3cmくらいに寄ると右。マクロレンズは肉眼と同じくらい高精細です。
ちなみにメインカメラで限界まで寄ったところとマクロモードの違いはこんな感じ。寄れる距離が全然違いました。
ポートレートモード
ポートレートモードは、メインカメラの通常撮影と目立った差がありません。少し光量が多い(写真が明るい)かな、くらいでさ。
そもそもメインカメラが単焦点レンズのようなふるまいをするため、被写体にフォーカスすると自然と背景がボケます。
あえてポートレートモードを使う意味は、2週間使った中ではあまり感じられませんでした。
カメラ総合評価
- メインカメラは良くも悪くも単焦点
- 108MPはさすがにすごい
- 夜景や暗所撮影は高水準
- 2倍/5倍ズームは十分武器になる
- マクロモードはとにかく楽しい
- ポートレートモードは空気
- 広角モードはお好みで
メインカメラは被写体検出などを行わない単焦点レンズのような動作をします。そのため「1写真1被写体1メッセージ」を明確に意識する必要があり、玄人向けです。「なんとなく撮って全般的に焦点があえばいいや」な人には向かなさそうな気がします。
108MPの解像度は圧巻。肉眼で見える範囲を超え、望遠鏡のようなレベルで瞬間を切り取れます。ただし画素数の多さから、撮影から保存まで5秒ほどかかります。データが多いからしょうがありません。
夜景や暗所撮影は、結構ハイレベルな水準です。少なくともVisual Coreを積んだPixel 2よりはハイレベル。とはいえ、記事に載せてはいませんが、走る子供を追いかけながらの撮影だとさすがにブレます。これはスマホカメラ全般そうなのでしょうがないでしょう。
2倍/5倍ズームは、シャッタースピードが落ちず、画質も等倍ズームばりに良いので、十分に実用範囲内です。等倍のまま寄るより、その場で2倍/5倍に切り替えるほうがキレイに早く撮れます。
マクロモードはめちゃくちゃ楽しいです。ここまで寄れる&キレイに撮れると、撮影しなくていいものでも撮りたくなってしまいます(割り箸の表面の毛羽立ちとか……)。120点。
なおポートレートモードもあるにはありますが、メインカメラが単焦点レンズに近い挙動なので、ほぼ使いません。
0.6倍の広角モードもありますが、スナップ写真なら十分な画質だと感じるものの、取り立ててここで紹介するほどのものではありません。お好みで使えばOKくらいです。
Xiaomi Mi Note 10の外観や性能、使い勝手
カメラ特化なMi Note 10ですが、カメラ以外もちゃんとしています。
付属品:しっかり
- Mi Note 10本体
- TPUクリアケース
- 30Wチャージャー
- USB-A〜USB-Cケーブル
- コンセント変換プラグ
- 取扱説明書
必要なものは揃っています。
クリアケースが付属するので、裸で使う期間をゼロにでき、傷つかないように使うことができます。
外観・デザイン:美しい
惚れ惚れする上品な緑です。
左から
- 2MPマクロカメラ
- 20MP超広角カメラ
- 108MPプライマリカメラ
- 12MPポートレートカメラ
- 5MP望遠カメラ(10倍ハイブリッドズーム、50倍デジタルズーム)
の5眼。
画面側の自撮りカメラも32MPと、カメラに本気の構成です。
メインカメラ部分は結構でっぱっています。
ケースでの保護は必須。
充電口は下部分。USB-Cです。
3.5mmイヤホンジャック完備。
性能:カメラ+SNSがメインなら必要十分
- Antutu:約26万点
- Geekbench:シングルコア545点、マルチコア1698点
- AITuTu:92790点
SoCがミッドハイ向けのSnapDragon 730Gのため、ベンチマークスコア自体は決して高くありません。Geekbenchスコアも控えめ。
ただAntutuスコア26万点もあれば超重たいゲームを複数立ち上げない限りサクサク動きます。
一方、画像処理などAI性能を測る新しいベンチマークAITuTuでは、SnapDragon 845搭載のOnePlus 6Tのスコア(93737点)に迫るスコアを叩き出しています。
実際、カメラとSNSをメインに2週間使ってみたところ、一度ももっさり感やパフォーマンスに関する不満を感じたことがありませんでした。
使い勝手:Mi系プリインアプリを避ければ快適
MIUI 11が最初からインストール済。Android 9ベースですが、独自拡張で「画面端フリックで戻る」など便利機能が最初から使えます。
指紋認証や顔認証は、めちゃくちゃ早いです。
- 指紋認証:指をつけた瞬間に認証完了
- 顔認証:顔に向けて電源ボタンを押すとホーム画面が出てくるくらい早い
電池の持ちは、5000mAh超えなだけあって文句ありません。1日使い込んだ日でも夜に50%は必ず残っています。
なお、Xiaomiの提供するMi系プリインアプリは広告が出てくるのが玉にキズ。気になる人は、Google Playでランチャーや音楽アプリなどをダウンロードして使いましょう。
参考 MIUIに出る広告はうざい?実例と非表示にする方法を調べてみました
注意点:一部スマホ周辺機器との相性が悪い
ただ注意すべき点が1つだけあります。カメラが5つ並んでいるがゆえ、一部のスマホ周辺機器と相性が悪いという点です。
具体的に確認できた事例は、スマホ向けのジンバルと、一部のスマホホルダー。
ジンバルは、レンズとジンバル本体がかぶったり、バランスを取ろうとすると軸が写り込んだりします。
詳細はこちらの記事にて▼
スマホホルダーについては、MOFT Xの場合、貼り付けると108MPとマクロレンズが犠牲になります。
詳細はこちらの記事にて▼
これら周辺機器を使わなければ問題にならないものの、仮に使っているとしたら留意が必要でしょう。
ぼくは常にこれらを使っているわけではなく、気にならないレベルです
Xiaomi Mi Note 10はこんな人におすすめ
正直、評価が割れるスマホだと思います。
カメラ特化なので、カメラ性能を重視する人向けです。最新のゲームを楽しめるだけの性能は備えていますが、1フレームを追い求めるゲーマーには物足りないでしょう。
くわえて、カメラを重視する人のなかでも「オートマ派」でなく「マニュアル派」の人向け。
- オートマ派:何も考えずシャッターボタンを押すとそこそこキレイな写真が撮れる、を期待する人
- マニュアル派:被写体やシーンに応じてレンズを切り替えることで最高の一瞬を捉えたい、と思う人
理由は、Mi Note 10のカメラは、単焦点寄りのメインカメラや、特性の異なる複数のレンズを持っているがゆえ、それらの使い分けを覚えることで最高の撮影ができるようになっているからです。
レンズの切り替えに面倒さを感じる人は、Mi Note 10のカメラの実力を引き出すのは難しいと思います。
また世界初の108MP(1億画素)による超高解像度撮影は、体験すると驚きの連続。それにロマンを感じる人は、ぜひMi Note 10を手にとっていただきたいです。
まとめ:上級者向けデジカメにスマホ機能がついたもの
総合評価:
Xiaomi Mi Note 10は、複数レンズを使い分けられることで実力が最大限に発揮される、カメラにこだわる人向けのスマホです。
その意味で、カメラ特化のスマホというより、レンズ交換できるデジカメにスマホ機能がついたもの、と呼ぶほうがふさわしいかもしれません。
なので、万人向けではないと思います。あくまで、本当に(レンズの特性を理解したうえで)良い撮影をしたい人こそ、手にとるべきスマホと言えるでしょう。
撮影を楽しみたい、そして良い写真を撮りたい。かといって一眼レフはToo Muchだ。一方、スマホに性能は求めない。そんなぼくにとって、Mi Note 10はドンピシャでハマるため、星5つでした。
もし同じ方向性でカメラにこだわりを持っているなら、ぜひ購入してみてください。きっと満足できると思います。
以上「Xiaomi Mi Note 10をカメラ性能メインでレビューしてみた」でした。